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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[ガンダム]]の機体設計データを基に開発された[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]初の制式採用[[モビルスーツ]]。機体名称は「ガンダム マスプロダクトタイプ('''G'''UNDAM '''M'''assproduct)」の略<ref>「GUNDAM Model」とする資料もある。</ref>であり、「GM」とも表記される。 | + | [[ガンダム]]の機体設計データを基に開発された[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]初の制式採用[[モビルスーツ]]。機体名称は「ガンダム マスプロダクトタイプ('''G'''UNDAM '''M'''assproduct)」の略<ref>「GUNDAM Model」とする資料もある。</ref>であり、「GM」とも表記される。装甲は[[ルナ・チタニウム合金]]からチタン系合金に変更し生産性を向上させているが、その一方で堅牢性は犠牲になっている。 |
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− | ガンダムの量産型として生産性・整備性を重視して再設計されており、[[コアブロックシステム]]など試作機故の特殊機構はオミットされている。頭部は頭頂部にメイン・カメラを備えている点こそガンダムと共通だが、額のV字アンテナは廃され、ツイン・アイも簡略化したモデルを採用し[[ガンキャノン]]に似たバイザーに覆われている<ref>センサー類は機能を維持したまま小型高密度化されており、ガンダムより秀でた数少ない部分でもある。</ref>。装甲も[[ルナ・チタニウム合金]]からチタン系合金に変更し生産性を向上させているが、その一方で堅牢性は犠牲になっている。
| + | 生産数は地上用の一次生産機が42機、[[キャリフォルニアベース]]を含む6ヶ所の拠点で第二次生産型が終戦までに288機生産されたと言われている<ref>ただし、この生産数に関しては先行量産機やカスタムタイプなどが除外されているという説もあり、ジオン軍による撃墜数との齟齬、ジャブロー襲撃の際のデータ喪失や艦艇単位での部隊の疾走、あるいは遭難などもあった。また、記録外の生産拠点もあったとされ、一年戦争終結次点での総生産数は厳密には不明。</ref>。 |
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| + | ガンダムの量産型として生産性・整備性を重視して再設計されており、脚部やマニピュレーターなどの構造はモニタリング装備やオプションの機動装備などを除きそのままのスペックで建造されているが、ガンダムのような「万能型」ではなく、投入環境に応じて「余分な装備をオミットする」というコンセプトで開発されており、投入する環境を予め選択する事で不要な装備を省き、機体の軽量化とプロペラントの増量が可能となっている。この構造は巧妙にシステム化され、基本的には[[コアブロックシステム]]と同等の中枢ブロックを換装する事で、投入環境を選択出来るようになっていた<ref>コアブロックを覗いた機体部品の共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで地上用と宇宙用の機体を生産する事も可能であったという。</ref>。 |
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| + | 頭部は生産性の向上を第一義とし、基本的にはガンダムの構造を簡略化した結果、極力少ない工程で建造出来るよう設計されている。額のV字アンテナはオミットされ、ツイン・アイも簡略化されているが、頭部がセンサー類の集合体である事に変わりなく、基本構造もほぼ同等で、、光学端末がデュアル構成されるシステムも踏襲されている。また、各種のデバイスやセンサー類は機能を維持したまま小型化され、更に高密度で実装された結果、生産性の向上に寄与している。ただし、データ収集や稼働ソフトの開発に必要だった副次的なコ・プロセッサーフレームとしての機能やモニタリング用装備など、各種のサブシステムは簡略化されている。逆に、近接武装として有効であった頭部バルカン砲は装弾数が増強され、運用目的によって改装が簡便に行えるよう端末の配置などが改善され、カスタム化やチューンナップが容易に行えるよう配慮されている。 |
