「ガンダム・バルバトス」の版間の差分

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== ASW-G-08 ガンダム・バルバトス (Gundam Barbatos) ==
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{{登場メカ概要
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| 外国語表記 = Gundam Barbatos
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| 登場作品 = [[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]]
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| デザイン = 鷲尾直広
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}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
*登場作品:[[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]]
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{{登場メカ概要
*デザイナー:鷲尾直広
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| タイトル = スペック
*分類:[[モビルスーツ]]
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| 分類 = [[モビルスーツ]]
*装甲:[[ナノラミネートアーマー]]
+
| 生産形態 = ワンオフ機
<!-- *頭頂高: -->
+
| 型式番号 = ASW-G-08
*全高:18.0m
+
| 全高 =
*本体重量:28.5t
+
18.0m(第1形態~第5形態)
<!-- *全備重量: -->
+
18.8m(第5形態地上戦仕様・第6形態)
*主動力:[[エイハブ・リアクター]]×2
+
| 本体重量 =
<!-- *ジェネレーター出力: -->
+
28.5t(第4形態)
<!-- *スラスター総推力: -->
+
30.5t(第6形態)
<!-- *センサー有効半径: -->
+
| 主動力 = [[エイハブ・リアクター]]×2(ツインリアクターシステム)
*開発組織:[[ギャラルホルン]]の前身組織
+
| 装甲材質 = [[ナノラミネートアーマー]]
*所属:CGS→[[鉄華団]]
+
| フレーム = [[ガンダム・フレーム]]
*主なパイロット:[[三日月・オーガス]]
+
| 搭載システム = [[阿頼耶識システム]]
 +
| 開発組織 = [[ギャラルホルン]]の前身組織
 +
| 所属 = CGS ⇒ [[鉄華団]]
 +
| 母艦 = [[イサリビ]]
 +
| 主なパイロット = [[三日月・オーガス]]
 +
}}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 -->
  
[[鉄華団]]の[[モビルスーツ]]。[[厄祭戦]]が起こった約300年前に開発された機体で、「[[ガンダム・フレーム]]」と呼ばれる特殊なフレームを採用した72機の内の1機である。本機はその中でも特に汎用性に比重を置いた調整が施され、様々な環境に適応させるべく各種武装の換装を可能としている。背部のバックパックは左右がウェポンアームとなっており、武装をマウントできる。アームは展開が可能で、可動範囲もかなり広い。<br />武装は[[ナノラミネートアーマー]]に対してダメージを与えられる質量破壊兵器を主に装備し、接近戦を行う。<br />操縦には有機デバイスシステムによる交感が必要であり、パイロットは生身とほぼ同感覚で動かせる。<br />現在では各部が経年劣化し、肩部や腹部など一部の装甲が無くフレームが剥き出しの状態である。性能も十分には発揮できない状態だが、それでも[[ギャラルホルン]]の[[グレイズ]]を圧倒する程の戦闘力を持つ。特に動力は[[エイハブ・リアクター]]を2基搭載し、それを高出力かつ並列で稼働させている事から片腕で高推力の[[MS]]を引き寄せられる程のパワーが発揮できる。
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== 概要 ==
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[[厄祭戦]]時に製造された[[ガンダム・フレーム]]の1機。当時の技術をもってしても、[[エイハブ・リアクター]]を2基搭載し、高出力で並列稼働させる事は非常に困難であったため、ガンダム・フレームを採用した機体は72機のみがロールアウトされた。その72機すべてに個体名が登録されており、バルバトスはガンダムの名を冠する希少なMSの1機となる。名称の「バルバトス」はソロモン72柱の第8位に位置する悪魔の名であり、30の軍団を率いる狩人の姿をした公爵とされる。
  
火星の砂漠に放棄されていたが、鉄華団の前身である[[CGS]]の社長[[マルバ・アーケイ]]によって発見・回収されて同社本部施設の動力源に使われていた。また将来的には転売も考えていて、不要だったコクピット周辺の部品のほとんどを抜き取った状態で秘匿している(その為、本機が格納されている動力室は最高機密扱いとなっている)。その一方で戦力として運用する事も考慮していたようであり、装備の一部も保有していたとされる。<br />その後、起動させた際にコクピットは[[モビルワーカー]]が持つ[[阿頼耶識システム]]のインターフェイスを流用している。しかしMSからフィードバックされる情報量はモビルワーカーとは比較にならない程であり、それに耐えられなければパイロットの脳にダメージを与えてしまい、身体に障害が残ってしまうことさえ有り得る。
+
同フレームの機体の中でもバルバトスは汎用性を重視した調整がされており、各種兵装への換装を行う事であらゆる環境に適応出来る可能性を秘めていた。高出力、高機動によるパイロットへの高い負荷は、リアクター内で真空素子が相転移した際に発生するエイハブ粒子を用いたイナーシャルコントロールで軽減される<ref>コクピットがリアクター前面に配置されているのもこのためである。</ref>
  
名称の「バルバトス」はソロモン72柱の第8位に位置する悪魔の呼称が由来であり、型式番号の「08」もこれの序列から取られたものと思われる。
+
厄祭戦から約300年後、[[マルバ・アーケイ]]によって[[火星]]の砂漠で発見され、エイハブ・リアクターが稼働状態にあった事から、長く[[CGS]]本部施設の動力源として活用されていたが、[[ギャラルホルン]]の襲撃時に[[三日月・オーガス]]が乗り込み、以後[[鉄華団]]の旗印としてその力を振るった。当初は肩の装甲などが失われていたが、その後改修を重ねるごとに様々な形状の装甲が取り付けられ、随時改修が加えられていった。
  
