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この機体自体に複数のプランが並行しており、歩行ユニットもその一つとして開発されており、その場合はロケット・モーターをユニットごと交換する設計となっていたとされる。ただし、この機体が脚部を持つ、いわゆる「フル装備」状態でのプランのまま完成していたとしても、全高が35mにも及ぶ機体を搭載可能な補給艦も航宙空母も存在していなかった当時においては、投入可能な局面もかなり限定されていたであろうことは想像に難くなく、重力下戦闘に対応できたかどうかにも疑問が残るという。そのような運用や兵站などの局面から見てもジオングはMSとして常軌を逸したものであり、むしろ[[モビルアーマー]]的な運用に特化させた技術陣の判断は当時の戦況からすれば最善のものだったと言えた。
 
この機体自体に複数のプランが並行しており、歩行ユニットもその一つとして開発されており、その場合はロケット・モーターをユニットごと交換する設計となっていたとされる。ただし、この機体が脚部を持つ、いわゆる「フル装備」状態でのプランのまま完成していたとしても、全高が35mにも及ぶ機体を搭載可能な補給艦も航宙空母も存在していなかった当時においては、投入可能な局面もかなり限定されていたであろうことは想像に難くなく、重力下戦闘に対応できたかどうかにも疑問が残るという。そのような運用や兵站などの局面から見てもジオングはMSとして常軌を逸したものであり、むしろ[[モビルアーマー]]的な運用に特化させた技術陣の判断は当時の戦況からすれば最善のものだったと言えた。
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コクピットは頭部と胸部の2箇所にあり、パイロット2名による運用も可能。その際は火器管制(頭部)と機体制御(胸部)を分担するが、ニュータイプパイロット用の感応波センサーは頭部コクピットに備えられており、頭部から全機能をコントロールする事ができた。また、頭部は緊急脱出ポッドとしても運用でき、データ及びパイロットの回収率が高められている。サイコミュの主機はボディ側に搭載されており、頭部との接続が途絶えた場合にはミノフスキー通信(いわゆる無線式サイコミュ)による遠隔制御に切り替えることも可能である。双方のコクピットは機体自体が航宙艇並みの規模だったこともあってか往還可能となっているが、試作機であったためか機体の起動や初期設定などはボディ側のコクピットで行う必要があった。なお、ボディユニットは中型の航宙戦闘艇そのものであり、高出力ジェネレーターと豊富なプロペラントを内装。このほか、[[エルメス]]に載されていたサイコミュとほぼ同等のスペックを持つデバイスが搭載されている<ref>エルメスはコクピット後方に脱出装置や避難ブロックを備えていたが、デバイスとコクピットが隣接していたためトータルでの占有体積はジオングよりは少なく、またジオングは基本的二頭部で機体を制御するように設計されているが、ボディ側にも設備的には頭部のものと同等のコクピットを有し、それぞれに送受信端末を装備していたため、これが機体を大型化させる要因にもなっていた。</ref>。
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コクピットは頭部と胸部の2箇所にあり、パイロット2名による運用も可能。その際は火器管制(頭部)と機体制御(胸部)を分担するが、ニュータイプパイロット用の感応波センサーは頭部コクピットに備えられており、頭部から全機能をコントロールする事ができた。また、頭部は緊急脱出ポッドとしても運用でき、データ及びパイロットの回収率が高められている。サイコミュの主機はボディ側に搭載されており、頭部との接続が途絶えた場合にはミノフスキー通信(いわゆる無線式サイコミュ)による遠隔制御に切り替えることも可能である。双方のコクピットは機体自体が航宙艇並みの規模だったこともあってか往還可能となっているが、試作機であったためか機体の起動や初期設定などはボディ側のコクピットで行う必要があった。なお、ボディユニットは中型の航宙戦闘艇そのものであり、高出力ジェネレーターと豊富なプロペラントを内装。このほか、[[エルメス]]に載されていたサイコミュとほぼ同等のスペックを持つデバイスが搭載されている<ref>エルメスはコクピット後方に脱出装置や避難ブロックを備えていたが、デバイスとコクピットが隣接していたためトータルでの占有体積はジオングよりは少なく、またジオングは基本的に頭部で機体を制御するように設計されているが、ボディ側にも設備的には頭部のものと同等のコクピットを有し、それぞれに送受信端末を装備していたため、これが機体を大型化させる要因にもなっていた。</ref>。
    
ジオングのコンセプトは後のニュータイプ用[[モビルスーツ]]や[[モビルアーマー]]に引き継がれた。なお、機体が7つのパーツに分離し、その全てがワイヤーレスでオールレンジ攻撃を行うという機体プランも存在していたらしく、仕様書の存在も取り沙汰されている<ref>それこそが「YMS-16」系の一連のプランとは一線を画する「MS-16X計画」の究極の目的であったと言われ、更に同計画の切り札となるという意味で「Trumpf X(トルムプフ・イクス)」と呼ばれるプロジェクトが存在し、機体を7つに分離する計画はそちらだとする説もある。</ref>。
 
