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L5コロニー群出身の少年。丈の長い白い中国服を普段着にしている。愛機の[[シェンロンガンダム]]を死んだ妻である[[竜妹蘭]]の名乗っていた中国の古い武人の名にちなんで「ナタク」と呼ぶ。
 
L5コロニー群出身の少年。丈の長い白い中国服を普段着にしている。愛機の[[シェンロンガンダム]]を死んだ妻である[[竜妹蘭]]の名乗っていた中国の古い武人の名にちなんで「ナタク」と呼ぶ。
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優れたガンダムパイロットであると同時に武術の腕も高く、自分の血統と称号に高い誇りを持っている。非常にプライドが高く、一方で他者を気遣うために単独行動をとる場合が多い。
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一度生身で敗北して屈辱を味わわされたトレーズを宿敵として狙う。武器商人から補給しながら、単独で対[[OZ]]破壊工作を行っていた。
    
古代中国から続く戦士の一族の直系で、戦士の称号を持つ。正義かそうでないかが彼の価値感の全てであり、常に自分の正義を貫く為に行動する。邪悪な考えを持つものを本能的に見分け、迷うことなく敵と決め、容赦なく攻撃を仕掛ける。一度は[[トレーズ・クシュリナーダ]]に敗れたことで自信を喪失。常に自分が強い、自分が勝つという前提のもとに戦いを行ってきた彼が「自分は弱い」という自己矛盾に陥るも、「弱いから強くなろうとする」という[[サリィ・ポォ]]に出会ったことで自分を取り戻し、戦線に復帰。ガンダムパイロット達と共に戦い続けた。
 
古代中国から続く戦士の一族の直系で、戦士の称号を持つ。正義かそうでないかが彼の価値感の全てであり、常に自分の正義を貫く為に行動する。邪悪な考えを持つものを本能的に見分け、迷うことなく敵と決め、容赦なく攻撃を仕掛ける。一度は[[トレーズ・クシュリナーダ]]に敗れたことで自信を喪失。常に自分が強い、自分が勝つという前提のもとに戦いを行ってきた彼が「自分は弱い」という自己矛盾に陥るも、「弱いから強くなろうとする」という[[サリィ・ポォ]]に出会ったことで自分を取り戻し、戦線に復帰。ガンダムパイロット達と共に戦い続けた。
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彼の言う正義とは単に「強いこと」と誤解されやすく、「勝てば正義」「弱者は悪」という非常に独善的なものと取られることがある。実際は「正義は負けない」「悪の栄えたためしなし」という一種のヒーロー理念と言い換えてもよいのだが、何かと正義にこだわる彼の言葉を額面どおりに捕らえてしまうと「勝ったから正しい」「力こそ正義」という世紀末な考えを持った人物と思われてしまう。もしそうであればトレーズに敗れた時点で彼は「悪」となり、舞台から退場していなければならない。そうでないことはその後の展開からも判るだろう。彼の「正義」は「正しいから勝つ or 勝ったから正しい=正義は勝つ」であり、そして正義は勝つのだから強いに決まっている、となる。案外単純なのである。
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彼の言う正義とは単に「強いこと」と誤解されやすく、「勝てば正義」「弱者は悪」という非常に独善的なものと取られることがある(事実、EPISODE ZEROではそのように理解している)。実際は「正義は負けない」「悪の栄えたためしなし」という一種のヒーロー理念と言い換えてもよいのだが、何かと正義にこだわる彼の言葉を額面どおりに捕らえてしまうと「勝ったから正しい」「力こそ正義」という世紀末な考えを持った人物と思われてしまう。もしそうであればトレーズに敗れた時点で彼は「悪」となり、舞台から退場していなければならない。そうでないことはその後の展開からも判るだろう。彼の「正義」は「正しいから勝つ=正義は勝つ」であり、そして正義は勝つのだから強いに決まっている、となる。案外単純なのである。そして「弱いものは戦うな」という言葉は「正義は勝つ=正しいから強い」と同時に「強くなければ正義を貫けない」という意味でもあることがわかる。
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この点は[[機動戦士ガンダムSEED]]で[[キラ・ヤマト]]の「想いだけでも、力だけでも…」というセリフと非常に似通っている。
    