=== 第1形態 ===
+
== 装備バリエーション ==
マルバによって発見された当初の状態。両肩部の装甲が無く、左腕部にはガントレットを装着している。
+
;第1形態
 
+
:マルバによって発見された当初の状態。両肩部の装甲が無く、左腕部にはガントレットを装着していた。不要とされたコクピット周辺が取り払われ、装甲なども剥がれ落ちた状態であったが、この時点で戦力としての運用も視野に入れていたらしく、幾つかの装備を保有していた。<br/>ギャラルホルンとの戦闘に際し、[[モビルワーカー]]のインターフェースを転用して無理やり起動させた。
=== 第1.5形態 ===
+
;第1.5形態
[[クランク・ゼント]]との決闘に応じた際の姿。左肩部に鹵獲したグレイズの肩部装甲を取り付けている。
+
:[[クランク・ゼント]]との決闘に応じた際の姿。左肩部に鹵獲した[[グレイズ]]の肩部装甲を取り付けている。
 
+
;第2形態
=== 第2形態 ===
+
:宇宙へ上がる直前、右肩部にもグレイズの肩部装甲を追加した状態。ナノラミネートアーマーに使用される特殊塗料で塗装した事で、カラーリングがグレイズの緑からバルバトスのパーソナルカラーである青と白に変更されている。
宇宙へ上がる直前、右肩部にもグレイズの肩部装甲を追加した状態。ナノラミネートアーマーに使用される特殊塗料で塗装した事で、カラーリングが緑から青と白に変更されている。
+
;第3形態
 
+
:第2形態のガントレットがあった左前腕部に[[ガエリオ・ボードウィン]]の[[シュヴァルベ・グレイズ]]から奪取したクローユニットを装着した状態。<br/>ここにきて、鉄華団にモビルスーツを本格整備できる人員が居ない影響が表面化し、調整不足が祟って性能が低下していた。
=== 第3形態 ===
+
;第4形態
第2形態の左腕部に[[ガエリオ・ボードウィン]]の[[シュヴァルベ・グレイズ]]から奪取したクローユニットを装着した状態。<br />ここにきて、鉄華団にモビルスーツを本格整備できる人員がいない影響が表面化し、調整不足が祟って性能が低下していた。
+
:[[テイワズ]]のデータベースに記録されていた厄祭戦当時の古い資料を元に、「[[歳星]]」の技術者達が改修を行った状態。本機の本来の姿の複製品であるが、まだ技術が厄祭戦の頃の状態に至ってない為か当時の性能を取り戻すまでには及んでいない。<br/>両肩部の装甲が本来の形状の復元物にされ、重量バランスが改善。同時にエイハブ・リアクターにも調整が施され、出力が向上している。新規武装として太刀が追加された。
 
+
;第5形態
=== 第4形態 ===
+
:地球降下作戦時、[[モンターク商会]]から提供された部品を使用して改修された状態。対[[ガンダム・キマリス|キマリス]]戦を想定し、胸部にリアクティブアーマー(反応装甲)を追加している。<br/>両腰部には[[アイン・ダルトン]]のシュヴァルベ・グレイズから鹵獲した腰部ブースターユニットを増設して機動力を強化し、両腕部にも武装を追加している
[[テイワズ]]のデータベースに記録されていた厄祭戦の記録を元に同組織の本部「[[歳星]]」の技術者達が改修を行った状態。本機の本来の姿の複製品であるが、まだ技術が厄祭戦の頃の状態に至ってない為か当時の性能を取り戻すまでには及んでいない。<br />両肩部の装甲が本来の形状の復元物にされ、重量バランスが改善。同時にエイハブ・リアクターの出力も向上している。新規武装として太刀が追加された。
+
:;第5形態(地上戦仕様)
 
+
::地球降下後に調整されたバルバトス。大気圏降下時に破損した腰部ブースターユニットは取り外され、[[エーコ・タービン]]のアイディアで地球の重力に適応させるため脚部のサスペンションに調整が加えられ、重心を上げる事で初動の反応速度を上げ、重力下での機動性向上に繋げている。<br/>メインウェポンだったメイスはストックを全て使い切った為、新たにモンターク商会から入手した大型特殊メイスを装備している。
=== 第5形態 ===
+
;第6形態
地球降下作戦時、[[モンターク商会]]から提供された部品を使用して改修された状態。対[[ガンダム・キマリス]]戦を想定し、胸部にリアクティブアーマー(反応装甲)を追加している。この装甲は中央部が突き出た形となっていて、そこに相手のグングニールを敢えて突き刺させる事で装甲ごと弾き飛ばし、攻撃を無効化する仕組みである。その能力は高く、キマリス・ブースターで以前よりも機動力が強化されていた相手の突撃戦法を完全に防いでみせている。<br />両腰部には[[アイン・ダルトン]]のシュヴァルベ・グレイズから鹵獲した腰部ブースターユニットを増設して機動力を強化し、両腕部にも武装を追加している(迫撃砲と機関砲の選択式)。
+
:長期戦に備え、瞬発的な機動力と引き換えに無補給での長時間戦闘に堪え得る目的で換装が施されている。<br/>胸部に高強度の追加装甲を取り付けて集中攻撃を受けやすいコクピットブロックを防護し、両肩部には[[グレイズリッター]]から鹵獲した装甲を装備している。両腰部には地上用に出力調整されたスラスターが追加され、燃費も向上している。
 