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| + | コクピットはガンダムの構造を踏襲し、航空/航宙機を基本とした操縦感覚で扱えるよう配慮されており、パイロットの機種転換をスムーズなものとしている。構造はコアブロックを参考に設計しており、ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/打出装置を取り巻く形で配置された結果、[[コア・ファイター]]としての機能が排除された分、ガンダムが腰部に装備していたヘリウムコアやプロペラントタンクなどを内装する事が可能となった。これは本来、量産の効率化を目的とした措置であったが、生産工程や整備手順が簡略化されたため、機体そのものにコ・ジェネレーターなどの追加装備を施すだけで出力のチューンナップや砂漠戦、狙撃任務などに投入するためのカスタム化が比較的容易に施せるようになった。 |
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| 主に数合わせのために本来の設計を一部省略して生産された前期型と、本来の設計に沿って生産された後期型が存在する<ref>更にそれらの中で前期生産型、後期生産型といった細かい分類が存在し、所謂「RGM-79 ジム」は前期型・後期型共に前期生産型に分類され、[[ジム寒冷地仕様]]や[[ジム・コマンド]]などは後期生産型に分類されている。</ref>。前期型は武装の生産も間に合わない状況の中で戦時急造という形を取ったため、ジオンのMSと比較して性能不足を指摘されることが多かった。さらには機体毎に性能のバラつきが生じ、現場からの不満も続出した。後期型は[[ホワイトベース隊]]の実戦データがフィードバックされており、生産ラインに余裕ができた頃に生産されたため、前期型に比べて性能が向上・安定したものになっている。 | | 主に数合わせのために本来の設計を一部省略して生産された前期型と、本来の設計に沿って生産された後期型が存在する<ref>更にそれらの中で前期生産型、後期生産型といった細かい分類が存在し、所謂「RGM-79 ジム」は前期型・後期型共に前期生産型に分類され、[[ジム寒冷地仕様]]や[[ジム・コマンド]]などは後期生産型に分類されている。</ref>。前期型は武装の生産も間に合わない状況の中で戦時急造という形を取ったため、ジオンのMSと比較して性能不足を指摘されることが多かった。さらには機体毎に性能のバラつきが生じ、現場からの不満も続出した。後期型は[[ホワイトベース隊]]の実戦データがフィードバックされており、生産ラインに余裕ができた頃に生産されたため、前期型に比べて性能が向上・安定したものになっている。 |
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| == 装備・機能 == | | == 装備・機能 == |
− | 前述の通り、質より量を優先し生産された本機の性能には、多くの熟練パイロットたちから不満が上がったため、後に開発された[[ジムシリーズ|バリエーション機]]同様、エースパイロットや一部の小隊には武装の選択や個別のチューンアップが許されていた。
| + | === 特殊機能 === |
− | | + | ;コアブロック |
− | 例えば、指揮官向けにカスタマイズされた機体は、ビーム・サーベルを2本装備し、センサー有効範囲の拡大がなされている。
| + | :ガンダムのコアブロックを参考に設計された中枢ブロック。ジェネレーターやコンピューターのメインフレームそのものが制御/脱出装置を取り巻く形で配置され、コア・ファイターとしての機能は持たないが、ヘリウムコアやプロペラントタンクの内装化が可能になった。<br/>外観上ほぼ同型のブロックを換装するだけで宇宙用と地上用どちらかに特化する事が可能となっており、そのブロックを除いた双方の部品共有率は9割以上とされ、一つの生産ラインで宇宙用・地上用双方の機体を生産する事も可能だった。 |
− | | |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
| ;60mm頭部バルカン砲 | | ;60mm頭部バルカン砲 |
− | :ガンダムやガンキャノンと同型の物を、左右に1門ずつ内蔵している。ガンダムに比べて頭部構造が簡素なため、弾倉を拡張し装填数が多い。 | + | :ガンダムやガンキャノンと同型の物を、左右に1門ずつ内蔵している。近接武器として有効であった事に加え、ガンダムから頭部構造が簡素化された結果、装弾数が増量されており、近接射撃および近接戦闘や白兵に主眼を置いた設計に変更されていると見て取れる。 |
| ;ビーム・スプレーガン | | ;ビーム・スプレーガン |
− | :ジムの主兵装として開発されたビーム系携行火器。[[ビーム・ライフル]]と比較して低コストだが収束率が低く射程も短い。ビームはやや拡散気味に発射される為、射程や威力よりも命中率を重視している。威力はビーム・ライフルに劣るものの、連射性の向上に加え、装備そのものがコンパクトな為、接近戦での取り回しに優れた。 | + | :ジムの主兵装として開発されたビーム系携行火器。塗装用のスプレーガンに似ている事から「ビーム・スプレーガン」の名称で呼ばれている。<br/>[[ビーム・ライフル]]と比較して低コストだが収束率が低く射程も短い。ビームはやや拡散気味に発射される為、射程や威力よりも命中率を重視している。威力はビーム・ライフルに劣るものの、連射性の向上に加え、装備そのものがコンパクトな為、接近戦での取り回しに優れた。 |
