ヘリウム3

2024年2月25日 (日) 17:27時点におけるジェス中尉 (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「== ヘリウム3 (helium-3) == ヘリウムの同位元素の1つ。普通のヘリウム(<sup>4</sup>He)の原子核が陽子2個・中性子2個であるのに対…」)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)

ヘリウム3 (helium-3) 編集

ヘリウムの同位元素の1つ。普通のヘリウム(4He)の原子核が陽子2個・中性子2個であるのに対し、陽子2個・中性子1個から成り立っており、分子量が小さいため、通常のヘリウムよりも密度が小さく、沸点と融点が共に低いのが特徴。

熱核融合炉のエネルギー生成に必要なD-He3反応にはデューテリウム(重水素2H)と共に無くてはならない燃料となっている。核融合には他にもD-T(デューテリウム ― トリチウム)反応やD-D反応などがあるが、どれも大量の中性子が発生するため扱いにくく、D-He3反応は中性子がほとんど発生しないクリーンで扱いやすい組み合わせとなっている。

ヘリウム3はヘリウム全体の内、0.015%に過ぎない超希少元素であり、しかも地球上にはほとんど存在しないため、地球上よりは高濃度が含まれるの土壌から採取されるか、ヘリウムを大量に大気中に含む木星ヘリウム船団が赴き採取してくる他、大量生産には難しいものとなっている。一年戦争の頃に地球連邦軍ジオン公国軍の間で締結された南極条約においてヘリウム3を輸送するヘリウム船団の不可侵の条約が交わされた事からも、宇宙植民の時代においてヘリウム輸送がいかに重要かが分かる。

登場作品 編集

機動戦士ガンダム
放送当時にヘリウム3に関する設定は登場しないものの、シャリア・ブルに木星エネルギー船団を率いているという設定があるように、木星で何らかのエネルギーが採取されている事がこの時点でも伺える。
ガンダムセンチュリー
設定の初出。熱核融合炉などと共に以降のガンダムシリーズで公式設定化された。
機動戦士Ζガンダム
公式作品における初出。ヘリウム3輸送を任務とするパプテマス・シロッコ率いる木星船団が登場した。
機動戦士ガンダムNT
宇宙におけるヘリウム3の保管場所としてサイド6の備蓄基地が登場。数十~数百規模の超巨大タンクが並んでいる。

関連技術 編集

熱核融合炉
ヘリウム3と重水素の核融合反応によりエネルギーを生成する動力機関。宇宙世紀作品における艦艇やモビルスーツの基礎的な動力源となっている。

関連項目 編集

南極条約
一年戦争時に連邦軍とジオン軍の間で締結された戦時条約。木星船団の保護が条文に含まれている。
木星船団
ヘリウム3採取のため地球と木星を数年かけて往復する輸送船団。ジュピトリスに代表される超巨大輸送艦が旗艦を担っている。
サイド6ヘリウム3備蓄基地臨界爆発事故
機動戦士ガンダムNT』において発生した事故。その実はIIネオ・ジオングがサイコ・シャードを使用して引き起こした臨界爆発であり、最終的に地球まで巻き込む大規模な無差別破壊を目論んでいた。

リンク 編集