+
;長距離航行形態
=== 第5形態(地上戦仕様) ===
+
:[[テイワズ]]の圏外圏航行輸送機[[クタン参型]]に当機を収納した形態。大型ブースターとプロペラントタンクの併用によって、長距離航行を可能としている。
地球降下後に調整されたバルバトス。大気圏降下時に破損して使い物にならなくなった腰部ブースターユニットが取り外され、胸部反応装甲も戦闘時に弾き飛ばした事で失われている。メインウェポンだったメイスも喪失した為、新たに大型特殊メイスを装備している。<br />地球の重力に適応させる事を目的として[[エーコ・タービン]]のアイディアで脚部のサスペンションに調整が加えられ、脚部をヒール状にして重心を上げる事で初動時の反応速度を引き上げている。これによって重力下での脚部機動力が向上した。
 
 
 
=== 第6形態 ===
 
最終決戦用に強化された形態。長期戦を想定しており、瞬発的な機動力と引き換えに無補給での長時間戦闘を可能としている。<br />胸部に高強度の追加装甲を取り付けて集中攻撃を受けやすいコクピットブロックを防護し、両肩部にも[[グレイズリッター]]から鹵獲した装甲を移植している。<br />両腰部には第5形態時とはまた別のスラスターユニットが追加され、これは燃料消費の軽減も兼ねて地上用に出力を調整している。
 
 
 
=== 長距離航行形態 ===
 
[[テイワズ]]の圏外圏航行輸送機[[クタン参型]]に本体を収納した形態。大型ブースターとプロペラントタンクの併用によって、長距離航行を可能としている。
 
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
<!-- :作品名:説明 -->
 
 
;[[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]]
 
;[[機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ]]
:パイロットは[[三日月・オーガス]]。<br />[[オルガ・イツカ]]の独断で起動させられ、[[オーリス・ステンジャ]]のグレイズを叩き潰した。[[クランク・ゼント]]機と[[アイン・ダルトン]]機とも互角以上に戦ったものの、スラスターのガスを補給し忘れていた事と阿頼耶識システムによる三日月への負荷のせいで相手の撤退を許してしまった。<br />その後は鉄華団の主戦力として運用され、[[ギャラルホルン]]や[[ブルワーズ]]といった敵対勢力のMSを次々と屠っていった。
+
:初登場作品。パイロットは[[三日月・オーガス]]。<br />[[オルガ・イツカ]]の独断で起動させられ、[[オーリス・ステンジャ]]のグレイズを叩き潰した。[[クランク・ゼント]]機と[[アイン・ダルトン]]機とも互角以上に戦ったものの、スラスターのガスを補給し忘れていた事と阿頼耶識システムによる三日月への負荷のせいで相手の撤退を許してしまった。<br />その後は鉄華団の主戦力として運用され、[[ギャラルホルン]]や[[ブルワーズ]]といった敵対勢力のMSを次々と屠っていった。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
  
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
<!-- :機能名:説明 -->
 
 
;[[ナノラミネートアーマー]]
 
;[[ナノラミネートアーマー]]
:動力源であるエイハブ・リアクターから発せられるエイハブ・ウェーブに反応して硬化する性質を持つ特殊な塗料を塗布した装甲。実弾での攻撃に対して圧倒的な防御力を発揮するが、衝撃が比較的長い時間持続するような、質量による直接打撃は防げない。また、あくまで塗料なので実弾の集中攻撃で剥がすことは理論上可能な上、熱にも弱い。
+
:エイハブ・リアクターから発せられるエイハブ・ウェーブに反応して硬化する性質を持つ特殊な塗料を塗布した装甲。物理・光学兵器双方に高い防御力を誇る。
 
;[[阿頼耶識システム]]
 
;[[阿頼耶識システム]]
:ナノマシンを介してパイロットの脳神経と機体のコンピュータを繋げる有機デバイスシステム。これによりパイロットの脳に疑似的に空間認識を司る器官を形成する。それにより機体の情報を直接脳に伝達し、機体を生身の感覚で操縦する事が出来る。尚、阿頼耶識システムを使用する為にはパイロット側にも外部手術により金属端子を埋め込む必要がある。
+
:ナノマシンを介してパイロットの脳神経と機体のコンピュータを繋げる有機操縦デバイスシステム。バルバトスはモビルワーカーの物を転用していたが、MWとMSとで情報量が異なり、脳への負担も大きかった。第4形態に換装された際、三日月に特化した調整が施される事になる。
;換装
 
:武器や装甲を換装可能。
 
;分離
 
:一部装備を機体から強制分離可能。
 
  
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
<!-- :武装名:説明 -->
 
 
;メイス
 
;メイス
:本機の主兵装で、マルバが保有していた装備の一つ。MSのフレームにも使われている高硬度レアアロイ製で、巨大な両手持ちの戦棍・鎚鉾の類であり質量破壊兵器となっている。柄の部分は伸縮可能でバックパックに背負って搭載している時はこの機能で柄を短縮している。ナノラミネートアーマーを一撃で粉砕できる程の威力を持ち柄頭後部には4基のスラスターが有り先端にパイルバンカーを有し、こちらもナノラミネートアーマーを容易く貫通するだけの威力がある。通常は両手で保持して振り回すが、投擲武器として使われる事もある。<br />三日月が初めて乗り込んだ頃から愛用していた武器だが、地球降下前の戦闘で失われた。その後、一期最終話のラストカットで宇宙を漂うメイスの姿が描かれている。
+
:MSのフレームにも採用されている[[高硬度レアアロイ]]を用いた質量破壊武器。大質量による打撃は、[[ナノラミネートアーマー]]にもダメージを与える事が可能。先端部にニードルの射出機構、ヘッド後部にスラスターを備える。<br/>三日月の手には初戦からよく馴染み、確たる戦果を上げてきたが、同時に消耗も激しく、地球への旅の途中で予備も含めて失われた。
 