− | :多くの機体にはマウントラッチが設けられており、一部はマウント時のエネルギーチャージが可能な機体も存在したとされる。 | + | :武装を携行したまま各種作業への投入も可能なよう、マウントラッチが設けてある機体も多く、時間はかかるものの戦闘状態でなければエネルギーチャージが可能な機種も存在したとされる。<br/>ビーム・ライフルの生産が間に合わなかった状況を想定して作られた物だが、一年戦争終結後から実体弾式のジム・ライフルが主力となったため、生産終了となった。 |
− | :名称の由来は外見が塗装用のスプレーガンに似ている事から。
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− | :ビーム・ライフルの生産が間に合わなかった状況を想定して作られた物だが、一年戦争終結後から実体弾式のジム・ライフルが主力となったため、生産終了となった。
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| ;[[ビーム・サーベル]] | | ;[[ビーム・サーベル]] |
| :ガンダムが装備している物と同型の白兵戦用武器。バックパックの左側に1本装備する。指揮官機は両側に1本ずつの計2本装備している。 | | :ガンダムが装備している物と同型の白兵戦用武器。バックパックの左側に1本装備する。指揮官機は両側に1本ずつの計2本装備している。 |
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| :ルナ・チタニウム合金製とチタン・セラミック複合材製の二種類が存在。連邦軍記章を模した十字エングレーブが付いているタイプはガンダムが装備している物と同じルナ・チタニウム合金製。十字エングレーブが付いていない物にはチタン・セラミック複合材が使われている。 | | :ルナ・チタニウム合金製とチタン・セラミック複合材製の二種類が存在。連邦軍記章を模した十字エングレーブが付いているタイプはガンダムが装備している物と同じルナ・チタニウム合金製。十字エングレーブが付いていない物にはチタン・セラミック複合材が使われている。 |
| ;ハイパー・バズーカ | | ;ハイパー・バズーカ |
− | :300mm口径のMS用単砲身ロケットランチャー。弾速の遅さから対MS戦には向かないが、ビーム撹乱幕散布下や悪天候時にも使用できるので、他の多くのMSに流用されている。バックパック右側に専用のラッチを設けた機体も存在する。 | + | :300mm口径のMS用単砲身ロケットランチャー。弾速の遅さから対MS戦には向かないが、ビーム撹乱幕散布下や悪天候時にも使用できるので、他の多くのMSに流用されている。バックパック右側に専用のラッチを設けた機体も存在する。<br/>[[ジム・キャノン]]の配備が遅れた関係から、通常のジムが支援火器として装備する例もあった。 |
− | :[[ジム・キャノン]]の配備が遅れた関係から、通常のジムが支援火器として装備する例もあった。
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| ;100mmマシンガン | | ;100mmマシンガン |
| :[[陸戦型ジム]]などが携行しているマシンガン。ハイパー・バズーカと同じく、ビーム撹乱幕や天候、大気の状態に左右されない信頼性と安定性から、一部のパイロットや小隊が好んで使う。 | | :[[陸戦型ジム]]などが携行しているマシンガン。ハイパー・バズーカと同じく、ビーム撹乱幕や天候、大気の状態に左右されない信頼性と安定性から、一部のパイロットや小隊が好んで使う。 |
| ;90mmブルパップ・マシンガン | | ;90mmブルパップ・マシンガン |
− | :ブルパップ型のマシンガン。100mmマシンガンと同様に、動作の確実性から一部のパイロットや小隊が好んで使用した。主に『MS IGLOO』に登場する機体などに見られる。 | + | :ブルパップ型のマシンガン。100mmマシンガンと同様に、動作の確実性から一部のパイロットや小隊が好んで使用した。<br/>主に『MS IGLOO』に登場する機体などに見られる。 |
| ;[[ビーム・ライフル]] | | ;[[ビーム・ライフル]] |
− | :ガンダムの物と同じビーム・ライフル。『1st』第29話にて画面に登場するや否や直撃弾で撃墜された機体と、シャア専用ズゴックと交戦した機体が一瞬だけ装備している。 | + | :ガンダムの物と同じビーム・ライフル。<br/>『1st』第29話にて画面に登場するや否や直撃弾で撃墜された機体と、シャア専用ズゴックと交戦した機体が一瞬だけ装備している。 |
| ;ショート・シールド | | ;ショート・シールド |
| :[[陸戦型ガンダム]]等が使用する物と同型の小型シールド。通常のシールド(ラージ・シールド)と比較して取り回しを重視しており、先端部での打突攻撃も可能。 | | :[[陸戦型ガンダム]]等が使用する物と同型の小型シールド。通常のシールド(ラージ・シールド)と比較して取り回しを重視しており、先端部での打突攻撃も可能。 |