ザンスカール帝国(Zanscale Empire)

ザンスカール帝国とは機動戦士Vガンダムと機動戦士クロスボーン・ガンダムゴーストの作品内での敵組織である

機動戦士Vガンダム

機動戦士Vガンダム」等に登場する主人公陣営の敵対勢力。なお「ザンスカール」とはインドのカルギル地方の地名に由来する。

宇宙世紀0149年にサイド2アメリアコロニーに勃興した国家。ザンスカール建国時の宇宙世紀は「宇宙戦国時代」とも呼ばれ、地球連邦政府の弱体化に伴い各スペースコロニーが自治政府を打ち出す「コロニー国家主義」が台頭していた[1]。ザンスカール帝国もその中で生まれたコロニー国家の一つである。

その源流はマリア・ピァ・アーモニアと結託したフォンセ・カガチが立ち上げた政治政党「ガチ党」であり、アメリア政庁の第三勢力として躍進し、与党[2]となった後にマリアを女王とするザンスカール帝国の建国が成された。また、その際にアメリアに駐留していた連邦軍部隊とサナリィサイド2支社を接収・再編し軍事部門である「ベスパ」を編成している。

女性を中心とした母系社会を説くマリア主義を掲げながらも、反対派勢力をギロチンや強大な軍事力によって粛清する恐怖政治を用いるという相反する二つの顔を持ち、その姿勢に反感を持つ者も少なくない。その目的はマリア主義を掲げた穏やかな人類の再生であり、恐怖政治もその為の手段に過ぎない。この思想に反発した民間ネットワークがリガ・ミリティアを結成、レジスタンス活動を開始した事でザンスカール戦争に発展していった。

ベスパの強大な軍事力を背景に周辺コロニーを併合していき、地球進行を開始。リガ・ミリティアによる抵抗を受けて本国への空襲を許すものの地球クリーン作戦を発動し、その裏で連邦軍との休戦協定を締結させた。だが、それは巨大サイコミュ要塞エンジェル・ハイロゥ起動までの時間稼ぎに過ぎず、カガチの最終目的はこれを地球に降下させて地球に住む人類すべてを幼児退行させる事にあった。しかし、エンジェル・ハイロゥを巡る攻防戦の最中に現体制に疑問を抱いたタシロ・ヴァゴが反旗を翻し、女王マリアを拉致。クーデターそのものは失敗に終わるが、その最中にマリアも死亡。更に帝国の中心人物であるカガチに加え、軍の実質的なトップであるムッターマ・ズガン、女王の弟クロノクル・アシャーも戦死。エンジェル・ハイロゥも崩壊し、中枢部はザンスカール、連邦両方の艦隊を巻き込みながら銀河の彼方へ飛翔。ザンスカールの戦力はほぼ壊滅かMIAとなり、膨大なリソースを割いた作戦の失敗や指導者達の全滅によって、ザンスカール帝国は事実上崩壊した。

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト

エンジェルハイロウでの連邦とリガミリティアとの最終決戦に敗北し完全に滅亡されたと思われたザンスカール帝国だが残党が集結し再び各地で活動をし始める。完全に組織が後壊してしまったリガミリティアの代わりにかつて木星帝国相手に戦ったテテニス・ドゥカチ及びカーティス・ロゴスを中心としたクロスボーンバンガード勢が奮起しザンスカール帝国相手に戦いを挑むこととなる。

劇中前半では所詮残党勢力程度にしか描かれてはいなかったが中盤以降はほぼ元の勢力を取り戻していることが描かれている。

作中中盤以降はクロスボーンバンガード勢、サーカス勢との三つ巴の戦いとなり戦況は苦しい状態となる。先の大戦での敗北後再び残党を集結させることは一部の勢力内では密かに動いていたようでエンジェルハイロウの活用の背景から読み取るとテテニスはその一部の勢力に騙されていたこととなりカガチはその残党の動きもその時点で詠んでの行動とも取れる。前作の終盤でのザンスカール帝国の最重要拠点エンジェルハイロウはザンスカールの軍事的な代表であるカガチと木星帝国女王テテニスの二人が発案した者であり元々は平和的に利用するために作られたものだったのだがカガチはテテニスの良心を利用し軍事的な活動に転換してしまったことが明らかとなっている。

登場作品と役柄

機動戦士Vガンダム
機動戦士Vガンダム プロジェクト・エクソダス
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト

関連用語

ベスパ
ザンスカール帝国の国軍。ベスパとは「スズメバチ」を意味する。サイド2駐留の連邦軍やサナリィの一部が前身となっている。
イエロージャケット
ベスパの特殊部隊。ベスパのノーマルスーツが黄色い為、こう呼称されている。
モトラッド艦隊
アドラステア・リシテアの両艦船で構成された地球侵攻艦隊。
ゴールデンエッグス
NT育成や戦術研究を目的とした特務部隊。ザンスカール戦争終盤で本国から離反。

関連人物

マリア・ピァ・アーモニア
フォンセ・カガチ
ムッターマ・ズガン
タシロ・ヴァゴ

リンク

脚注

  1. コスモ・バビロニア建国戦争以降、連邦の弱体化が明らかになった事で始まったコロニー単位での独立機運の高まりが始まりとされる。
  2. この際、贈収賄で起訴された首班グループを糾弾し、彼らをギロチンで粛清した事がガチ党の影響力を強める要因となった。