;太刀
 
;太刀
:歳星で錬成された日本刀型の実体刀剣、ただし本来の日本刀の太刀とは異なる点が散見される(西洋刀剣の様な柄尻を持つ、反りがほとんど無い等々)。第4形態時に追加された。<br />メイスと比較して単純な破壊力では劣るが軽量で取り回しが良く、ピンポイント攻撃を行う際に有効である。後にバルバトスのマニピュレーターに合わせた鍔とグリップ補助パーツが追加され、運動エネルギーのロスを最小限に止められるようになった。<br />メイスを愛用していた(剣術を知らない)三日月にとってはかなり扱い難い武器である様で、慣れるのにはかなり時間がかかっており当初は敵の隙を衝いた刺突でしか扱えていなかった。メイスを失ってからもレンチメイスを代わりに使用し、太刀はほとんど使用しないという事が多かったが、実は三日月はこの武器を'''殴ったり突き刺す為の細長い棒で使い方もメイスと同じ'''と勘違いしていたらしく、[[グレイズ・アイン]]との戦闘中に「相手を殴るのではなく斬る為の武器」とようやく扱い方を理解、相手のフレームを装甲ごと両断する威力を見せている。
+
:歳星のファクトリーで製造された刀剣型の武器。軽量で扱いやすく、斬撃に加え、装甲の隙間を刺突する際にも使用された。その斬れ味は、MSのフレームを両断出来る程であるが、三日月は太刀の特性を理解しておらず、扱い方を理解するまでに時間がかかった為、主に予備兵装として携行されることが多かった。<br/>当初は刀身のみの状態で使用されていたが、その後バルバトスのマニピュレータに合わせた柄を装備し、運動エネルギーの伝達ロスを最小限に抑えている。
 
;300mm滑腔砲
 
;300mm滑腔砲
:バックパックアームパーツを介して装着される実弾砲。第2形態時に追加された。こちらもマルバが保有していた装備の一つ。砲身は折り畳みが可能。装弾数は12発で、発射時に薬莢部を燃焼させて針状の弾芯のみを飛ばす仕組みである。ちなみにこの説明文は現実の滑腔砲採用の戦車砲弾の説明とほぼ同じ。<br />無重力空間での使用を前提として造られ、命中精度よりも威力を重視して弾速を高めている。そのため本来ならば宇宙空間におけるMS戦では当てる事すら難しいのだが、阿頼耶識システムを使用すれば問題は無い。着弾した場合、基本的にナノラミネートアーマーの前では体勢を崩す程度だが、至近距離から撃った場合はその限りではない。当初は「滑空砲」表記だったり「ライフル砲である」などの表記がされていたが誤記で有った為か後発の設定書籍や文字設定では「滑腔砲」に改められている。
+
:バックパックにアームを介して装備される大型の滑腔砲。箱状の機関部と砲身からなり、機関部下に弾倉を装着する。至近距離であれば、ナノラミネートアーマーも破壊出来る威力を持つ。非使用時には銃身を折りたたんで携行する。装弾数は弾倉一つにつき12発。
;60mmマシンガン
+
:;60mmマシンガン
:滑空砲の下部に1門が同軸搭載されている。
+
::滑腔砲の下部ユニットに同軸搭載されている機銃。
 
;ガントレット
 
;ガントレット
:第2形態時まで左腕部に装着されていた防御装備。本機の本来の換装武器と目されているが、詳細は不明である。<br />低軌道ステーションでの戦闘時にパージしている。
+
:火星で発見された際、既に装備されていた小型の盾。バルバトス本来の換装武装の一つと思われるが、定かではない。低軌道ステーションでの戦闘時にパージした際、喪失した。
 
;GR-Es02 ワイヤークロー
 
;GR-Es02 ワイヤークロー
:有線で射出可能なクローユニット。敵機の拘束や艦艇に取り付く時等に使用される。<br />低軌道ステーションでの戦闘時にシュヴァルベ・グレイズから入手した物で、失ったガントレットの代わりに左腕部に装着された。
+
:有線式クローユニット。敵機の拘束や艦艇に取り付く時等に使用される。収納時はクロー部をシールドとしても利用できる。<br />低軌道ステーションでの戦闘時にシュヴァルベ・グレイズから入手した物で、失ったガントレットの代わりに左腕部に装着された。
 
;迫撃砲
 
;迫撃砲
:第5形態時に両腕部に追加された火器で、砲弾が2発ずつ、計4発装填されている。通常は後方を向いているが、発射時には外側の砲弾が前方に向けられる。同時に内側の砲弾が外側へスライドし、発射後に元の位置へ戻った発射筒へと自動装填されるようになっている。<br />元々はクタン参型用に開発された物だが、MSにも装備可能。
+
:第5形態時に両腕部に装備された追加兵装。[[クタン参型]]に搭載する装備として開発されていた物だが、MSでの利用も可能。スピガット・モーター(差し込み)式を採用し、砲弾を装填した発射筒が回転して前方を向き、発射態勢を取る。装弾数は片側2発、左右合わせて4発。
 
