差分

1,155 バイト追加 、 2013年11月11日 (月) 13:55
30行目: 30行目:     
序盤はそうでもないのだが、中盤以降は物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような脚本になったのではないか?」と邪推されている。
 
序盤はそうでもないのだが、中盤以降は物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような脚本になったのではないか?」と邪推されている。
 +
王道的ストーリー展開であれば、こうした慢心を作戦のミスや人間関係のトラブルを起こし、乗り越え、そして一回り大きく成長していくものであるが、「三人の主人公」という物語の展開、特に中盤以降のキラ・ヤマトに出番を根こそぎ奪われてしまい、そうした描写のないままに放送が終了してしまった。</br>前述の小説版、コミック版では人間的に大きく成長している。特にスピンオフにあたるゲーム版では情熱的で、強く、凛々しく、それでいて思いやりのある「頼れる兄貴分」として描かれており、復讐で戦うことの無意味さ、憎悪を乗り越えることの必要性を説くなど魅力的なキャラクターとなっている。本来はこうした面を内包していた(と想像できる)のであろうが、そうした成長面が描かれていなかったことは極めて残念である。
    
さて、シン・アスカの全体像としては家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。前作の主人公のキラやアスランは「機動戦士ガンダムSEED」中盤からお互い健全な人間関係を築き上げたとのは対照的に、終止、戦いから開放されず、苦しい立場に置かれた事により、彼らに比べると健全なイメージを作り上げた主人公としての立場を無くした。またロボットアニメという世界は結局、主役ロボットに主人公が活躍してこそ視聴者も安心して見られるが、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではシンの主人公としてのイメージ、ラストのシンとデスティニーガンダムの敗退の描写が一層、主人公としての立場をなくしてしまった事が一番の要因である。TV放送時から番組構成に問題が取り上げられたのだが、その割を食ったのがシンである事は異論はないだろう。
 
さて、シン・アスカの全体像としては家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。前作の主人公のキラやアスランは「機動戦士ガンダムSEED」中盤からお互い健全な人間関係を築き上げたとのは対照的に、終止、戦いから開放されず、苦しい立場に置かれた事により、彼らに比べると健全なイメージを作り上げた主人公としての立場を無くした。またロボットアニメという世界は結局、主役ロボットに主人公が活躍してこそ視聴者も安心して見られるが、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」ではシンの主人公としてのイメージ、ラストのシンとデスティニーガンダムの敗退の描写が一層、主人公としての立場をなくしてしまった事が一番の要因である。TV放送時から番組構成に問題が取り上げられたのだが、その割を食ったのがシンである事は異論はないだろう。
35行目: 36行目:  
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の監督、福田己津央氏によれば「キラ、アスラン、シン」の主人公3者でストーリーを動かしたかったのだが、先に述べた通りシンの主人公としての扱い、[[デスティニーガンダム|デスティニー]]と[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]を両者、主役扱いしたいスポンサー・バンダイの販売に対する思惑等から、主人公が上手く機能しなかった事が上げられる。スペシャルエディションではシンとキラにソフトに接せるアスランが主人公として機能したのも、シンとキラとの主人公の格差の是非を取り上げたかったのでないかと考えられる。
 
「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の監督、福田己津央氏によれば「キラ、アスラン、シン」の主人公3者でストーリーを動かしたかったのだが、先に述べた通りシンの主人公としての扱い、[[デスティニーガンダム|デスティニー]]と[[ストライクフリーダムガンダム|ストライクフリーダム]]を両者、主役扱いしたいスポンサー・バンダイの販売に対する思惑等から、主人公が上手く機能しなかった事が上げられる。スペシャルエディションではシンとキラにソフトに接せるアスランが主人公として機能したのも、シンとキラとの主人公の格差の是非を取り上げたかったのでないかと考えられる。
   −
放送当時、シンの担当声優の鈴村氏はキラやアスランら、シンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラ(アスラン)の言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか、「シンの事が嫌いなら嫌いでいいです。でも、キラやアスランの敵だから嫌いって思ってほしくないです(意訳)」と言っており、シンは嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、キラやアスランの敵だからという理由で嫌われる事に疑念を感じていた様子が見られる。
+
放送当時、シンの担当声優の鈴村氏はキラやアスランら、シンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラ(アスラン)の言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか、「シンの事が嫌いなら嫌いでいいです。でも、キラやアスランの敵だから嫌いって思ってほしくないです(意訳)」と言っており、シンは嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、キラやアスランの敵だからという理由で嫌われる事に疑念を感じていた様子が見られる。言い換えれば、そうした主役を活かすための「敵役」としても描かれていなかった、ということでもある。
    
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
251

回編集