しかし、このあたりの細かい説明がなされていなかったため、他の4名のガンダムパイロットと比べると、コロニーのために戦う彼らに対し、短絡的で、強力なガンダムに助けられているだけの自分を強い強いとアピールしたいだけのくせに、トレーズに敗れながらも敗北=悪を受け入れられずに正義面しているというものすごくウザいキャラクターと誤解されていることが多い。
 
しかし、このあたりの細かい説明がなされていなかったため、他の4名のガンダムパイロットと比べると、コロニーのために戦う彼らに対し、短絡的で、強力なガンダムに助けられているだけの自分を強い強いとアピールしたいだけのくせに、トレーズに敗れながらも敗北=悪を受け入れられずに正義面しているというものすごくウザいキャラクターと誤解されていることが多い。
 
一方、彼の真意に触れたファンからは非常に愛されており、そういった意味では言葉の足りない不器用さがよく現れている。ガンダムWの登場人物はあまり真意を口に出さないタイプが多く、五飛は口数が多い割りに特にそのあたりがわかりにくいキャラクターであったため、大変損な評価をされてしまっている。
 
一方、彼の真意に触れたファンからは非常に愛されており、そういった意味では言葉の足りない不器用さがよく現れている。ガンダムWの登場人物はあまり真意を口に出さないタイプが多く、五飛は口数が多い割りに特にそのあたりがわかりにくいキャラクターであったため、大変損な評価をされてしまっている。
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常に感情を表に出し、一見して粗暴なイメージがあるが、戦い以外の時は物静かでシャイ。純粋なあまり、一般人から見ると予想外の行動に出る場合も多い。また、[[オペレーション・デイブレイク]]の目的を5人のガンダムパイロットの中で唯一見破るあたり、戦術を見る力もある。
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常に感情を表に出し、一見して粗暴なイメージがあるが、戦い以外の時は物静かでシャイ。純粋なあまり、一般人から見ると予想外の行動に出る場合も多い。
 
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また、[[オペレーション・デイブレイク]]の目的を5人のガンダムパイロットの中で唯一見破るなど、武力のみならず戦術を見る力もある。
武術の腕も高く、自分の血統と称号に高い誇りを持っており、単独行動をとる場合が多い。一度生身で敗北して屈辱を味わわされたトレーズを宿敵として狙う。武器商人から補給しながら、単独で対[[OZ]]破壊工作を行っていた。
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== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
<!-- :作品名:解説 -->
 
<!-- :作品名:解説 -->
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;「お前は正しいのか?」/「正しいのかと聞いている!」
 
;「お前は正しいのか?」/「正しいのかと聞いている!」
 
:五飛を象徴するセリフ。まず戦う相手に投げかけ、「自分の行動が(少なくとも自分自身が)正しいと思っているのか自分自身に問え」という意味であり、言い換えればお互いが正しいと考えている者同士が戦場で相対すれば、戦って決着をつけるしかない、という悲壮な覚悟の言葉でもある。大抵は意味を捉えかねて返答できないため、もう一度問い直すことになる。
 
:五飛を象徴するセリフ。まず戦う相手に投げかけ、「自分の行動が(少なくとも自分自身が)正しいと思っているのか自分自身に問え」という意味であり、言い換えればお互いが正しいと考えている者同士が戦場で相対すれば、戦って決着をつけるしかない、という悲壮な覚悟の言葉でもある。大抵は意味を捉えかねて返答できないため、もう一度問い直すことになる。
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:彼は「正しいのか」と問うことはあっても「強いのか」と問うことはない。これが五飛の正義が「正義は強い(正しいから勝つ)」ことであって「強いものが正義(勝ったから正しい)」ではないことの根拠となっている。
 