;170mm機関砲
 
;170mm機関砲
:第5形態時に両腕部に追加されたヘリカルマガジン式の火器。用途に合わせて迫撃砲と換装する。<br />威嚇や近接戦闘時に効果を発揮するが、装弾数の問題で遠距離攻撃には向かない。
+
:第5形態時に両腕部に追加されたヘリカルマガジン式の火器。用途に合わせて迫撃砲と換装できる。遠距離での射撃戦には不向きだが、近接戦闘に織り交ぜた使用で効果を発揮する。
 
;特殊大型メイス
 
;特殊大型メイス
:大型の打撃武器。モンターク商会から提供された物資の一つで、通称は「レンチメイス」。メイスと同様に質量破壊兵器として使用できる他、柄頭部に存在する開閉機構で敵機を挟む事が出来る。更にその内側には特殊なチェーンソーが内蔵されており、挟んだ敵機をそのまま切断する事も可能。<br />地球降下時の戦闘でバルバトスがメイスを失い、太刀は三日月が使い辛いという理由で持ち出され、これ以降は新たな主兵装として使われる事になった。
+
:[[モンターク商会]]から提供された、打撃武器として優秀なだけでなく、先端部に開閉機構を持ち、対象を強烈な力で挟み込む事が可能な大型メイス。更に開閉部の内側には特殊なチェーンソーが組み込まれ、挟んだ対象を切断する能力を有する。バルバトスがそれまで使用してきたメイスよりも大型の為、扱いは難しい。
;GR-H01 9.8mバトルアックス
 
:グレイズが装備している対MS戦用の格闘兵装。直接打撃によって敵機にダメージを与える。<br />低軌道ステーションでの戦闘時に敵から奪って使用していた。
 
;120mmロングレンジライフル
 
:[[ガンダム・グシオンリベイク]]の武器で、テイワズの技術者がグレイズの120mmライフルをベースとして独自改修を加えている。バレルを長大化し、スコープを増設する事で遠距離攻撃時の命中精度を飛躍的に高めている。<br />[[ドルトコロニー群]]での戦闘でガンダム・キマリスとの初戦の時持っていた武装をほぼ失った際にリベイクから受け取って使用している。
 
;グングニール
 
:ガンダム・キマリスの主兵装で、中世の騎士の馬上ランスに似せて造られた象徴的武器。<br />地球降下時の戦闘で一時的に奪って使用している。
 
  
 
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
<!-- :内容:説明 -->
+
;対グレイズ
 
+
:グレイズ三機の迎撃のために出撃。この戦闘で三日月は初めてMSを動かしたにも関わらず、三機のうち一機を撃破、二機を撤退に追い込んだ。その後、クランク機との決闘ではメイスの柄を折られたが、柄頭を直接持って、パイルバンカーを至近距離で射出し勝利をもぎ取った。
 +
;対シュヴァルベ・グレイズ
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:
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;対百里:
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:
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;対ガンダム・グシオン
 +
:
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;対ガンダム・キマリス
 +
:
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;対グレイズ・リッター
 +
:
 +
;対グレイズ・アイン
 +
:
 
== 関連機体 ==
 
== 関連機体 ==
<!-- :機体名:説明 -->
+
=== 改修機・強化形態 ===
 
;[[ガンダム・バルバトスルプス]]
 
;[[ガンダム・バルバトスルプス]]
 
:エドモントンでの決戦後、テイワズの協力を受けて鉄華団が改修・強化したバルバトス。
 
:エドモントンでの決戦後、テイワズの協力を受けて鉄華団が改修・強化したバルバトス。
;[[ガンダム・キマリス]][[ガンダム・キマリストルーパー]][[ガンダム・グシオン]][[ガンダム・アスタロト]][[ガンダム・ダンタリオン]][[ガンダム・ウヴァル]]
+
:;[[ガンダム・バルバトスルプスレクス]]
:ガンダム・フレームを採用している機体。バルバトスと同じく、悪魔の名を冠している。
+
::MA[[ハシュマル]]戦の後、大破したバルバトスルプスを更にテイワズの技術力で改修した形態。一部に鹵獲した[[ハシュマル]]の装備を使っている。
 +
 
 +
=== 系列機・派生機 ===
 +
;[[ガンダム・バエル|バエル]] / [[ガンダム・ガミジン|ガミジン]] / [[ガンダム・グシオン|グシオン]] / [[ガンダム・ゼパル|ゼパル]] /  [[ガンダム・アスタロト|アスタロト]] / [[ガンダム・アスモデウス|アスモデウス]] / [[ガンダム・マルコシアス|マルコシアス]] / [[ガンダム・ウヴァル|ウヴァル]] / [[ガンダム・ハーゲンティ|ハーゲンティ]] / [[ガンダム・ムルムル|ムルムル]] / [[ガンダム・グレモリー|グレモリー]] / [[ガンダム・フラウロス|フラウロス]] / [[ガンダム・キマリス|キマリス]] / [[ガンダム・セーレ|セーレ]] / [[ガンダム・ダンタリオン|ダンタリオン]]
 +
:ガンダム・フレームを採用している機体。バルバトスと同じく、ソロモン72柱の悪魔の名を冠している。
 