ジオングのコンセプトは後のニュータイプ用[[モビルスーツ]]や[[モビルアーマー]]に引き継がれた。なお、機体が7つのパーツに分離し、その全てがワイヤーレスでオールレンジ攻撃を行うという機体プランも存在していたらしく、仕様書の存在も取り沙汰されている<ref>それこそが「YMS-16」系の一連のプランとは一線を画する「MS-16X計画」の究極の目的であったと言われ、更に同計画の切り札となるという意味で「Trumpf X(トルムプフ・イクス)」と呼ばれるプロジェクトが存在し、機体を7つに分離する計画はそちらだとする説もある。</ref>。
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== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダム]]
 
;[[機動戦士ガンダム]]
:[[キシリア・ザビ]]から与えられた機体に[[シャア・アズナブル]]が搭乗。サイコミュの慣熟が不完全な状態であったものの、オールレンジ攻撃で[[アムロ・レイ|アムロ]]の[[ガンダム]]を攻め立てた。最期は頭部ユニットまで追い詰められ、自動操縦のガンダムと相打ちになるもののシャアは寸での所で脱出している。
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:初登場作品。[[キシリア・ザビ]]から与えられた機体に[[シャア・アズナブル]]が搭乗。サイコミュの慣熟が不完全な状態であったものの、オールレンジ攻撃で[[アムロ・レイ|アムロ]]の[[ガンダム]]を攻め立てた。最期は頭部ユニットまで追い詰められ、自動操縦のガンダムと相打ちになるもののシャアは寸での所で脱出している。
 
;[[MSV]]
 
;[[MSV]]
 
:[[パーフェクト・ジオング]]の設定ができた事で、本機と並行して脚部が開発されていたという設定が追加された。シャア搭乗機を含めた3機がア・バオア・クー工廠で建造中だったものの、連邦軍の攻撃により脚部を含めた全ての機体が失われている。また、[[パーフェクト・ジオング]]の発展系であるMSN-03 ジオングも新たに設定されている。
 
:[[パーフェクト・ジオング]]の設定ができた事で、本機と並行して脚部が開発されていたという設定が追加された。シャア搭乗機を含めた3機がア・バオア・クー工廠で建造中だったものの、連邦軍の攻撃により脚部を含めた全ての機体が失われている。また、[[パーフェクト・ジオング]]の発展系であるMSN-03 ジオングも新たに設定されている。
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=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
 
;[[サイコミュシステム]]
 
;[[サイコミュシステム]]
:ニュータイプ用のマン・マシン・インタフェース。[[オールレンジ攻撃]]を可能とする。
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:[[オールレンジ攻撃]]を可能とするニュータイプ用のマン・マシン・インタフェース。ニュータイプ用の感応波センサーは頭部コクピットに備えられているが、胴体にもエルメスに搭載されていたものとほぼ同等のスペックを持つデバイスが搭載されているが、デバイス自体の小型化が困難であったこともあり、機体の大型化を招く要因となった。
 
;分離
 
;分離
 
:コクピットのある頭部を分離し緊急脱出ポッドとして運用可能。実際にはオールレンジ攻撃の一画を担う超小型の宇宙戦闘艇であるとも言える存在であり、本体とは独立したコクピットブロックであるばかりでなく、メインカメラや[[メガ粒子砲]]、移動用バーニアなどを備えている。稼働に必要なエネルギーはボディUNITから供給されているが、分離した場合に備え、複数の大容量コンデンサーと[[エネルギーCAP]]システムを共用し、動力や武装のバックアップとしている。それらを消費しきる前にボディと再結合すればプロペラントの再充填やメガ粒子砲のチャージも可能である。ただし、本体から分離した場合、戦闘艇としての実用稼働時間は60分(10分とする説もある)にも満たないため、脱出や撹乱以上の戦闘には耐えられない。そのため、頭部は直接の戦闘を回避しつつ、各部を遠隔操作するという戦術も想定されていたようであるが、パイロットの力量次第ではMS1機分の戦力になると言われている。
 
:コクピットのある頭部を分離し緊急脱出ポッドとして運用可能。実際にはオールレンジ攻撃の一画を担う超小型の宇宙戦闘艇であるとも言える存在であり、本体とは独立したコクピットブロックであるばかりでなく、メインカメラや[[メガ粒子砲]]、移動用バーニアなどを備えている。稼働に必要なエネルギーはボディUNITから供給されているが、分離した場合に備え、複数の大容量コンデンサーと[[エネルギーCAP]]システムを共用し、動力や武装のバックアップとしている。それらを消費しきる前にボディと再結合すればプロペラントの再充填やメガ粒子砲のチャージも可能である。ただし、本体から分離した場合、戦闘艇としての実用稼働時間は60分(10分とする説もある)にも満たないため、脱出や撹乱以上の戦闘には耐えられない。そのため、頭部は直接の戦闘を回避しつつ、各部を遠隔操作するという戦術も想定されていたようであるが、パイロットの力量次第ではMS1機分の戦力になると言われている。
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