ミキシングビルドモビルスーツ(Mixing Bild Mobile Sult)
ザンスカール戦争後の技術衰退により、ハイ・テクノロジーで構成された第二期MSの製造・維持が困難になった宇宙世紀150年代以降に急速に台頭していったレストアモビルスーツ群の総称。その中でも複数機のパーツを使い一機のモビルスーツとして仕上げられた物を指す[1]。
ビーム兵器の維持が難しくなり、旧来の実体弾・実体剣が復権し始めた頃に徐々に着目されたのが140年代からその技術の改変・蓄積によって性能を伸ばしていた旧型MSのレストアであった。無論、この時代にあっても最も高性能なのはリガ・ミリティアやザンスカール帝国が開発した機体であるのは間違い無いのだが、万全の状態を維持している機体は希少であり、ビーム兵器もビーム・シールドも使用出来ないのであれば、実体弾の撃ち合いで小型機のアドバンテージは絶対的な物ではなく、むしろ物理的に装甲を厚く出来る大型機の信頼性が高くなっている。また、コロニー間での戦闘が小規模化し、過剰な火力を必要としなくなった事も、レストア機の台頭を加速させていった[2]。
ミキシングビルドモビルスーツは、そんな情勢下で生まれて来た機体群であり、再生可能な複数のモビルスーツのパーツを組み合わせて運用される。製造は各コロニーに存在する比較的設備の大きな工房で行われ、その性質上各工房が独自に組み上げ調整したワンオフ機が基本となり、型式番号も存在しない。破壊されればそのまま放置されるか、あるいは別のパーツと組み合わせて全く別の機体に変貌してしまう事も少なくはなく、その全容は計り知れない。また、オリジナル機に対する理解度も工房のスタッフによって異なっている[3]。
これらの機体は出力低下などによってビーム兵器を搭載している物は希少であり、一見それらしい外見の武器も外装を利用しているだけで中身が実弾兵器である事が多い。
一部の機体には生産数の少ない機体のパーツの使用も確認されているが、これはオープンソース化されたRFシリーズの生産テクノロジーが地球圏全域に拡散した事に加え、エバンス・ジルベスターがルナツーで発見した鉱脈資源を元にレプリカMSを製造して闇ルートで流通させていた事が原因となる。なお、レプリカMSを製造するプラントの存在はコロニー間で囁かれている一つの噂として扱われていた。
関連用語
登場作品
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
- 初出作品。アンカーやクレイン、ブレイカーズの機体等が該当。ベース機が判明している物からされていない物まで、様々な機体が登場している。