;[[ガンダム・グシオンリベイク]]
 
;[[ガンダム・グシオンリベイク]]
:同じガンダム・フレームを採用している僚機。改修の際にバルバトスの予備パーツが使用されている。
+
:グシオンをテイワズの手で改修した機体。改修の際にバルバトスの予備パーツを流用されている。
 +
 
 +
=== 技術的関与のある機体 ===
 +
;[[グレイズ]] / [[グレイズ (指揮官機)]]
 +
;[[シュヴァルベ・グレイズ]] (ガエリオ機 / アイン機)
 +
;[[グレイズリッター|グレイズリッター (一般機)]]
 +
:これらの装甲、武装の一部を戦闘で鹵獲し装備している。
 +
;[[クタン参型]]
 +
:長距離航行形態のブースターとなる輸送機。第五形態時には装備を流用している。
 +
;[[CGSモビルワーカー (地上用)]]
 +
:初期起動の際、三日月が乗るMWのコクピットを流用している。
 +
 
 +
=== その他 ===
 
;[[イサリビ]]
 
;[[イサリビ]]
 
:鉄華団の有する強襲装甲艦。本機の母艦でもある。
 
:鉄華団の有する強襲装甲艦。本機の母艦でもある。
;[[グレイズ改]]、[[流星号]]
+
;[[バルバトス (Gジェネ)]]
:鹵獲した[[グレイズ]]を鉄華団が改修した僚機。
+
:ゲーム『[[SDガンダム GGENERATIONシリーズ|SDガンダム GGENERATION]]』シリーズに登場するゲームオリジナル機体。本機と同様「バルバトス」の名を冠する。
;[[グレイズ]]、[[グレイズ (指揮官機)]]、[[シュヴァルべ・グレイズ|シュヴァルベ・グレイズ (ガエリオ機)]]、[[シュヴァルべ・グレイズ|シュヴァルベ・グレイズ (アイン機)]]、[[グレイズリッター]]
+
;[[ガンダムバルバリック]] / [[ガンダムバルバタウロス]]
:機体、武装の一部を戦闘で奪い装備している。
+
:『[[ガンダムブレイカー バトローグ|GBバトローグ]]』に登場するバルバトスベースのガンプラ。バルバリックが人型であるのに対し、改修機であるバルバタウロスはガンダム・フレームを2機分用いる事でケンタウロス型へと大幅改修されている。
;[[クタン参型]]
 
:長距離航行形態のブースターとなる輸送機。第五形態時には装備を流用している。
 
;[[CGSモビルワーカー]]
 
:コックピットを流用している。
 
;[[バルバトス (Gジェネ)|バルバトス]]
 
:『[[SDガンダム G GENERATION]]』シリーズに登場する同名の機体。
 
  
 
== 余談 ==
 
== 余談 ==
*本機は敵から鹵獲した武器や装甲を換装する事によって「段階的に進化するガンダム」であるとされる。<br />本編で形態が変化するごとにOPでの姿も同じく変化している。
+
*本機は敵から鹵獲した武器や装甲を換装する事によって「段階的に進化するガンダム」であるとされる<ref>[[ガンダムAGE-1 ノーマル|AGE-1]]などとはまた違った方法。</ref>。<br />本編で形態が変化するごとにOPでの姿も同じく変化している。第二期OPではルプスとルプスレクスとの違いが細かいせいで気づかない人も多かった。
*ガンダムシリーズの主人公機としては珍しくビーム兵器を一切装備していない(それどころか固定武装も一切無い)。
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*ガンダムシリーズの主人公機としては珍しくビーム兵器を一切装備していない<ref>それどころか内蔵式の固定武装が一切無い。</ref>。
  
 
== 商品情報 ==
 
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*[http://g-tekketsu.com/1st/ms/01.php#m03 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ公式サイト ガンダム・バルバトス]
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*[http://g-tekketsu.com/ms_archives/01.php 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ公式サイト MS ARCHIVES 001 ガンダム・バルバトス]
  
 
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2023年10月22日 (日) 19:11時点における最新版

ガンダム・バルバトス
外国語表記 Gundam Barbatos
登場作品 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
デザイン 鷲尾直広
テンプレートを表示
スペック
分類 モビルスーツ
生産形態 ワンオフ機
型式番号 ASW-G-08
全高

18.0m(第1形態~第5形態)

18.8m(第5形態地上戦仕様・第6形態)
本体重量

28.5t(第4形態)

30.5t(第6形態)
主動力 エイハブ・リアクター×2(ツインリアクターシステム)
装甲材質 ナノラミネートアーマー
フレーム ガンダム・フレーム
搭載システム 阿頼耶識システム
開発組織 ギャラルホルンの前身組織
所属 CGS ⇒ 鉄華団
母艦 イサリビ
主なパイロット 三日月・オーガス
テンプレートを表示

概要編集

厄祭戦時に製造されたガンダム・フレームの1機。当時の技術をもってしても、エイハブ・リアクターを2基搭載し、高出力で並列稼働させる事は非常に困難であったため、ガンダム・フレームを採用した機体は72機のみがロールアウトされた。その72機すべてに個体名が登録されており、バルバトスはガンダムの名を冠する希少なMSの1機となる。名称の「バルバトス」はソロモン72柱の第8位に位置する悪魔の名であり、30の軍団を率いる狩人の姿をした公爵とされる。

