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129 バイト追加 、 2013年12月27日 (金) 05:17
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== 放送後の評価 ==
 
== 放送後の評価 ==
フリット編での正体不明の敵といういわゆる典型的な”子供向け”設定やレベルファイブが協力をした事で登場キャラのデザインなどから子供向けのガンダムだという憶測が流れた事や、制作サイドが世代を重ねる事でMSの性能が極端にインフレをする事を抑える事を重要視されていた為、序盤の戦闘が比較的緩やかだった事から多くの批判があった。これはシリーズ前作[[機動戦士ガンダム00]]の戦闘シーンがスピード感のあるハイクオリティなものであったが「早すぎて何をしてるのかわからない」といった意見が多かったからと言われている。ハイスピードの映像を見慣れている視聴者からは鈍重に映ったことも確かだが、だからといってハイスピード一辺倒が良いというわけではなく、ガンダムAGEはその手法を取り入れなかっただけである。
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フリット編での正体不明の敵といういわゆる典型的な”子供向け”設定やレベルファイブが協力をした事で登場キャラのデザインなどから子供向けのガンダムだという憶測が流れた事(若年層をメインターゲットにしたことは事実ではあるが、子供向けというわけではない)や、制作サイドが世代を重ねる事でMSの性能が極端にインフレをする事を抑える事を重要視されていた為、序盤の戦闘が比較的緩やかだった事から多くの批判があった。これはシリーズ前作[[機動戦士ガンダム00]]の戦闘シーンがスピード感のあるハイクオリティなものであったが「早すぎて何をしてるのかわからない」といった意見が多かったからと言われている。ハイスピードの映像を見慣れている視聴者からは鈍重に映ったことも確かだが、だからといってハイスピード一辺倒が良いというわけではなく、ガンダムAGEはその手法を取り入れなかっただけである。
    
そうした結果、戦闘シーンのクオリティは回を重ねるごとに上がっていき、原画スタッフに羽山淳一氏や大張正己氏といった有名アニメーターを迎えるなどで、ロボットアニメらしいド派手な演出を見せるようになっていった。これはアニメーターの手腕によるものであり、ガンダムAGEが良くなったわけではない、とする声もあるが、この点を高く評価する視聴者も存在する。
 
そうした結果、戦闘シーンのクオリティは回を重ねるごとに上がっていき、原画スタッフに羽山淳一氏や大張正己氏といった有名アニメーターを迎えるなどで、ロボットアニメらしいド派手な演出を見せるようになっていった。これはアニメーターの手腕によるものであり、ガンダムAGEが良くなったわけではない、とする声もあるが、この点を高く評価する視聴者も存在する。
    
一方、ストーリー構成はあまり芳しい評価を得られていない。
 
一方、ストーリー構成はあまり芳しい評価を得られていない。
100年という壮大なスケール(より正確には63年)の物語であるため、どうしても世代交代の必要性があった。そのため、12話に1回はフリット以外の登場人物を刷新することになり、登場人物の情報量が肥大化。結果、主要人物以外のキャラクターの掘り下げができず、魅力が感じられるようになったあたりで世代交代という非常にもったいない起用法になってしまっている。また、世代ごとの登場人物の死亡によって喪失感を与える手法を多く用いているが、前述のとおり”子供向け”という方針との乖離に関しては疑問が残る。
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100年という壮大なスケール(より正確には63年)の物語であるため、どうしても世代交代の必要性があった。そのため、12話に1回はフリット以外の登場人物を刷新することになり、登場人物の情報量が肥大化。結果、主要人物以外のキャラクターの掘り下げができず、魅力が感じられるようになったあたりで世代交代という非常にもったいない起用法になってしまっている。また、世代ごとの登場人物の死亡によって喪失感を与える手法を多く用いているが、前述のとおり若年層をターゲットとした方針との乖離に関しては疑問が残る。
    
ストーリーも、世代間ごとに独立しながら[[UE]]との戦いという大きな主軸に沿ったつくりになっているため、それぞれの物語が消化不良のまま次代へと引き継がれるという(構成上やむを得ない点ではあるが)わかりにくさも不評であった。結果として、集大成である第三世代に引き継がれる情報が多く、終盤になって突如明らかになった[[EXA-DB]]の存在なども含めて非常に複雑でわかりにくい内容になってしまった。
 
ストーリーも、世代間ごとに独立しながら[[UE]]との戦いという大きな主軸に沿ったつくりになっているため、それぞれの物語が消化不良のまま次代へと引き継がれるという(構成上やむを得ない点ではあるが)わかりにくさも不評であった。結果として、集大成である第三世代に引き継がれる情報が多く、終盤になって突如明らかになった[[EXA-DB]]の存在なども含めて非常に複雑でわかりにくい内容になってしまった。
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また、全編を通して[[フリット・アスノ|フリット]]が物語の中心人物であり続けたため、「三つの運命が ひとつになる」というキャッチコピーと大きく異なり、フリットの物語となってしまっていた。そのため、フリットが物語を牽引してしまい、アセムやキオはその影響下で動く副主人公のような立場であった。復讐という妄執に取り付かれたフリットは、後半には[[ヴェイガン]]を倒すことが行動理念となっていたため、キオに対して洗脳教育を施すなど非人道的な振る舞いや、何かと「ヴェイガンを全滅させる」「ヴェイガンは絶滅じゃ」といった過激な発言を連発するようになる。これまでのガンダムシリーズは、あくまでも「権益を取得するための戦闘行為」という決着点のある「戦争」であったが、ガンダムAGEは地球人を絶滅させたいヴェイガンと、ヴェイガンを絶滅させたいフリットの、血みどろの「殺し合い」になっている。この点も、”子供向け”とした方針と大きく食い違っている。<br/>
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また、全編を通して[[フリット・アスノ|フリット]]が物語の中心人物であり続けたため、「三つの運命が ひとつになる」というキャッチコピーと大きく異なり、フリットの物語となってしまっていた。そのため、フリットが物語を牽引してしまい、アセムやキオはその影響下で動く副主人公のような立場であった。復讐という妄執に取り付かれたフリットは、後半には[[ヴェイガン]]を倒すことが行動理念となっていたため、キオに対して洗脳教育を施すなど非人道的な振る舞いや、何かと「ヴェイガンを全滅させる」「ヴェイガンは絶滅じゃ」といった過激な発言を連発するようになる。これまでのガンダムシリーズは、あくまでも「権益を取得するための戦闘行為」という決着点のある「戦争」であったが、ガンダムAGEは地球人を絶滅させたいヴェイガンと、ヴェイガンを絶滅させたいフリットの、血みどろの「殺し合い」になっている。この点も、若年層を意識した方針と大きく食い違っている。<br/>
 
翻って、戦争を「敵を全滅させれば勝ち」という幼稚な発想、という意味では子供向けではあるが、それはあまりにも穿った見方であろう。
 
翻って、戦争を「敵を全滅させれば勝ち」という幼稚な発想、という意味では子供向けではあるが、それはあまりにも穿った見方であろう。
  
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