6,242
回編集
差分
ページの作成:「== DUST計画(DUST Project) == 『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』で実行されたコロニーの地球降下計画。 事の発端は、…」
== DUST計画(DUST Project) ==
『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]』で実行されたコロニーの地球降下計画。
事の発端は、[[賛美歌の国]]が[[サイド1]]の[[スペースコロニー]]「ネオ・1バンチ」の攻撃予告に始まる。賛美歌の国の盟主である[[エバンス・ジルベスター|首切り王]]は100日後の戦闘開始を宣言し、対する[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]は[[キュクロープス]]がその防衛戦に当たる事になった。しかし、キュクロープスを指揮する[[アーノルド・ジルベスター]]はその戦闘を利用してネオ・1バンチに集まった難民の口減らしを画策。この事実を知った[[アッシュ・キング]]は、コロニーに住む9000万人の住民を救うべく思索を尽くし、'''戦闘中にコロニーごと戦域を離脱し、地球を大気圏に降下させる'''という計画を打ち出した。同計画はコロニーの首脳陣を説得する形で実行に移され、[[レオ・オーフォム]]の発案によって同計画は「DUST計画」と名付けられた<ref>これはレオが首切り王に「どれほどの理想も命も強大な力の前にはただの塵に過ぎぬのだ」と笑った事に対する反抗の意味がある。</ref>。
スペースコロニーそのものを質量弾として用いる[[コロニー落とし]]とは違い、DUST計画はコロニーをそこに住む住民ごと地上へ「降ろす」必要があり、それにはコロニー落とし以上に複雑かつ、綿密なプロセスが必要となる。
まず、一般的にコロニー落としはコロニーを加速させる為に大気圏突入の際にコロニーを縦向きに降下させるが、DUST計画では空気抵抗によってコロニーを減速させる為に横向きにして大気圏突入を行う事になる。この際、地球の大気の圧力を受けてコロニー自体が高速回転する事になるが、その回転から住民を保護する為にコロニー内側のブロックを外壁から切り離し独立させ<ref>これは居住区3層、対放射線用スペース1層からなる多層構造を採用したネオ・1バンチコロニーだからこそ短期間での改修が可能となっていた。</ref>、更にコロニーの構造物がクッション状の素材が活用されている事を利用して住民達にコロニー降下時の対ショック訓練を徹底させる事で極力安全に地球へ降下する事を画策。更に大気圏突入時にコロニー第1層内の空気を抜き軽量化。その上で複数の[[ミノフスキードライブ]]搭載機を展開し、それらから発せられる光の翼で発生させた揚力場の内側にコロニーを乗せ、コロニーを地球の大気そのものに支えさせる事とした。
上記のアッシュの案は実行までにネオ・1バンチ側によってブラッシュアップが行われており、コロニーの居住区の大地となるエアチューブに意図的に圧力の高い部分と低い部分を作り、人為的にコロニー内に上下を作る事で居住区そのものが回転するという問題点は解消された。
計画そのものは秘密裏に行われ、コロニーの人口の流出がキュクロープスに監視されている為、人口の流出も最低限に抑えられた上で97日で下準備を完了させ、キュクロープスと賛美歌の国の戦闘が開始された直後にコロニーに直結された資源衛星を核爆破。その反動を利用してコロニーごと逃走。以降、コロニーは「方舟（アーク）号」と呼称され、撤退戦を展開する事になる。
方舟側は戦場から逃走するのと同時に計画の安全性と正当性を主張する目的で全貌を全世界に向けて公表・配信を行うが、キュクロープスは地球連邦の面目を保つ名目でコロニーを攻撃。方舟側も保有戦力もこれを迎撃し、賛美歌の国の残存戦力の介入というイレギュラーこそあったものの、大気圏突入寸前まで戦闘が継続されたが、キュクロープス側の作戦参謀である[[フォント・ボー]]がコロニーの降下に協力した事で、コロニーはキャリフォルニア湾へと「着陸」。着地と同時にコロニーの底にあたる部分に穴をあける事で大量の海水混じりの土砂をコロニー内に誘導する事によって、コロニーを大地へと固定した。
