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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の量産型[[モビルスーツ]]「[[ドム]]」を宇宙戦仕様として改修した機体。ドムに搭載されていた[[熱核ジェットエンジン]]を[[熱核ロケットエンジン]]へと換装し、加えて腰部・脚部には各3基のスラスターノズルを設置。また熱核反応炉の地上運用時用の空冷装置を設置していた腕部・大腿部・脛部の各部をプロペラントスペースとして用いるなど、宇宙戦を想定して各部が再設計されている。
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[[ツィマッド社]]が開発した[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の量産型[[モビルスーツ]]「[[ドム]]」を宇宙戦仕様として改修した機体。
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[[ザクII]]に代わる次期主力機が完成するまでの間のつなぎとして[[高機動型ザクII]]とのトライアルを経て登用された。しかし、戦局の悪化や次世代の主戦力機として開発された[[ゲルググ]]の配備が遅れた事もあり、[[一年戦争]]末期には暫定的にではあるが宇宙での主戦力として相当数が生産され、活躍する事になった。
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当時、公国軍内において次期主力空間戦闘用MSとして提出されていたプランは大きくわけて2つあり、[[ザクII|ザク]]の最新型である[[高機動型ザクII (R-2型)|06R-2]]プランと、新設計の[[ゲルググ|MS-11]]が存在していた。しかし、[[地球連邦軍 (UC)|連邦軍]]の[[ガンダム]]出現により軍の要望として「ビーム兵器を運用可能なMS」という新たな要素が加わり、MS-11計画はMS-14計画へスライドする。ところが、MSが運用可能なビーム兵器開発の目処が立たず、次期主力MSの開発スケジュールは先送りされ、その隙間を埋めるため、生産性の高い空間戦闘用MSの量産が決定。こうして、本来陸戦用の機体として開発されたドムを空間戦闘仕様にしたリック・ドムが誕生する<ref>なお、ドムを空間戦闘用に改装するプランはその本格量産よりも一ヶ月前に立案されていたとする説もあり、軍主導で行われていたメーカー間の極秘コラボレーションとされる。</ref>。リック・ドムは戦局の悪化やゲルググの配備が遅れた事もあり、[[一年戦争]]末期には暫定的にではあるが宇宙での主戦力として相当数が生産され、活躍する事になった。
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リック・ドムは機体スペースの多くを占めていた地上での稼働に必要な各種の装備を空間戦闘用の装備と換装しており、それに伴う設計変更も微々たるもので、基本フレームにはほとんど手は加えられていない。加えて、Dタイプ以外のドム系の機体は[[グラナダ]]やジオン本国などに開発拠点を持ち、軌道上に展開する部隊への配備や生産ラインをそのまま振り分ける事が容易であった。
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外見からはほとんど判別出来ないが、ドムとリック・ドムの最も大きな違いは脚部構造に集約されており、ドムでは推進用のスラスターや[[熱核ジェットエンジン]]及びそのインテークなども装甲内に装備されていたが、宇宙用装備に換装される際、足下のホバーユニットはブロックごと大口径の[[熱核ロケットエンジン]]へと換装された。加えて、主にインテーク周りの吸気機構や防塵装備のほとんどが不要になったため、代わりに大容量のプロペラントタンクなどが装備されている。また、大腿部の構造も重力下稼働を補償するための補助動力装備が実装されていたが、ブロックごと推進剤のリザーブ装備などに換装されている。
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ドムのボディブロックの構造は、改装が不要なブロックは既成のユニットをそのまま仕様でき、宇宙用装備への換装が容易となっっていた。リック・ドムの量産に伴い、スカートアーマーは大型化され、下半身ユニットそのものが全体として一つの集約型バーニアとして機能する事で、圧倒的な機動性を機体に与えていた<ref>「スカート付き」の異名もこれに由来する。</ref>。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;ジャイアント・バズ
 
;ジャイアント・バズ
:ドムから転用された大口径の実体弾兵器。ヒート・サーベルと並んで、本機を代表する武装の1つ。
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:ドムから転用された大口径の実体弾兵器。一年戦争で使用されたMSの携行用火器としては最大級の武装。ヒート・サーベルと並んで、本機を代表する武装の1つ。
 
;ヒート・サーベル
 
;ヒート・サーベル
:近接白兵戦に用いられる加熱式の実体剣。非使用時は背部にマウントされる。
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:近接白兵戦に用いられる加熱式の実体剣。サーベル部分が白熱化し、敵の機体を溶断する。発熱デバイスは高効率でエネルギーを熱に変えるが、消耗が激しいため基本的に使い捨て。非使用時は背部にマウントされる。
 
;拡散ビーム砲
 
;拡散ビーム砲
 
:胸部に装備された内蔵式ビーム砲。地上と同様に目眩ましにしか用いられないが、[[ビーム・サーベル]]の[[Iフィールド]]を崩壊させ、一時的に使用不能にする効果がある。眩惑についても、太陽光以外に高い光量の光源が存在しない宇宙空間では地上以上に有効と言われている。
 
:胸部に装備された内蔵式ビーム砲。地上と同様に目眩ましにしか用いられないが、[[ビーム・サーベル]]の[[Iフィールド]]を崩壊させ、一時的に使用不能にする効果がある。眩惑についても、太陽光以外に高い光量の光源が存在しない宇宙空間では地上以上に有効と言われている。
 
;[[ザク・マシンガン]]
 
;[[ザク・マシンガン]]
:[[ザクII]]等が用いるドラムマガジン式の120mmマシンガン。『1st』作中で一部の機体が装備しているのが確認できる。
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:[[ザクII]]等が用いるドラムマガジン式の120mmマシンガン。<br/>『1st』作中で一部の機体が装備しているのが確認できる。
 
;ビーム・バズーカ
 
;ビーム・バズーカ
:機体の全長を上回る長さの銃身を持つ大出力のビーム兵装。エネルギーチャージに時間が掛かるなど試験的装備。
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:機体の全長を上回る長さの銃身を持つ大出力のビーム兵装。主に[[ドズル・ザビ]]麾下のリック・ドム部隊において試験的に運用されたと言われている。<br/>メガ粒子の縮退に連邦の[[エネルギーCAP]]とは異なる手法を用いている。連邦系MSやゲルググのビーム兵器の数倍の破壊力を発揮するが、エネルギーチャージに時間がかかる上、携行中の暴発事故なども多発したため、量産には至っていない。<br/>『[[機動戦士ガンダム (小説版)|小説版1st]]』で使用し、後に[[ガンプラ]](MG)化した際、新たにデザイン・設定が用意された。
:『[[機動戦士ガンダム (小説版)|小説版1st]]』で使用し、後に[[ガンプラ]](MG)化した際、新たにデザイン・設定が用意された。
   
;[[ビーム・サーベル]]
 
;[[ビーム・サーベル]]
 
:『小説版1st』ではヒート・サーベルではなくこちらを装備している。ジオン軍が開発した試作ビーム兵器の1つで、連邦軍の物に比べ収束率が低く、刀身が太めの形状になっている。
 
:『小説版1st』ではヒート・サーベルではなくこちらを装備している。ジオン軍が開発した試作ビーム兵器の1つで、連邦軍の物に比べ収束率が低く、刀身が太めの形状になっている。
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