ガンダニュウム合金 (GNDNUM Alloy)
アフターコロニーのウルトラハイエンド機であるガンダムタイプの装甲材に採用されている特殊マテリアル。名称の由来は「Genetic on Universal Neutraly Different Alloy(電気的に中性な異種構造の宇宙製合金)」であり、当初はGND合金と呼ばれ、その後、地球で精製可能な既存の合金類と区別するために接尾語にNUMが追加された。
名称に含まれる「宇宙製合金」から推察可能なように宇宙でのみ生成可能な製法による特殊合金類を指しており、特定のマテリアルの呼称ではない[1]。
ガンダニュウム合金は重力の影響を排した高温プラズマの中で精製され、精製時に分子単位の配列や同位体のマトリクスなどをナノ単位で調節する他、太陽が放射する電磁波も直接・間接的に利用する。加えて、精製を可能とする環境条件は重力が安定するラグランジュポイントでしか満たせないため、地球上での生産は著しく困難となる。
アフターコロニーでは比較的新しいマテリアルであり、A.C.180年後期の時点で完成に近づいており、理論自体は勢力を問わずに認知されていた。OZとスペースコロニーによる開発競争の結果、コロニー側が先に精錬に成功したと考えられている[2]。コロニーに遅れる形でOZもガンダニュウム合金の精錬に成功するが、過剰な性能と高コストがネックとなってあまり活用はされず、モビルスーツの装甲材や関節用素材にはチタニュウム合金を使用する方針を取った。こうして、ガンダニュウム合金の軍事用途での使用は廃れるかに思われたが、コロニーがガンダムに採用した事で恐るべき能力を開花させる事になった。
ガンダニュウム合金は装甲材として用いた際の耐弾性、耐熱性、耐蝕性、耐摩耗性が著しく高い。これは、一般的なMSに要求される数値を超越しており、OZがMSの装甲材にガンダニュウム合金を採用しない一因ともなっていた。また、レーダー反射面積が小さく金属探知機にも捕捉されにくいなど、被探知性が突出して低い(特にハイパージャマーを併用するガンダムデスサイズに至ってはまったく探知されずに目標に肉薄出来た)。
ガンダムのジェネレーターもこのガンダニュウム合金の採用を前提とした構造であり、動力系の稼働効率が劇的に改善され、大火力兵装の運用が可能となっている。また、ビーム系格闘兵装に採用する事でビームエミッターの性能や耐久性が飛躍的に向上し、強力な磁界と光熱フィールドの展開などにも対応し、水中でもビーム刃のエネルギーが減衰せず、高威力を維持する事が可能となる。
オペレーション・メテオによって地球に降下したガンダムに採用され、その性能を支えるアドバンテージとなったが、紛争が進展するとOZもガンダニュウム合金を採用したMSを開発するようになった。また、MO-Vのハーマンインダストリでも独自の開発が行われていた。