同フレームの機体の中でもバルバトスは汎用性を重視した調整がされており、各種兵装への換装を行う事であらゆる環境に適応出来る可能性を秘めていた。高出力、高機動によるパイロットへの高い負荷は、リアクター内で真空素子が相転移した際に発生するエイハブ粒子を用いたイナーシャルコントロールで軽減される[1]

厄祭戦から約300年後、マルバ・アーケイによって火星の砂漠で発見され、エイハブ・リアクターが稼働状態にあった事から、長くCGS本部施設の動力源として活用されていたが、ギャラルホルンの襲撃時に三日月・オーガスが乗り込み、以後鉄華団の旗印としてその力を振るった。当初は肩の装甲などが失われていたが、その後改修を重ねるごとに様々な形状の装甲が取り付けられ、随時改修が加えられていった。

装備バリエーション 編集

第1形態
マルバによって発見された当初の状態。両肩部の装甲が無く、左腕部にはガントレットを装着していた。不要とされたコクピット周辺が取り払われ、装甲なども剥がれ落ちた状態であったが、この時点で戦力としての運用も視野に入れていたらしく、幾つかの装備を保有していた。
ギャラルホルンとの戦闘に際し、モビルワーカーのインターフェースを転用して無理やり起動させた。
第1.5形態
クランク・ゼントとの決闘に応じた際の姿。左肩部に鹵獲したグレイズの肩部装甲を取り付けている。
第2形態
宇宙へ上がる直前、右肩部にもグレイズの肩部装甲を追加した状態。ナノラミネートアーマーに使用される特殊塗料で塗装した事で、カラーリングがグレイズの緑からバルバトスのパーソナルカラーである青と白に変更されている。
第3形態
第2形態のガントレットがあった左前腕部にガエリオ・ボードウィンシュヴァルベ・グレイズから奪取したクローユニットを装着した状態。
ここにきて、鉄華団にモビルスーツを本格整備できる人員が居ない影響が表面化し、調整不足が祟って性能が低下していた。
第4形態
テイワズのデータベースに記録されていた厄祭戦当時の古い資料を元に、「歳星」の技術者達が改修を行った状態。本機の本来の姿の複製品であるが、まだ技術が厄祭戦の頃の状態に至ってない為か当時の性能を取り戻すまでには及んでいない。
両肩部の装甲が本来の形状の復元物にされ、重量バランスが改善。同時にエイハブ・リアクターにも調整が施され、出力が向上している。新規武装として太刀が追加された。
第5形態
地球降下作戦時、モンターク商会から提供された部品を使用して改修された状態。対キマリス戦を想定し、胸部にリアクティブアーマー(反応装甲)を追加している。
両腰部にはアイン・ダルトンのシュヴァルベ・グレイズから鹵獲した腰部ブースターユニットを増設して機動力を強化し、両腕部にも武装を追加している
第5形態(地上戦仕様)
地球降下後に調整されたバルバトス。大気圏降下時に破損した腰部ブースターユニットは取り外され、エーコ・タービンのアイディアで地球の重力に適応させるため脚部のサスペンションに調整が加えられ、重心を上げる事で初動の反応速度を上げ、重力下での機動性向上に繋げている。
メインウェポンだったメイスはストックを全て使い切った為、新たにモンターク商会から入手した大型特殊メイスを装備している。
第6形態
長期戦に備え、瞬発的な機動力と引き換えに無補給での長時間戦闘に堪え得る目的で換装が施されている。
胸部に高強度の追加装甲を取り付けて集中攻撃を受けやすいコクピットブロックを防護し、両肩部にはグレイズリッターから鹵獲した装甲を装備している。両腰部には地上用に出力調整されたスラスターが追加され、燃費も向上している。
長距離航行形態
テイワズの圏外圏航行輸送機クタン参型に当機を収納した形態。大型ブースターとプロペラントタンクの併用によって、長距離航行を可能としている。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
初登場作品。パイロットは三日月・オーガス
オルガ・イツカの独断で起動させられ、オーリス・ステンジャのグレイズを叩き潰した。クランク・ゼント機とアイン・ダルトン機とも互角以上に戦ったものの、スラスターのガスを補給し忘れていた事と阿頼耶識システムによる三日月への負荷のせいで相手の撤退を許してしまった。
その後は鉄華団の主戦力として運用され、ギャラルホルンブルワーズといった敵対勢力のMSを次々と屠っていった。

装備・機能編集

特殊機能編集

ナノラミネートアーマー
エイハブ・リアクターから発せられるエイハブ・ウェーブに反応して硬化する性質を持つ特殊な塗料を塗布した装甲。物理・光学兵器双方に高い防御力を誇る。
阿頼耶識システム
ナノマシンを介してパイロットの脳神経と機体のコンピュータを繋げる有機操縦デバイスシステム。バルバトスはモビルワーカーの物を転用していたが、MWとMSとで情報量が異なり、脳への負担も大きかった。第4形態に換装された際、三日月に特化した調整が施される事になる。

