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736 バイト追加 、 2013年12月27日 (金) 05:04
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== 製作の経緯 ==
 
== 製作の経緯 ==
前作TVシリーズ『[[機動戦士ガンダム00]]』は視聴者に大好評を得て成功、劇場版をもってシリーズは終了した。しかし、現代の時代背景が変わり「ガンダムという作品が高年齢層にしか受けなかった」という現実があった。第1作目の『[[機動戦士ガンダム]]』を初め、多くのガンダム作品が子供向けとして製作が続けられていくが、その視聴対象が「大人」へとシフトしていく。そんな現実を踏まえ、新しいTVシリーズは当初より現代の子供に受け入れられるソフトなイメージで製作することとなった。
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前作TVシリーズ『[[機動戦士ガンダム00]]』は視聴者に大好評を得て成功、劇場版をもってシリーズは終了した。しかし、現代の時代背景が変わり「ガンダムという作品が高年齢層にしか受けなかった」という現実があった。第1作目の『[[機動戦士ガンダム]]』を初め、多くのガンダム作品が子供向けとして製作が続けられていくが、その視聴対象が「大人」へとシフトしていく。そんな現実を踏まえ、新しいTVシリーズは当初より現代の子供に受け入れられるソフトなイメージで製作することとなった。これは製作スタッフの「ガンダムは大人だけのものではない」といった発言からも伺えた(明確に”子供向けにする”という発言はないとされる)。
    
そこで、ゲーム製作会社「レベルファイブ」(代表作は『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』等)に企画協力を依頼。また、バンダイが独自に開発した「カードゲーム」と「アミューズゲーム」の連携機である「データカードダス」をベースにした新ゲーム『ガンダムトライエイジ』も稼働。子供らにも「ガンダムというカードゲームを楽しませる」という試みは成功。TV放送に向けた製作準備も同時進行させ、『機動戦士ガンダムAGE』が放送となった。
 
そこで、ゲーム製作会社「レベルファイブ」(代表作は『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』等)に企画協力を依頼。また、バンダイが独自に開発した「カードゲーム」と「アミューズゲーム」の連携機である「データカードダス」をベースにした新ゲーム『ガンダムトライエイジ』も稼働。子供らにも「ガンダムというカードゲームを楽しませる」という試みは成功。TV放送に向けた製作準備も同時進行させ、『機動戦士ガンダムAGE』が放送となった。
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== ゲーム版について ==
 
== ゲーム版について ==
 
放映前からゲーム版の存在も明らかにされていたことも特筆に値する。<br/>
 
放映前からゲーム版の存在も明らかにされていたことも特筆に値する。<br/>
これまでの大半のアニメ作品のゲーム化は、放映中の開発ではストーリー改変や後期主人公機体などの情報が欠けていた。一方、放映後の発売では原作の再現はできるが、放映時の熱が冷め始めているなど思うようにならなかった。これはアニメ製作会社とゲーム会社との情報が共有されていなかったことが理由にあげられる。放映前に物語の先の展開を外部に出すことは望ましくなかったからである。<br/>
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これまでの大半のアニメ作品のゲーム化は、放映中の開発ではストーリー改変や後期主人公機体などの情報が欠けていた。一方、放映後の発売では原作の再現はできるが、放映時の熱が冷め始めているなど思うようにならなかった。これはアニメ製作会社とゲーム会社との情報が共有されていなかったことが理由にあげられる。放映前に物語の先の展開を外部に出すことは望ましくなかったからである。しかし、ガンダムAGEではゲーム製作会社「レベルファイブ」側と企画を共有できていたため、放映終了直前のホットな時期に原作を完全再現し、発売するという今までにないメディアミックスを実現させた。アニメ版との齟齬がなく、徹底した情報管理によって事前に情報のリークなどがほとんどなかったため、今後はアニメとゲームのあり方にも影響を与える例として注目を受けた。残念ながらゲーム版の売り上げは奮わなかったが、アニメ版を完全再現しつつもAGEシステムやウェアシステムなどアニメではクローズアップされなかった部分を補い、ゲームならではの形で活かしているのは(あるいはアニメの時点でゲーム化を見越した設定だったとも言われる)さすがはプロフェッショナルのゲーム会社である。
しかし、ガンダムAGEではゲーム製作会社「レベルファイブ」側と企画を共有できていたため、放映終了直前のホットな時期に原作を完全再現し、発売するという今までにないメディアミックスを実現させた。<br/>
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アニメ版との齟齬がなく、徹底した情報管理によって事前に情報のリークなどがほとんどなかったため、今後はアニメとゲームのあり方にも影響を与える例として注目を受けた。残念ながらゲーム版の売り上げは奮わなかったが、アニメ版を完全再現しつつもAGEシステムやウェアシステムなどアニメではクローズアップされなかった部分を補い、ゲームならではの形で活かしているのは(あるいはアニメの時点でゲーム化を見越した設定だったとも言われる)さすがはプロフェッショナルのゲーム会社である。
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2バージョンのパッケージが発売され、宇宙世紀の機体が収録されたものと、[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズ+[[機動戦士ガンダム00]]の機体が収録された。ガンダムAGEだけではなく、既存シリーズのファン層の興味を引くものとなっており、意欲的な作品であった。
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2バージョンのパッケージが発売され、宇宙世紀の機体が収録されたものと、[[機動戦士ガンダムSEED]]シリーズ+[[機動戦士ガンダム00]]の機体が収録されたものがある。ガンダムAGEだけではなく、既存シリーズのファン層の興味を引くものとなっており、意欲的な作品であった。
    
