差分

4,008 バイト追加 、 2024年3月11日 (月)
編集の要約なし
38行目: 38行目:  
[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の量産型[[モビルスーツ]]。[[宇宙世紀]]における実質的な戦闘用MSの始祖となる機体である。
 
[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の量産型[[モビルスーツ]]。[[宇宙世紀]]における実質的な戦闘用MSの始祖となる機体である。
   −
宇宙世紀0070年3月、[[ミノフスキー粒子]]散布に伴う電波障害等の特殊効果に着目したジオン公国軍はその翌年に新型兵器の開発に着手。既存の宇宙兵器は姿勢制御の度に膨大な燃料を消費するため、公国軍の想定する要求値には到底及ばなかった。そこで[[AMBAC]]機動の有効性に着目した[[ジオニック社]]は可動肢を持つ宇宙機動兵器のコンセプトを提示し、社内プロジェクト「S・U・I・T計画」を発足すると四肢を有する人体を模した兵器の開発を推進。そして小型[[熱核融合炉]]と[[流体パルスシステム]]の完成を経て、宇宙世紀0073年にMSの基本形が完成した。MS-01から03を経て稼働試験用のMS-04が完成し、そこに改良を重ねたMS-05「ザク」が0074年2月に完成。それまで機体外に設けられていた動力/制御関連の機器を全て最終装甲内に収め、同月5月に実戦仕様量産機がロールアウトした。
+
宇宙世紀0070年3月、[[ミノフスキー粒子]]散布に伴う電波障害等の特殊効果に着目したジオン公国軍はその翌年に新型兵器の開発に着手。既存の宇宙兵器は姿勢制御の度に膨大な燃料を消費するため、公国軍の想定する要求値には到底及ばなかった。そこで[[AMBAC]]機動の有効性に着目した[[ジオニック社]]は可動肢を持つ宇宙機動兵器のコンセプトを提示し、社内プロジェクト「S・U・I・T計画」を発足すると四肢を有する人体を模した兵器の開発を推進。そして小型[[熱核融合炉]]と[[流体パルスシステム]]の完成を経て、宇宙世紀0073年にMSの基本形が完成した。MS-01から03<ref>MS-01は外部制御・外部動力による稼働試験機、MS-02は制御機器内装による稼働実験機、MS-03は短時間ながら独立稼働が可能な試験機であった。</ref>を経て稼働試験用のMS-04[[プロトタイプザク]]が完成し、そこに改良を重ねたMS-05「ザク」が0074年2月に完成。それまで機体外に設けられていた動力/制御関連の機器を全て最終装甲内に収め、同月5月に実戦仕様量産機がロールアウトした。
   −
実戦仕様量産機を原型とする初期先行試作量産型(Aタイプ)が27機程生産され、数次に渡る訓練運用と実戦投入を経てそれら実働データを元に改良されたBタイプが793機、最終的に820機程が生産された。その多くが教導機動大隊の編成や初期の戦闘において使用されたが、生産数が800機を超えた時点で生産終了が決定し、更なる高性能化を目的とした[[ザクII]]が開発される事になり、そちらがジオン軍の主力を担う事になった。単に「ザク」と呼ばれるのは後継機であるザクIIを指す場合がほとんどであり、MS-05は「ザクI」「旧ザク」と呼ばれるようになった。
+
量産された機体の内、実戦仕様量産機を原型とする初期先行試作量産型(Aタイプ)が27機程生産され、数次に渡る訓練運用と実戦投入を経て、それら実働データを元に改良されたBタイプが793機、最終的に820機程が生産され、その多くが教導機動大隊の編成や初期の戦闘において使用された。しかし、ボディ内部の容積率の問題から動力系の性能向上が限界に達しており<ref>ジェネレーターから出力される流体パルスシステムによる動力を最短で各ユニットへ供給しているため、脚部および腕部、頭部への関節部分の内部構造に余裕がなく、後の機体と比較してジェネレーターの性能向上や部品交換などが困難であった。ジェネレーターも当初M&Y公社とジオニック社が共同開発したMYFG-M-ES型を搭載する事を前提としていたが、量産開始から終了に至る期間の間にジェネレーターそのものは格段に進歩し、8種類ものバリエーションが生まれていたが、ザクIは機体内の容積のみならず形状そのものが固定されていたため、抜本的な改善は事実上不可能であった。</ref>、各種の戦術や部隊編成、大隊規模の作戦行動における稼働時間などの問題も表面化していた事から、性能を維持あるいは更新しつつ、生産性や整備性の一層の向上が求められた結果、機体の生産はA、Bタイプをあわせて約800機を超えた時点で終了。更なる高性能化を目的とした[[ザクII]]が開発され、そちらがジオン軍の主力を担う事になる<ref>そのため、単に「ザク」と呼ばれるのは後継機であるザクIIを指す場合がほとんどであり、MS-05は「ザクI」「旧ザク」と呼ばれるようになった。</ref>。
 +
 
 +
ザクIIの生産が軌道に乗ると、ザクIを擁する部隊編成は随時更新されていき、輸送や補給部隊の護衛などといった兵站任務に就く事が多くなっていったが、宇宙世紀0078年10月、ジオン公国軍が宇宙攻撃軍と突撃機動軍に二分されると、それに伴って必要とされるMSの配備数も倍増し、ザクIも再び戦力として前線に狩り出される事になったという<ref>その時点でザクIは十分に耐用年数内だったが、実質的な性能差はいかんともし難く、防空や哨戒、護衛、工作任務での運用が多かった。</ref>。
 +
 
