鉄華団(Tekkadan)
鉄華団は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場する民兵組織。
火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」を前身とする民兵組織 。
母体となったのはCGS主力部隊の下部に属する「参番組」と呼ばれる少年兵を中心に編成された非正規部隊であり、団長はCGS参番組の元隊長であるオルガ・イツカ。
組織名は「決して散らない鉄の華(=消えない命)」の意を含んでオルガ自身が命名した。
組織
本来は上記の様にCGS傘下のいち少年兵部隊であった。しかし非正規兵である事、また大半の者が阿頼耶識システムを施されている事もあって、マルバ・アーケイをはじめとする大人達からは『宇宙ネズミ』と揶揄され、不当な扱いや虐待同然の待遇を強いられ続けていた。
そんな不条理の中に置かれていた彼等であったが、ある日、それら全てが一変する出来事に直面する。
事件の発端は、火星都市クリュセの令嬢にして、『ノアキスの7月会議』を主導したクーデリア・藍那・バーンスタインが、参番組に直々に地球行きの護衛を依頼してきた事だった。有名人であった彼女からの依頼にCGSは即座に飛びつき、地球へ向かう為の準備を行っていた。しかし同じ頃、ギャラルホルン火星支局長であるコーラル・コンラッドの命を受けた部隊が彼女を亡き者にせんとCGSを襲撃しようとしていた。
ギャラルホルンの襲撃に、マルバをはじめとした大人達は参番組を捨て石にして離脱を図ったが、少年兵達は地下格納庫のエイハブ・リアクターを兼ねた動力源として格納されていたガンダム・バルバトスを起動させて敵を撃退してしまっていた。
その後、マルバは遁走。戻ってきた大人達も、以前にもまして少年達に高圧的な態度で脅しつけるが、少年達はその夜、密かにクーデターを敢行してCGSを乗っ取ってしまっていた(大半の大人は「退職」させられたが、少年達に対する苛めの筆頭だったハエダとササイは見せしめと落とし前を理由にその場で処刑された。また大人の中で参番組に好意的だった雪之丞はギャラルホルン襲撃時に少年達と共に尽力したこともあって、クーデターに巻き込まれる事は無かった)。
後に、CGSの名称を嫌ったオルガや少年達の手で再結成された組織が『鉄華団』であり、本来の依頼であるクーデリアの送迎任務に向けて奔走していく事になる。
結成後はギャラルホルンから火星の本部に手を出させない為にタービンズを通じて木星企業複合体であるテイワズの傘下に入り団長のオルガはタービンズの代表である名瀬と兄弟の契りをかわす。
多くの犠牲の果てに地球送迎任務を終えてからはアーブラウ政府やマクギリス・ファリドからも存在を認知され、それによりテイワズに多大な利益をもたらした事が認められてテイワズの代表であるマクマードの直参組織として格上げされて規模も拡大されつつある。
それによって火星ではギャラルホルンに一発かました事で英雄視される事になる。
エドモントンでの戦いの後にアーブラウから軍事顧問として雇われ地球に支部を置く事になりなる。
順調に成長を遂げる一方で地球支部はオルガが本部の事で手一杯と言う事もあり、状況は余り良くなく、地球支部の事務方を一手に担っていたラディーチェがラスタルの為に暗躍していたガランと共謀し、SAUとアーブラウとの武力紛争にアーブラウの防衛軍として巻き込まれ、多くの犠牲を出してしまう。
武力紛争は収まるものの、地球支部を維持する事が出来ずに撤退する事になる。
地球支部撤退時にはマクギリスから自身に協力しギャラルホルンの変革を成し遂げて組織のトップになった時にはギャラルホルンの火星支部が持つ権限の全てを譲渡する事で火星圏の支配権を持つ「火星の王」にすると言う密約を交わす事となる。
地球支部撤退後はマクギリスに協力する為に戦力の強化に奔走して行く。
MAとの戦闘後にMAに部下を殺された憎しみを鉄華団に向けるイオクを鉄華団とタービンズを快く思わないジャスレイによりタービンズが壊滅させられ、鉄華団を挑発する為に昭弘と親しくなったラフタが殺された事で一度は押しとどめた怒りが爆発し、鉄華団はテイワズを抜けてジャスレイに報復する事となる。
テイワズを抜けた事で後ろ盾を失い、以前より繋がりを持つマクギリスと共に革命軍によるクーデターに加わる事になる。
マクギリスがクーデターを起こしラスタル率いるアリアンロッド艦隊との全面対決になるが、圧倒的な戦力差に加えて、ラスタルの策により革命軍は大敗し、鉄華団もシノを初めとした多くの仲間を失うと言う大打撃を受けて、マクギリスと共に火星圏へと敗走する。
