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[[サナリィ]]はフォーミュラ計画の一環としてF8シリーズを汎用量産機と位置づけ、積極的に売り込みを行ったが、[[キャノンガンダム]]が高性能ではあっても量産に適さない機体であったことから、安全保障会議から量産の承認は得られずにいた。そんな折、[[宇宙世紀]]0115年12月2日に発生した[[ファステスト・フォーミュラ]]と[[エグム]]の[[MSA-120|MSA-0120]]の交戦は、敵性勢力がATMS級の戦力を手に入れた場合何をもたらすかの雄弁なシミュレートとして安全保障会議に衝撃をもたらし、これを受けて委員の1人であった[[ハウゼリー・ロナ]]がかねてより主張していた軍改革の一環として、ジェガンの後継機を策定するRGM-X計画を発動。その手始めとして、凍結されていたF80の試験生産が承認された。
 
[[サナリィ]]はフォーミュラ計画の一環としてF8シリーズを汎用量産機と位置づけ、積極的に売り込みを行ったが、[[キャノンガンダム]]が高性能ではあっても量産に適さない機体であったことから、安全保障会議から量産の承認は得られずにいた。そんな折、[[宇宙世紀]]0115年12月2日に発生した[[ファステスト・フォーミュラ]]と[[エグム]]の[[MSA-120|MSA-0120]]の交戦は、敵性勢力がATMS級の戦力を手に入れた場合何をもたらすかの雄弁なシミュレートとして安全保障会議に衝撃をもたらし、これを受けて委員の1人であった[[ハウゼリー・ロナ]]がかねてより主張していた軍改革の一環として、ジェガンの後継機を策定するRGM-X計画を発動。その手始めとして、凍結されていたF80の試験生産が承認された。
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当初、F80はF90から疑似人格AIとハードポイント・システムを排除し、高性能を徹底的に追求した汎用型МSとして開発されていた。だが、キャノンガンダムの量産計画の頓挫から、F80計画に妥協、あるいは生産性と稼働率の向上が要求され、当初案からの変更を余儀なくされる。
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当初、F80はF90から疑似人格AIとハードポイント・システムを排除し、高性能を徹底的に追求した汎用型МSとして開発されていた。だが、キャノンガンダムの量産計画の頓挫から、F80計画に妥協、あるいは生産性と稼働率の向上を要求されることになり、[[ムーバブルフレーム]]の基礎設計こそキャノンガンダムのものを流用しているものの、コンピュータ及びアビオニクスは[[Gキャノン]]と同等の部材に変更され、装甲もマイクロハニカム装甲から通常のガンダリウム・セラミック複合材に変更<ref>ただし、フレームは引き続きマイクロハニカム構造を採用している。</ref>。キャノンガンダム量産時に稼働率の低さを指摘されていた各種の革新的機構も廃され、ヘビーガン、Gキャノンとのパーツ共有性が高められている。
 
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F80は[[ムーバブルフレーム]]の基礎設計こそキャノンガンダムのものを流用しているが、コンピュータ及びアビオニクスは[[Gキャノン]]と同等の部材に変更されている。また、装甲材は高価かつ軽量なマイクロハニカム装甲は廃され、通常のガンダリウム・セラミック複合材に変更<ref>ただし、フレームは引き続きマイクロハニカム構造を採用している。</ref>。キャノンガンダム量産時に稼働率の低さを指摘されていた各種の革新的機構も廃され、ヘビーガン、Gキャノンとのパーツ共有性が高められている。
      
ジェネレーターも、当初はGキャノンと同型のAE/MG-3200J(出力3,350kw)が搭載されていたが、試験運用で出力不足が指摘された結果、ブロック20以降の制式量産型ではキャノンガンダム用の主機を[[ツィマット社]]が改修したTi-103"シリウス"(出力3,850kw)に変更された。
 