 +
ザクIは後に繋がるMSの基礎とも言える機体であり、頭部などモノアイによる外部映像認識装置と、各種の複合センサーで構成され、この構造はザクII以降の機体にも踏襲されている。機体を駆動させる流体パルスシステムも、動力ユニットを全て内装したため、機体各部のレスポンスが低かったと言われているが、あくまで後の機体と比較してのことであり、システムとしては既に完成されている<ref>脚部の構造なども、それを踏襲したザクIIが地上で隆盛した事を見れば逆説的にその優秀さを証明していると言える。</ref>。
 +
 
 +
外見上の特徴として、モノアイを保護するカバーは開発時に強度が不足していたため、耐衝撃・耐弾性を向上させつつ極力視界を確保するため、頭部正面に保護ビーム(支柱)が設けられている。これは、機体が正対している方向ならば各部の補助カメラでもモニター出来たため、それよりも走査端末として高性能のモノアイを周辺状況の哨戒に充てた方が懸命であるという判断から採用されている。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
61行目: 67行目:  
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;[[ザク・マシンガン]] (105mm)
 
;[[ザク・マシンガン]] (105mm)
:初期型であるドラムマガジン式の105mmマシンガン。ドラムマガジンが銃身の横に装着されているのが特徴。
+
:初期型であるドラムマガジン式の105mmマシンガン。いわゆる「ザク・マシンガン」のファーストモデル。ザクIのもっとも一般的な携行武装で、ドラムマガジンが銃身の横に装着されているのが特徴。一年戦争勃発までの戦闘において多用された。
 
;ザク・マシンガン (120mm)
 
;ザク・マシンガン (120mm)
:主に[[ザクII]]が装備するドラムマガジン式の120mmマシンガン。
+
:主に[[ザクII]]が装備するドラムマガジン式の120mmマシンガン。初期モデルの生産開始は、ザクIの生産がB型に以降してから後だった。
 
;ザク・バズーカ
 
;ザク・バズーカ
:対艦用の280mmバズーカ。後に[[ザクII]]が使用する物と形状が異なる。初期の物は核弾頭の射出にも使用されており、そのための炸薬が強力であった為、肩関節の保護を目的にバズーカ・ラックが増設された機体も存在する。
+
:対艦用の280mmバズーカ。後に[[ザクII]]が使用する物と形状が異なる。初期の物は核弾頭の射出にも使用されており、そのための炸薬が強力であった為、肩関節の保護を目的にバズーカ・ラックが増設された機体も存在する。<br/>核弾頭の他に徹甲弾や形成炸薬弾、粘着榴弾などの各種弾頭を射出する事も可能であった。また、開発当初はロケット弾の携帯サイロのようなタイプも使用されていた。
 
;ヒート・ホーク Type3
 
;ヒート・ホーク Type3
:加熱式の実体斧。ブレード部分が赤熱化し、敵の施設や装甲を溶断する。
+
:加熱式の実体斧。ブレード部分が赤熱化し、敵の施設や装甲を溶断する。ただし、対MS戦は想定しておらず、あくまで軍事施設や敵機への攻撃牽制を目的としていた。
 
;[[シュツルム・ファウスト]]
 
;[[シュツルム・ファウスト]]
 
:一年戦争後期に多用された使い捨てのロケットランチャー。自動追尾装置等はなく、移動する標的に命中させるのは難しいが、携帯用の武装としては強力な部類に入る。
 
:一年戦争後期に多用された使い捨てのロケットランチャー。自動追尾装置等はなく、移動する標的に命中させるのは難しいが、携帯用の武装としては強力な部類に入る。
 
;スパイク・シールド
 
;スパイク・シールド
:ザクIIの右肩シールドを流用した手持ち式のシールド。先端にスパイクを装備し、防御にも攻撃にも使えるようにした攻防一体の装備となった。
+
:機銃などの防御用のシールドに打突用のスパイクを追加したもの。後にザクIIの機体の標準固定装備となるが、その際スパイクはショルダーアーマーに移設される事になる。
 
;GGガス弾
 
;GGガス弾
 
:2連装式の毒ガス弾。発射後に目標の上空で炸裂し、毒ガスを散布する。一年戦争初期のコロニー制圧に用いられた。『第08MS小隊』第7話に登場する機体が使用。
 
:2連装式の毒ガス弾。発射後に目標の上空で炸裂し、毒ガスを散布する。一年戦争初期のコロニー制圧に用いられた。『第08MS小隊』第7話に登場する機体が使用。
154行目: 160行目:  
*[[登場メカ]]
 
*[[登場メカ]]
   −
<!-- == 脚注 == -->
+
== 脚注 ==
<!-- <references /> -->
+
<references />
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
 
{{DEFAULTSORT:さくⅠ}}<!-- 濁点・半濁点は除く。「っ」のような小書き文字は「つ」のように大きくする。「・」のような区切り文字は半角空白「 」に変える。 -->
 
{{DEFAULTSORT:さくⅠ}}<!-- 濁点・半濁点は除く。「っ」のような小書き文字は「つ」のように大きくする。「・」のような区切り文字は半角空白「 」に変える。 -->
6,118

回編集