なお、コロニーが地球へ及ぼす環境は凄まじいものであり、大気圏突入時の上昇気流が積乱雲の急成長を促し、コロニーは巨大な暗雲を纏ったように降下。また、着陸時にコロニー内に混入した海水は真空状態だった外壁との間で減圧され水蒸気となり、高度2000メートル付近で放出、それが更なる積乱雲を生み出し、コロニーの周囲に3日に渡る暴風雨をもたらした。当然、コロニーが地球に着陸するという事は地球に巨大な山脈が唐突に現れるようなものであり、気流の変化による気象変動の問題も残されている。これに対して、アッシュはコロニーの外壁を解体し、時間をかけてゆっくりと中の空気を抜く事でコロニーを解体する事を提案している。
== 登場作品 ==
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]
:初出作品。第36話でその計画が提唱され、そこから最終話にかけて同計画の顛末が描かれた。なお、物語はコロニーが地球に降下した所で終了しており、その後のコロニー解体作業については語られていない。
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダムX11]]
:木星圏で[[カーティス・ロスコ]]が同計画の詳細を知り、その成否に関わらず発生する多大な政治的・経済的混乱が発生するであろう事を予測。その隙を伺う木星タカ派勢力の撲滅の為に行動を起こした。
== 関連用語 ==
;[[コロニー落とし]]
:DUST計画の母体となった、コロニーを質量弾として用いる軍事作戦。DUST計画も、失敗すればこれに繋がる可能性もあり、[[タルス・バンス]]は成功率が50パーセントを切った場合はコロニー自体を自爆させる算段であった。
== リンク ==
*[[小辞典]]
*[[資料]]
*[[計画]]
== 脚注 ==
<references />
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
{{DEFAULTSORT:DUSTけいかく}}
[[Category:機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]
[[Category:計画]]
『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]』で実行されたコロニーの地球降下計画。
事の発端は、[[賛美歌の国]]が[[サイド1]]の[[スペースコロニー]]「ネオ・1バンチ」の攻撃予告に始まる。賛美歌の国の盟主である[[エバンス・ジルベスター|首切り王]]は100日後の戦闘開始を宣言し、対する[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]は[[キュクロープス]]がその防衛戦に当たる事になった。しかし、キュクロープスを指揮する[[アーノルド・ジルベスター]]はその戦闘を利用してネオ・1バンチに集まった難民の口減らしを画策。この事実を知った[[アッシュ・キング]]は、コロニーに住む9000万人の住民を救うべく思索を尽くし、'''戦闘中にコロニーごと戦域を離脱し、地球を大気圏に降下させる'''という計画を打ち出した。同計画はコロニーの首脳陣を説得する形で実行に移され、[[レオ・オーフォム]]の発案によって同計画は「DUST計画」と名付けられた<ref>これはレオが首切り王に「どれほどの理想も命も強大な力の前にはただの塵に過ぎぬのだ」と笑った事に対する反抗の意味がある。</ref>。
スペースコロニーそのものを質量弾として用いる[[コロニー落とし]]とは違い、DUST計画はコロニーをそこに住む住民ごと地上へ「降ろす」必要があり、それにはコロニー落とし以上に複雑かつ、綿密なプロセスが必要となる。