== 放送後の評価 ==
 
== 放送後の評価 ==
フリット編での正体不明の敵といういわゆる典型的な”子供向け”設定やレベルファイブが協力をした事で登場キャラのデザインなどから子供向けのガンダムだという憶測が流れた事や、制作サイドが世代を重ねる事でMSの性能が極端にインフレをする事を抑える事を重要視されていた為、序盤の戦闘が比較的緩やかだった事から多くの批判があったが、戦闘シーンのクオリティは回を重ねるごとに上がっていき、原画スタッフに羽山淳一氏や大張正己氏といった有名アニメーターを迎えるなどで、ロボットアニメらしいド派手な演出を見せるようになっていった。これはアニメーターの手腕によるものであり、ガンダムAGEが良くなったわけではない、とする声もあるが、この点を高く評価する視聴者も存在する。
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フリット編での正体不明の敵といういわゆる典型的な”子供向け”設定やレベルファイブが協力をした事で登場キャラのデザインなどから子供向けのガンダムだという憶測が流れた事や、制作サイドが世代を重ねる事でMSの性能が極端にインフレをする事を抑える事を重要視されていた為、序盤の戦闘が比較的緩やかだった事から多くの批判があった。これはシリーズ前作[[機動戦士ガンダム00]]の戦闘シーンがスピード感のあるハイクオリティなものであったが「早すぎて何をしてるのかわからない」といった意見が多かったからと言われている。ハイスピードの映像を見慣れている視聴者からは鈍重に映ったことも確かだが、だからといってハイスピード一辺倒が良いというわけではなく、ガンダムAGEはその手法を取り入れなかっただけである。
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そうした結果、戦闘シーンのクオリティは回を重ねるごとに上がっていき、原画スタッフに羽山淳一氏や大張正己氏といった有名アニメーターを迎えるなどで、ロボットアニメらしいド派手な演出を見せるようになっていった。これはアニメーターの手腕によるものであり、ガンダムAGEが良くなったわけではない、とする声もあるが、この点を高く評価する視聴者も存在する。
    
一方、ストーリー構成はあまり芳しい評価を得られていない。
 
一方、ストーリー構成はあまり芳しい評価を得られていない。
 
100年という壮大なスケール(より正確には63年)の物語であるため、どうしても世代交代の必要性があった。そのため、12話に1回はフリット以外の登場人物を刷新することになり、登場人物の情報量が肥大化。結果、主要人物以外のキャラクターの掘り下げができず、魅力が感じられるようになったあたりで世代交代という非常にもったいない起用法になってしまっている。また、世代ごとの登場人物の死亡によって喪失感を与える手法を多く用いているが、前述のとおり”子供向け”という方針との乖離に関しては疑問が残る。
 
100年という壮大なスケール(より正確には63年)の物語であるため、どうしても世代交代の必要性があった。そのため、12話に1回はフリット以外の登場人物を刷新することになり、登場人物の情報量が肥大化。結果、主要人物以外のキャラクターの掘り下げができず、魅力が感じられるようになったあたりで世代交代という非常にもったいない起用法になってしまっている。また、世代ごとの登場人物の死亡によって喪失感を与える手法を多く用いているが、前述のとおり”子供向け”という方針との乖離に関しては疑問が残る。
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ストーリーも、世代間ごとに独立しながら[[アンノウンエネミー]]との戦いという大きな主軸に沿ったつくりになっているため、それぞれの物語が消化不良のまま次代へと引き継がれるという(構成上やむを得ない点ではあるが)わかりにくさも不評であった。結果として、集大成である第三世代に引き継がれる情報が多く、終盤になって突如明らかになった[[EXA-DB]]の存在なども含めて非常に複雑でわかりにくい内容になってしまった。
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ストーリーも、世代間ごとに独立しながら[[UE]]との戦いという大きな主軸に沿ったつくりになっているため、それぞれの物語が消化不良のまま次代へと引き継がれるという(構成上やむを得ない点ではあるが)わかりにくさも不評であった。結果として、集大成である第三世代に引き継がれる情報が多く、終盤になって突如明らかになった[[EXA-DB]]の存在なども含めて非常に複雑でわかりにくい内容になってしまった。
    