;「弱い者は戦うな!」
 
;「弱い者は戦うな!」
:彼が失い続けたものは、みな「弱かった」からであり、「弱い」のに戦ったために失われてしまった。これは彼なりの「失いたくない」という思いのこもった言葉。額面どおりに捉えると、「弱者はされるがまま蹂躙されろ」という意味になってしまい、非常に傲慢と思われてしまう。このあたりはセリフ回しの問題であり、意図的に誤解を受けやすくなっていながら、その割りにフォローがない。大変損なキャラクターである。
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:彼が失い続けたものは、みな「弱かった」からであり、「弱い」のに戦ったために失われてしまった。これは彼なりの「失いたくない」という思いのこもった言葉で、「戦うのは強い者(=正義の味方)にまかせておけ」という意味。額面どおりに捉えると、「弱者はされるがまま蹂躙されろ」という意味になってしまい、非常に傲慢と思われてしまう。このあたりはセリフ回しの問題であり、意図的に誤解を受けやすくなっていながら、その割りにフォローがない。大変損なキャラクターである。
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;「正しい奴が強くなくてどうする!」
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:17話より。OZとコロニーとの関係が良好になっていくなか、OZの真の目的を知るガンダムパイロットたちはそれを知らしめようとするも、実利を取るコロニー側から見捨てられる運命にあった。危機に陥ったカトルとデュオだったが、間一髪で五飛が救出に現れてこのセリフ。これこそが五飛の『正義』の本質である。とても格好いい。
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;「俺は『犠牲』の上に成り立つ『平和』という名の正義が本当に正しいのか確かめたいだけだ!そのために…俺は『悪』になる!」
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;「人類は変わらなかった…倒すべき敵を倒しても、地球は何も変わらなかったんだ!!」
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;「だから兵士はいらんのか!戦争のためだけに生きた兵士は切り捨てるのか!」
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:五飛や兵士達は今まで戦ってきたことの結末を見届ける権利と義務がある。だが、その結末は自分たちが「切り捨て」られるに値するだけのものではなかった。五飛もまた戦争を憎むパイロットであるが、だからといってとにかく戦争がなくなればいいというわけではない。理想のために戦ってきた結末が満足行くものでなければ、満足の行く結末まで戦い続けることもまた正しいのではないのか。自己否定と自己肯定のあいだで、五飛もまた煩悶していた。
 
;「俺と貴様はこうして戦っている。戦っている時こそ、俺も貴様も充実しているのではないのか!?」  
 
;「俺と貴様はこうして戦っている。戦っている時こそ、俺も貴様も充実しているのではないのか!?」  
 
;「俺と貴様は同類だ!戦場でしか、己の存在意義を見出すことが出来んのだ!!」
 
;「俺と貴様は同類だ!戦場でしか、己の存在意義を見出すことが出来んのだ!!」
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;「これで俺も戦いを棄てられる……さらばだ、トレーズ」
 
;「これで俺も戦いを棄てられる……さらばだ、トレーズ」
 
:デキムに反抗して、自らの意志で立ち上がるブリュッセルの人達を見守っていた時の言葉。トレーズを撃破した時から苛まれていた葛藤から、五飛はようやく前に進み見始めた。
 
:デキムに反抗して、自らの意志で立ち上がるブリュッセルの人達を見守っていた時の言葉。トレーズを撃破した時から苛まれていた葛藤から、五飛はようやく前に進み見始めた。
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== 迷台詞 ==
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;「ズール皇帝こそが正義だ!」
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:スーパーロボット大戦64より。スタンドプレーに走りがちな五飛は単独でズール帝国に挑み、洗脳されてしまっていた。これは洗脳されている状態でのセリフなので五飛が変節したとかではないのだが、正義を軸にしっかりと自分の足で立っていた五飛のあまりの変わりようにファンは茫然。すかさず[[デュオ・マックスウェル]]から指摘が入ったもののそのインパクトは計り知れず、21世紀に入ってもファンの脳裏に強烈に焼き付いている。
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== 搭乗機体・関連機体 ==
 
== 搭乗機体・関連機体 ==
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