武装・必殺攻撃編集

メイス
MSのフレームにも採用されている高硬度レアアロイを用いた質量破壊武器。大質量による打撃は、ナノラミネートアーマーにもダメージを与える事が可能。先端部にニードルの射出機構、ヘッド後部にスラスターを備える。
三日月の手には初戦からよく馴染み、確たる戦果を上げてきたが、同時に消耗も激しく、地球への旅の途中で予備も含めて失われた。
太刀
歳星のファクトリーで製造された刀剣型の武器。軽量で扱いやすく、斬撃に加え、装甲の隙間を刺突する際にも使用された。その斬れ味は、MSのフレームを両断出来る程であるが、三日月は太刀の特性を理解しておらず、扱い方を理解するまでに時間がかかった為、主に予備兵装として携行されることが多かった。
当初は刀身のみの状態で使用されていたが、その後バルバトスのマニピュレータに合わせた柄を装備し、運動エネルギーの伝達ロスを最小限に抑えている。
300mm滑腔砲
バックパックにアームを介して装備される大型の滑腔砲。箱状の機関部と砲身からなり、機関部下に弾倉を装着する。至近距離であれば、ナノラミネートアーマーも破壊出来る威力を持つ。非使用時には銃身を折りたたんで携行する。装弾数は弾倉一つにつき12発。
60mmマシンガン
滑腔砲の下部ユニットに同軸搭載されている機銃。
ガントレット
火星で発見された際、既に装備されていた小型の盾。バルバトス本来の換装武装の一つと思われるが、定かではない。低軌道ステーションでの戦闘時にパージした際、喪失した。
GR-Es02 ワイヤークロー
有線式クローユニット。敵機の拘束や艦艇に取り付く時等に使用される。収納時はクロー部をシールドとしても利用できる。
低軌道ステーションでの戦闘時にシュヴァルベ・グレイズから入手した物で、失ったガントレットの代わりに左腕部に装着された。
迫撃砲
第5形態時に両腕部に装備された追加兵装。クタン参型に搭載する装備として開発されていた物だが、MSでの利用も可能。スピガット・モーター(差し込み)式を採用し、砲弾を装填した発射筒が回転して前方を向き、発射態勢を取る。装弾数は片側2発、左右合わせて4発。
170mm機関砲
第5形態時に両腕部に追加されたヘリカルマガジン式の火器。用途に合わせて迫撃砲と換装できる。遠距離での射撃戦には不向きだが、近接戦闘に織り交ぜた使用で効果を発揮する。
特殊大型メイス
モンターク商会から提供された、打撃武器として優秀なだけでなく、先端部に開閉機構を持ち、対象を強烈な力で挟み込む事が可能な大型メイス。更に開閉部の内側には特殊なチェーンソーが組み込まれ、挟んだ対象を切断する能力を有する。バルバトスがそれまで使用してきたメイスよりも大型の為、扱いは難しい。

対決・名場面編集

対グレイズ
グレイズ三機の迎撃のために出撃。この戦闘で三日月は初めてMSを動かしたにも関わらず、三機のうち一機を撃破、二機を撤退に追い込んだ。その後、クランク機との決闘ではメイスの柄を折られたが、柄頭を直接持って、パイルバンカーを至近距離で射出し勝利をもぎ取った。
対シュヴァルベ・グレイズ
対百里
対ガンダム・グシオン
対ガンダム・キマリス
対グレイズ・リッター
対グレイズ・アイン

関連機体編集

改修機・強化形態 編集

ガンダム・バルバトスルプス
エドモントンでの決戦後、テイワズの協力を受けて鉄華団が改修・強化したバルバトス。
ガンダム・バルバトスルプスレクス
MAハシュマル戦の後、大破したバルバトスルプスを更にテイワズの技術力で改修した形態。一部に鹵獲したハシュマルの装備を使っている。

系列機・派生機 編集

バエル / ガミジン / グシオン / ゼパル / アスタロト / アスモデウス / マルコシアス / ウヴァル / ハーゲンティ / ムルムル / グレモリー / フラウロス / キマリス / セーレ / ダンタリオン
ガンダム・フレームを採用している機体。バルバトスと同じく、ソロモン72柱の悪魔の名を冠している。
ガンダム・グシオンリベイク
グシオンをテイワズの手で改修した機体。改修の際にバルバトスの予備パーツを流用されている。

技術的関与のある機体 編集

グレイズ / グレイズ (指揮官機)
シュヴァルベ・グレイズ (ガエリオ機 / アイン機)
グレイズリッター (一般機)
これらの装甲、武装の一部を戦闘で鹵獲し装備している。
クタン参型
長距離航行形態のブースターとなる輸送機。第五形態時には装備を流用している。
CGSモビルワーカー (地上用)
初期起動の際、三日月が乗るMWのコクピットを流用している。

その他 編集

イサリビ
鉄華団の有する強襲装甲艦。本機の母艦でもある。
バルバトス (Gジェネ)
ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場するゲームオリジナル機体。本機と同様「バルバトス」の名を冠する。
ガンダムバルバリック / ガンダムバルバタウロス
GBバトローグ』に登場するバルバトスベースのガンプラ。バルバリックが人型であるのに対し、改修機であるバルバタウロスはガンダム・フレームを2機分用いる事でケンタウロス型へと大幅改修されている。

余談編集

  • 本機は敵から鹵獲した武器や装甲を換装する事によって「段階的に進化するガンダム」であるとされる[2]
    本編で形態が変化するごとにOPでの姿も同じく変化している。第二期OPではルプスとルプスレクスとの違いが細かいせいで気づかない人も多かった。
  • ガンダムシリーズの主人公機としては珍しくビーム兵器を一切装備していない[3]

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア編集

資料リンク編集

リンク編集

脚注編集

  1. コクピットがリアクター前面に配置されているのもこのためである。
  2. AGE-1などとはまた違った方法。
  3. それどころか内蔵式の固定武装が一切無い。