辛くも火星の本部まで逃げ延びる事が出来たが、ラスタルの内の一手によりマクギリス共々犯罪者として指名手配を受けてしまう。
その後、ギャラルホルンにより本部が包囲されて、制圧戦が開始され犠牲を出しながらも多くの団員が本部の地下からクリュセへと逃れ、組織としては圧倒的な武力をもって世間を騒がせた悪魔の組織として壊滅させられたが、生き残った団員達は自身のIDを書き換えてデータ上は別人として様々な新たな人生を歩む事になる。
構成員
創設時
- オルガ・イツカ
- 元参番組のリーダーにして組織の代表。本部がギャラルホルンに包囲された際に先んじて本部を脱出し、地球までいく算段を付けるも、ノブリスの部下により殺害される。
- 三日月・オーガス
- オルガの親友にして、ガンダム・バルバトスの専任パイロット。本部がギャラルホルンに包囲された際に仲間を逃がす為に最後まで戦い戦死する。
- ビスケット・グリフォン
- 鉄華団の参謀役。結成当初からオルガ達を支えていたが、ミレニアム島の戦いで殉職する。
- 昭弘・アルトランド
- 三日月と同じくパイロットを務めるヒューマン・デブリ出身の少年。乗機はガンダム・グシオンリベイク。本部がギャラルホルンに包囲された際に仲間を逃がす為に三日月と共に最後まで戦い戦死する。
- ユージン・セブンスターク
- CGS時代からの古参メンバーの1人。知力・体力共に優れた才能と強い責任感を持つ人物で、後に副団長に就任する。
- ノルバ・シノ
- 白兵戦を得意とする長身の少年兵。後に昭弘からグレイズ改を譲り受け、後に獅電改を経てガンダムフラウロスのパイロットとなる。自身の専用機は派手なピンクで塗装し流星号と呼んでいる。アリアンロッド艦隊との決戦の際に戦死する。
- チャド・チャダーン
- 昭弘と同じくヒューマン・デブリの出身者。主に後方支援や通信管制などの裏方に徹する事が多く、イサリビの操舵を担う事もある。エドモントン戦後は地球支部のまとめ役となるが、経理のラディーチェ・リロトから度々苦言を突き付けられている。
- ダンテ・モグロ
- タカキ・ウノ
- 年少組の1人。部隊内に於いては伝令や補給といった雑用全般を買って出ており、仕事に対する熱意は人一倍強い。エドモントン戦後はチャドやアストン達と共に地球支部の一員となるが地球支部撤退の際に鉄華団を抜けて妹と共に地球に残る事になる。
- ライド・マッス
- 年少組の1人。絵心があり、鉄華団のシンボルマークをデザインしたのも彼。エドモントン戦後は念願のモビルスーツパイロットとなり、ダンテと共にテイワズから支給された獅電のパイロットの1人となる。鉄華団壊滅後も生き延びるが、目の前でオルガが自分を庇って命を落とした事もあり、他の多くのメンバーが戦いから離れた人生を歩くなか、オルガの仇を討つ為にかつての仲間達との関わりと絶っていた。
- ヤマギ・ギルマトン
- タカキ、ライドと同じく年少組の1人。雪之丞と共に整備を担当しており、特にシノの乗機を一手に担う事が多い。
- ナディ・雪之丞・カッサパ
- CGS時代から少年達を不当に扱わなかった数少ない大人。整備班長を担っており、バルバトスの整備などを苦戦しながら引き受けている。
- デクスター・キュラスター
- CGS時代から経理を担当していた社員。本来はクーデターに伴って退職する予定だったが、ビスケットたっての頼みで残留する事になった。
- アトラ・ミクスタ
- 三日月達の幼馴染。当初は火星の店で働いていたが、後に店主の了解を経て鉄華団で働くようになる。
- メリビット・ステープルトン
- テイワズから監視役を兼ねた財務アドバイザーとして派遣された女性。歳星出立以降から彼等と行動し、無茶しがちなオルガ達を案じつつも年長者として支えている。後に雪之丞と恋仲となり、鉄華団がテイワズと抜ける際にテイワズに辞表を提出して鉄華団と行動を共にする。
規模拡大以降
- ハッシュ・ミディ
- エドモントン戦以降、予備隊員として入ってきた新人少年兵。とある理由から三日月に対抗意識を抱いており、同時にモビルスーツパイロットへの転向を希望している。後にパイロットとして三日月の部下になり、パイロットとしての腕を上げるもギャラルホルンの本部襲撃の際に戦死する。
- ザック・ロウ
- 男を上げる為に鉄華団に入るも、客観的に見て勝ち目のない戦いに身を投じる鉄華団のやり方に幾度も異を唱える。
- デイン・ウハイ
- アストン・アルトランド