ジェネレーターも、当初はGキャノンと同型のAE/MG-3200J(出力3,350kw)が搭載されていたが、試験運用で出力不足が指摘された結果、ブロック20以降の制式量産型ではキャノンガンダム用の主機を[[ツィマット社]]が改修したTi-103"シリウス"(出力3,850kw)に変更された。
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重量増による運動性低下、部材のコストダウンによる反応速度の悪化により、F80はF90のような極限まで軽量化された超高性能機にはならず、近接格闘性能についてはF90に水を開けられている。だが、F80はF90の実働データのフィードバックを受け、F90用に開発されたほぼ全てのミッションパック搭載を可能とするアドバンテージを得ていた<ref>ミッションパックの高性能はサナリィにとっても予想外のものであり、計画変更して導入する理由としては十分過ぎた。</ref>。Gキャノンや[[ハーディガン]]などにもハードポイントは搭載されているが、F90と同等のハードポイントを完全な形で搭載したのはF80が初となり、これによってF90と同等の全領域作戦能力を獲得 また、バックパックはキャノンガンダムと同等のものが搭載され、オプションとして3連マシンキャノン、150mm高速砲、ビーム・キャノンのいずれか一門、または二門を搭載可能であった。ただし、コスト及び運用の問題からホロ・キューブ系大処理容量コンピュータは搭載されておらず、在来型のシステムが採用されたことから、装備換装後はシステムの書き換えを必要とし、即時の野戦換装は困難となった<ref>それでも平均の書き換え時間は26分に留まっており、実戦レベルでは即時と呼んで差し支えない。</ref>。
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これら仕様変更の結果、重量増による運動性低下、部材のコストダウンによる反応速度の悪化を招き、F80はF90のような極限まで軽量化された超高性能機にはならず、近接格闘性能についてはF90に水を開けられている。だが、F80はF90の実働データのフィードバックを受け、F90用に開発されたほぼ全てのミッションパック搭載を可能とするアドバンテージを得ていた<ref>ミッションパックの高性能はサナリィにとっても予想外のものであり、計画変更して導入する理由としては十分過ぎた。</ref>。Gキャノンや[[ハーディガン]]などにもハードポイントは搭載されているが、F90と同等のハードポイントを完全な形で搭載したのはF80が初となり、これによってF90と同等の全領域作戦能力を獲得 また、バックパックはキャノンガンダムと同等のものが搭載され、オプションとして3連マシンキャノン、150mm高速砲、ビーム・キャノンのいずれか一門、または二門を搭載可能であった。ただし、コスト及び運用の問題からホロ・キューブ系大処理容量コンピュータは搭載されておらず、在来型のシステムが採用されたことから、装備換装後はシステムの書き換えを必要とし、即時の野戦換装は困難となった<ref>それでも平均の書き換え時間は26分に留まっており、実戦レベルでは即時と呼んで差し支えない。</ref>。
    
設計は[[サナリィ]]・ナムスド研が担当し、生産は[[グリプス|グリプスI]]工廠及び[[サイド3]]の[[ツィマット社]]が担当。[[宇宙世紀]]0116年8月に量産試験型18機が教導団による試験運用が行われた。しかし、コストと出力バランス、そしてハウゼリー・ロナの暗殺の影響が重なり、F80はRGM-X計画の選定に漏れ、[[プロト・ジェムズガン]]が採用される形となる。それでも、F80の高性能は現場から支持されており、[[エコーズ]]など特殊部隊や海兵隊向けに少数生産されることが決定。その後も、各コロニー自治体や[[コロニー公社]]などに近代化改修の上で納入されている他、[[第一次オールズモビル戦役]]において、ジュピター・サナリィが技術試験用に生産した機体を[[ダンシネイン]]が運用したことが明らかになっている。
 
設計は[[サナリィ]]・ナムスド研が担当し、生産は[[グリプス|グリプスI]]工廠及び[[サイド3]]の[[ツィマット社]]が担当。[[宇宙世紀]]0116年8月に量産試験型18機が教導団による試験運用が行われた。しかし、コストと出力バランス、そしてハウゼリー・ロナの暗殺の影響が重なり、F80はRGM-X計画の選定に漏れ、[[プロト・ジェムズガン]]が採用される形となる。それでも、F80の高性能は現場から支持されており、[[エコーズ]]など特殊部隊や海兵隊向けに少数生産されることが決定。その後も、各コロニー自治体や[[コロニー公社]]などに近代化改修の上で納入されている他、[[第一次オールズモビル戦役]]において、ジュピター・サナリィが技術試験用に生産した機体を[[ダンシネイン]]が運用したことが明らかになっている。
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