ナトーラ・エイナス

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ナトーラ・エイナス (Natora Einus)

地球連邦軍の所属艦ディーヴァの艦長。元はオリバーノーツ基地に所属していた。
基本的には子供好きで母性的な面もあるが、気弱で優柔不断な性格。絵描きが趣味なのか、基地のロッカー内にスケッチブックと色ペンセットを持ち込んでいる。
軍の高官であるエイナス中将の孫娘であることから、周囲からは「親の七光りで出世した」と陰口を叩かれている。

艦長としても一軍人としても実戦経験が無く、性格的にも非常に頼り無い。艦長任命前は事務系の仕事をしていた。
艦の進路なども元総司令のフリット・アスノとMS隊隊長のセリック・アビスに任せきりな上に初陣ではフリットがディーヴァを出港させた理由も理解出来ずに地上でフォトンブラスターキャノンを撃とうとしてフリットに怒られ、ロストロウラン基地までの道中で何故、そのような進路を取っているかも理解せずに質問して二人を驚かせたりしている。
その為、艦長就任直後はクルーからも信頼されておらず、ロストロウラン防衛戦の時の艦の指示も艦長のナトーラではなく、フリットに直接指示を仰ぐ事もあったが、ロストロウランまでの道中に猛勉強して艦の構造も理解し、部下に的確な指示を出し次第に艦長として信頼されていく。…が、ヘタレ気質は宇宙に上がってからも変わっていないが、キオ・アスノガンダムAGE-3ヴェイガンに鹵獲されて冷静さを失ったフリットの指示に疑問を感じて従わなかったり(実際はどうするべきか迷っている内に敵が撤退している)フリットの強硬的な行動に意見する事も増えている(但し、簡単に反論されて反論出来ない場合が殆ど)。

登場作品と役柄

機動戦士ガンダムAGE(第三部)
ヴェイガンによるオリバーノーツ襲撃時にウェンディ・ハーツタクユウルッカを保護し、基地内で面倒を見ていた。しかし、彼女やフリットを快く思っていない司令ドレイムスから半ば当てつけ同然にディーヴァの艦長に任命され、さらに問題ありそうなクルーの面倒も押し付けられてしまう。戸惑いながらも艦を発進させ、敵を撤退させる事には成功したが、彼女自身は大して何も出来ないまま終わってしまい、戦闘終了後にフリットから忠告を受ける。その後は前述のように猛勉強して艦の構造を理解。部下達に的確な指示を与える等、艦長として信頼されるようになった。
機動戦士ガンダムAGE(第四部)
引き続きディーヴァの艦長を務め、ルナベース奪還作戦に参加している。ラ・グラミス攻略作戦ではセリック・アビスクランシェカスタムが射線上の敵艦に引っ掛かり、脱出が出来ない状態となりフォトンブラスターキャノンの発射命令を出せなかったが、セリックに後押しされて涙ながらに命令を下した。その後、ディーヴァがラ・グラミスのディグマゼノン砲のターゲットにされた時はフリットの指示でクルーと共にディーヴァから宇宙海賊ビシディアンバロノークへと移乗し、アセムの許可の元、同艦の指揮を執る。
機動戦士ガンダムAGE(小説版)
当初は頼り無い面を多々見せているが、物語が進行するにつれて、原作よりもやや毅然とした性格になっている。エイナス家は古の時代より現在まで続く名門家系であったが、ナトーラ自身は女性であると共に軍人に向いていない人間だったこともあり、時代錯誤の男性至上主義者である祖父や父からは幼い頃から「生まれてくるべきではなかった」とその存在を否定されるにも等しい虐待同前の扱いを受けながら育ち、元々は画家を志していたが、その夢を持つ事すらも許されなかったという、悲惨な過去について触れられている。
ヴェイガンギア・シドとの最終決戦では連邦軍艦隊とビシディアンの両軍を指揮し、ヴェイガンとも共闘し戦争の終結に尽力。後世ではエイナス家最強に最良の艦長となり、第十三独立艦隊のあらゆる将兵達から「戦女神」と称賛されるほどの伝説の提督として大成している。

人間関係

キオ・アスノ
ウェンディ・ハーツ
オリバーノーツでの戦闘の際に彼女を保護した。
セリック・アビス
艦長職に就いてから、何かと気にかけてくれる隊長。彼女が新米で、しかも気負いがちな彼女の癖を即座に見抜いては激励している。
フリット・アスノ
艦長として余りにも頼り無い為、厳しい言葉で怒る事も多いが、同時に艦長としての才能を見抜き指導する。
アリー・レーン
イーサン・シェロウ
ウォン・カストロファ
エイラ・ローズ
オトロ・バンダ
カール・ドーソン
ウットビット・ガンヘイル
ロディ・マッドーナ
ディーヴァのクルー達。
デレク・ジャックロウ
ジョナサン・ギスターブ
オブライト・ローレイン
ディーヴァのMS隊々員。
タク
ユウ
ルッカ
オリバーノーツでの戦闘の際に保護した子供達。
アンディ・ドレイムス
オリバーノーツ基地指令。彼からディーヴァ艦長の職を押し付けられてしまう。

名台詞

第三部

「何をしているの、君達?早く避難区域に向かいなさい!」
初の台詞。この時はまだ外見もあって凛々しいイメージだったのだが…。
「待ってる間、これしましょう?」
子供達に自前のスケッチブックを見せ、満面の笑みで言った台詞。子供好きなのか、絵が趣味なのか…。
「な、なら出航!出航お願いします!」
ディーヴァに初めて乗り込んだ際の台詞。私語が入っている辺り、全くの素人であることが伺える。ちなみにブリッジに入る時には「失礼します」と言いブリッジクルーに必要ないと突っ込まれている。
「わたしがいても、足手まといなだけで…」
度重なる不手際で自信喪失に陥っていた際に放った台詞。