- かつてブルワーズに所有させられていたヒューマンデブリ出身の少年。昭弘の弟である昌弘の同輩で、鉄華団に保護された事で正式に団員となる。アーブラウとSAUとの紛争時に戦死する。
- デルマ・アルトランド
- 昌弘、アストンと同じく元ブルワーズにいたヒューマンデブリの少年。エドモントン戦後はシノ率いる実働一番隊に配属され、獅電のパイロットとなる。
- ラディーチェ・リロト
- 地球支部に新たにテイワズから派遣された監査役。管理職として地球支部の懐事情や団員の行動が非論理的である事を憂いており、纏め役であるチャドにしばしば苦言を呈している。
協力者
- クーデリア・藍那・バーンスタイン
- アーブラウ政府との会談のため、護衛を依頼したお嬢様。鉄華団と行動を共にする事で現実を見据える様になり、彼等の旅に最後まで同行した。後にアドモス商会を立ち上げて以降も彼等との親交は続いている。
- 名瀬・タービン
- テイワズの幹部にして輸送担当組織「タービンズ」の長。最高権力者であるマクマードが信頼を置く傑物で、オルガと兄弟分の杯を交わして協力関係を築き上げる。
- 桜・プレッツェル
- ビスケット・グリフォンとクッキー、クラッカの祖母にして、クリュセ郊外に敷地を持つ農場主。ビスケット亡き後も鉄華団と提携しており、ときには孫達や鉄華団の団員と共に作物を収穫している。また農場内には、アドモス商会の孤児院を併設するなどクーデリアとも懇意にしている。
- 蒔苗東護ノ介
- アーブラウ政府の代表者。当初は代表の座を追われて隠遁していたが、クーデリアと共に現れた鉄華団に協力してエドモントンまで自身を送迎させる。鉄華団の事を高く評価し、エドモントン後は鉄華団をアーブラウの軍事顧問として雇う。SAUとの紛争のきっかけとなった爆弾テロでチャドに命を救われて以来、チャドには命の恩人として感謝している。
- マクギリス・ファリド
- 火星で三日月達と出会ってから、様々な因縁で鉄華団と関係している。ドルトコロニーの争乱終結後、老舗企業である『モンターク商会』の代表を名乗って接触(三日月達には最初から正体がばれており、後にオルガやビスケットにも自ら素性を明かした)。彼等とクーデリアの活躍を利用して、ギャラルホルンの変革を画策する。エドモントン戦後は個人的に鉄華団を雇い使っている。
- ラフタ・フランクランド
- タービンズのパイロット。鉄華団が地球に降下する際に名瀬の指示で同行し、後に鉄華団にMSパイロットの教官として出向する。中でも昭弘からの信頼も厚く、次第に昭弘に好意を寄せるようになるが……
- アジー・グルミン
- テイワズのパイロット。ラフタ同様に鉄華団に同行し、後にMSパイロットの教官として出向する。中でもライドとは師弟の間柄。
- エーコ・タービン
- タービンズの旗艦ハンマーヘッドのブリッジクルー。ラフタとアジーと共に地球では鉄華団に同行し、整備や改修作業を行っている。またラフタとアジーが教官として出向しているときもメカニックとして出向している。
- ガラン・モッサ
- 傭兵。アーブラウとSAUの武力紛争時にアーブラウ防衛軍の作戦参謀として雇われ鉄華団と共に戦う。
所有戦力
- ガンダム・バルバトス→ガンダム・バルバトスルプス→ガンダム・バルバトスルプスレクス
- 元々CGSが所有していたMS。ギャラルホルン襲撃時に起動し、以降は鉄華団のエース機として運用されている。
- ガンダム・グシオンリベイク→ガンダム・グシオンリベイクフルシティ
- 宇宙海賊ブルワーズが使用していたガンダムグシオンを昭弘のたっての願いで改修して使用している。
- ガンダム・フラウロス
- テイワズから宇宙海賊夜明けの地平線団壊滅させた際の褒美として与えられたハーフメタル試掘場で発見されて改修した機体。パイロットはノルバ・シノ。
- グレイズ改→グレイズ改弐
- 鹵獲したクランク機をベースにオーリスのグレイズの使える部品を使って改修した機体。後にテイワズのMSの部品を使い阿頼耶識を搭載して更に改修されている。
- 獅電
- テイワズが開発した量産MS。鉄華団の主力機として運用されている。
- 獅電改
- 獅電に阿頼耶識を搭載し、シノ用にカスタムした機体。三代目流星号
- 雷電号
- 獅電改をライド用に改修した機体。
- 辟邪
- テイワズが開発した新型MS。ラフタの死後。形見分けでラフタが使用していた機体が鉄華団に譲渡されている。
- ランドマン・ロディ
- ブルワーズ戦時に鹵獲して売却したマン・ロディを改修した機体。地球支部に配備されていたが、撤退後には元ヒューマンデブリ達が乗る事になる。
- CGSモビルワーカー
- イサリビ
- ホタルビ