まず、一般的にコロニー落としはコロニーを加速させる為に大気圏突入の際にコロニーを縦向きに降下させるが、DUST計画では空気抵抗によってコロニーを減速させる為に横向きにして大気圏突入を行う事になる。この際、地球の大気の圧力を受けてコロニー自体が高速回転する事になるが、その回転から住民を保護する為にコロニー内側のブロックを外壁から切り離し独立させ<ref>これは居住区3層、対放射線用スペース1層からなる多層構造を採用したネオ・1バンチコロニーだからこそ短期間での改修が可能となっていた。</ref>、更にコロニーの構造物がクッション状の素材が活用されている事を利用して住民達にコロニー降下時の対ショック訓練を徹底させる事で極力安全に地球へ降下する事を画策。更に大気圏突入時にコロニー第1層内の空気を抜き軽量化。その上で複数の[[ミノフスキードライブ]]搭載機を展開し、それらから発せられる光の翼で発生させた揚力場の内側にコロニーを乗せ、コロニーを地球の大気そのものに支えさせる事とした。
上記のアッシュの案は実行までにネオ・1バンチ側によってブラッシュアップが行われており、コロニーの居住区の大地となるエアチューブに意図的に圧力の高い部分と低い部分を作り、人為的にコロニー内に上下を作る事で居住区そのものが回転するという問題点は解消された。
計画そのものは秘密裏に行われ、コロニーの人口の流出がキュクロープスに監視されている為、人口の流出も最低限に抑えられた上で97日で下準備を完了させ、キュクロープスと賛美歌の国の戦闘が開始された直後にコロニーに直結された資源衛星を核爆破。その反動を利用してコロニーごと逃走。以降、コロニーは「方舟（アーク）号」と呼称され、撤退戦を展開する事になる。
方舟側は戦場から逃走するのと同時に計画の安全性と正当性を主張する目的で全貌を全世界に向けて公表・配信を行うが、キュクロープスは地球連邦の面目を保つ名目でコロニーを攻撃。方舟側も保有戦力もこれを迎撃し、賛美歌の国の残存戦力の介入というイレギュラーこそあったものの、大気圏突入寸前まで戦闘が継続されたが、キュクロープス側の作戦参謀である[[フォント・ボー]]がコロニーの降下に協力した事で、コロニーはキャリフォルニア湾へと「着陸」。着地と同時にコロニーの底にあたる部分に穴をあける事で大量の海水混じりの土砂をコロニー内に誘導する事によって、コロニーを大地へと固定した。
なお、コロニーが地球へ及ぼす環境は凄まじいものであり、大気圏突入時の上昇気流が積乱雲の急成長を促し、コロニーは巨大な暗雲を纏ったように降下。また、着陸時にコロニー内に混入した海水は真空状態だった外壁との間で減圧され水蒸気となり、高度2000メートル付近で放出、それが更なる積乱雲を生み出し、コロニーの周囲に3日に渡る暴風雨をもたらした。当然、コロニーが地球に着陸するという事は地球に巨大な山脈が唐突に現れるようなものであり、気流の変化による気象変動の問題も残されている。これに対して、アッシュはコロニーの外壁を解体し、時間をかけてゆっくりと中の空気を抜く事でコロニーを解体する事を提案している。
== 登場作品 ==
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]
:初出作品。第36話でその計画が提唱され、そこから最終話にかけて同計画の顛末が描かれた。なお、物語はコロニーが地球に降下した所で終了しており、その後のコロニー解体作業については語られていない。
;[[機動戦士クロスボーン・ガンダムX11]]
:木星圏で[[カーティス・ロスコ]]が同計画の詳細を知り、その成否に関わらず発生する多大な政治的・経済的混乱が発生するであろう事を予測。その隙を伺う木星タカ派勢力の撲滅の為に行動を起こした。
== 関連用語 ==
;[[コロニー落とし]]
:DUST計画の母体となった、コロニーを質量弾として用いる軍事作戦。DUST計画も、失敗すればこれに繋がる可能性もあり、[[タルス・バンス]]は成功率が50パーセントを切った場合はコロニー自体を自爆させる算段であった。
== リンク ==
*[[小辞典]]
*[[資料]]
*[[計画]]
== 脚注 ==
<references />
<!-- 本文には<ref>内容</ref>のかたちで挿入してください。 -->
{{DEFAULTSORT:DUSTけいかく}}
[[Category:機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST]]
[[Category:計画]]