第四部

「それに、あれは威力が大き過ぎて……まさか、基地ごと破壊するおつもりですか!?アスノ元司令!」
使用禁止となっていたプラズマダイバーミサイル投下を強行しようとするフリットに対して。初めてフリットに対して意見を述べる。しかし、使用の許可は取ってあると一蹴されてしまう。
「セリック少佐…いろいろ…ありがとうございました……!」
「フォトンブラスター発射!」
ラ・グラミス攻略作戦にてセリックの後押しによって活路を切り開く攻撃命令。しかしそれは、オリバーノーツから共に戦い、時には気づかい励ましてくれた戦友を見捨てる命令でもあった……。

小説版

(ああ、これで死ねるんだな)
(どうせ自分は生きながら死んでいるのだ。飾り付けられて出荷されるだけの人形、子供を産む機械だ)
小説版四巻の初登場シーンでの心中の独白。ヴェイガンによるオリバーノーツ攻撃で連邦軍オリバーノーツ基地にも砲撃が迫る中、自身の過去を振り返りながら、下着姿のまま死を待とうとして。
「それでもです……閣下。 あの子を救いたいという気持ちは皆同じです。ですが、私には自殺行為を正当化することは出来ません」
「……軍法会議にかかる覚悟はできています」
小説版四巻より。ビシディアンやヴェイガンとの戦闘で大打撃を受け、キオをガンダムごとヴェイガンに連れ去られ、激しく取り乱して怪気炎を吐きながらキオの救出を叫ぶフリットに対して、ディーヴァの艦長として、視線を逸らすことなく、臆することなく、フリットに対して異を唱える。セリックやアリーたちも、彼女の決断に躊躇わず賛同する。かつて画家になりたいと言って張り倒された時以来の勇気を持っての発言だった。
(キオ…………あなたはこんな大人にはならないでちょうだい……!)
小説版五巻より。ルナベース攻略戦を前に、プラズマダイバーミサイルの使用を決めるフリットに対して反対意見を唱えるも、「人ならざるガン細胞、無差別テロリストに対する治安活動に使用することについては委員会の黙認も取り付けてある」とし、再度のナトーラの説得に対しても議論に応じようとしないフリットの態度に父と同じ愚かしさ――恫喝して、権威を振りかざして、論理ではなく「正しさ」によって人々を従わせ、エゴを押し通そうとする――を覚え、怒りとも哀しみとも取れる感情を抱きながら、心中でキオに向けて呟いた、願いにも似た独白。
「あ……奥さん……え、ええ……奥さん……そ、そうですね……は、はい……!」
小説版五巻より。ジラードの素性についてセリックと話し合っていたところで、今と昔のジラード(レイナ)の顔をスケッチしていたところ、「今度自分の絵も描いてほしい」とセリックに頼まれて、一瞬呼吸が止まりそうになるも、続けて「妻と子に自慢したい」と言われ、激しく狼狽する。ナトーラのセリックに対する「特別な感情」は他のディーヴァクルーにも筒抜けだったのだが、セリックが妻子持ちである事も、ナトーラ以外の多くのクルーは知っていた。艦内では「いつナトーラがセリックが妻帯者である事に気付くか」で賭けまで行われていたようなのだが、彼女がそれを初めて知ったのは、この時だった。失恋…。
(わたしは)
(そんなものになんか、なりたくなかったんです)
ヴェイガンとの最終決戦にて、セリックに促され、涙を呑んで彼ごとゴドムの駆るグルドリンを撃ち、彼の最期の言葉に、涙をこぼしそうになりながらの独白。本当は、軍人になんて、立派な艦長になんて、なりたくなかった…。大切な人を撃つことになる命令なんて、決断したくなかった…。
「……子供の頃、うさぎの絵を描いたの。好きだった童話に出てくる、もうこの地上にはいない絶滅動物の絵よ」
「うさぎたちの国があって、うさぎたちは幸せに暮らしているの。でも父さんは、絵を燃やしてしまった。本も全部取り上げられてしまった。私はうさぎたちを守れなかったの」
(私は、今度こそ、暖炉からうさぎたちを助け出す)
ヴェイガンギア・シドとシド・スレイブによる殺戮の光景を目の当たりにしながら、過去の自分の悲しい記憶を吐露する。その過去の光景が、今自分の目に映る光景に、世界に重なる。かつて無力だった自分の目の前で燃やされた絵やぬいぐるみの光景は、自分自身であり、キオであり、大人達のエゴに歪められた姿であり、今にも燃え尽きようとしているセカンドムーンの、地球圏全体の子供達の命そのものに重なって見えた。幾多の犠牲と悲劇を見てきたナトーラは、もう悲劇を繰り返させまいと立ち上がり…
(ようやく見つけた。私の描きたい絵を。私が手にするべきクレヨンを。昔の泣いている私に、いつかやってくる未来を手渡すために。絶望の中で、その命を終わらせないために!)
それまでに見たことがないような勇ましい姿で、ナトーラは連邦艦隊とビシディアンを指揮し真の最終決戦に臨む。そこには、かつての気弱な艦長の姿は無かった。平和と未来のために戦う勇ましい戦女神の姿が、そこにあった。

搭乗機体・関連機体

ディーヴァ
この艦の艦長に任命される。
バロノーク
最終決戦時にディーヴァから移乗し、以降はここで指揮を執った。

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