また、全編を通して[[フリット・アスノ|フリット]]が物語の中心人物であり続けたため、「三つの運命が ひとつになる」というキャッチコピーと大きく異なり、フリットの物語となってしまっていた。そのため、フリットが物語を牽引してしまい、アセムやキオはその影響下で動く副主人公のような立場であった。復讐という妄執に取り付かれたフリットは、後半には[[ヴェイガン]]を倒すことが行動理念となっていたため、キオに対して洗脳教育を施すなど非人道的な振る舞いや、何かと「ヴェイガンを全滅させる」「ヴェイガンは絶滅じゃ」といった過激な発言を連発するようになる。これまでのガンダムシリーズは、あくまでも「権益を取得するための戦闘行為」という決着点のある「戦争」であったが、ガンダムAGEは地球人を絶滅させたいヴェイガンと、ヴェイガンを絶滅させたいフリットの、血みどろの「殺し合い」になっている。この点も、”子供向け”とした方針と大きく食い違っている。<br/>
 
また、全編を通して[[フリット・アスノ|フリット]]が物語の中心人物であり続けたため、「三つの運命が ひとつになる」というキャッチコピーと大きく異なり、フリットの物語となってしまっていた。そのため、フリットが物語を牽引してしまい、アセムやキオはその影響下で動く副主人公のような立場であった。復讐という妄執に取り付かれたフリットは、後半には[[ヴェイガン]]を倒すことが行動理念となっていたため、キオに対して洗脳教育を施すなど非人道的な振る舞いや、何かと「ヴェイガンを全滅させる」「ヴェイガンは絶滅じゃ」といった過激な発言を連発するようになる。これまでのガンダムシリーズは、あくまでも「権益を取得するための戦闘行為」という決着点のある「戦争」であったが、ガンダムAGEは地球人を絶滅させたいヴェイガンと、ヴェイガンを絶滅させたいフリットの、血みどろの「殺し合い」になっている。この点も、”子供向け”とした方針と大きく食い違っている。<br/>
 
翻って、戦争を「敵を全滅させれば勝ち」という幼稚な発想、という意味では子供向けではあるが、それはあまりにも穿った見方であろう。
 
翻って、戦争を「敵を全滅させれば勝ち」という幼稚な発想、という意味では子供向けではあるが、それはあまりにも穿った見方であろう。
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放映期間中、時折シリーズ構成を担当したレベルファイブの日野晃博氏がtwitterを通じてコメントすることがあったが、「3話まで見てから批判してほしい」「ここから面白くなる」といったリップサービス(いわゆる煽り)を行っていたが、たいていは視聴者の期待したものとかけ離れていたため、逆に批判を浴びることになった。放映終了後、日野氏は「ガンダムという視聴者の思い入れが大きいタイトルでは、自分の思うものが作れなかった」と、責任転嫁をにおわせる発言も行っており、さらに評判を下げた。(但し、これに関しては他のスタッフも近い発言をしており従来のガンダム像が邪魔をしていた事は事実である)
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放映期間中、時折シリーズ構成を担当したレベルファイブの日野晃博氏がtwitterを通じてコメントすることがあったが、「3話まで見てから批判してほしい」「ここから面白くなる」といったリップサービス(いわゆる煽り)を行っていたが、たいていは視聴者の期待したものとかけ離れていたため、逆に批判を浴びることになった。放映終了後、日野氏は「ガンダムという視聴者の思い入れが大きいタイトルでは、自分の思うものが作れなかった」と、責任転嫁をにおわせる発言も行っており、さらに評判を下げた(但し、これに関しては他のスタッフも近い発言をしており、従来のガンダム像が邪魔をしていた事は事実である)。
    
小説版も発売されており、大筋こそテレビ版と同じであるものの大幅な世界観の変更とともに、アニメでは描写されなかった部分や説明不足だった部分が補完されており、人によっては「もはや別物」と言われている(ただし、低年齢層を取り入れたいという思惑のあったテレビ版とは違い残酷な描写も多く、第二部ではアセムがXラウンダーに対する劣等感を募らせるシーンやビッグリング攻防戦のすべてが省かれていたり、第三部以降のオブライトやユノアなど、一部登場人物や場面の描写に関しては否定意見も多く見られており、必ずしも良い意味というわけではない)。
 
小説版も発売されており、大筋こそテレビ版と同じであるものの大幅な世界観の変更とともに、アニメでは描写されなかった部分や説明不足だった部分が補完されており、人によっては「もはや別物」と言われている(ただし、低年齢層を取り入れたいという思惑のあったテレビ版とは違い残酷な描写も多く、第二部ではアセムがXラウンダーに対する劣等感を募らせるシーンやビッグリング攻防戦のすべてが省かれていたり、第三部以降のオブライトやユノアなど、一部登場人物や場面の描写に関しては否定意見も多く見られており、必ずしも良い意味というわけではない)。
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