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『サビニの女達の略奪』は宗教的・芸術的に非常に高度な題材とされ、詳しい発端や顛末は他に譲るとして、主に登場人物の思惑が複雑に絡み合った物語を表現したものと言われている。
 
『サビニの女達の略奪』は宗教的・芸術的に非常に高度な題材とされ、詳しい発端や顛末は他に譲るとして、主に登場人物の思惑が複雑に絡み合った物語を表現したものと言われている。
 
ジャンボローニャの像と異なっている点は次の通り
 
ジャンボローニャの像と異なっている点は次の通り
:・像は登場人物が3名。『組体操』は'''4名'''。
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:・像は登場人物が「略奪される女性」「ローマの男」「組み敷かれた男性」の3名。『組体操』はヨナ・バシュタ、ミシェル・ルオ、ゾルタン・アッカネン、そして「差し伸べられた手」の'''4名'''。
 
:・'''『略奪される女性』'''<br>女性はローマの男に抱き上げられるようにされており、体をねじりながら下方の男性に視線を向けている。左手を虚空に伸ばし、体をよじって逃れようとしている。対してヨナは右手を『差し伸べられた手』にまっすぐ伸ばし、左手でミシェルの左腕に掴まっている。また、本来はローマの男の「組み敷かれた男性を両足で挟む姿」はヨナになっている。
 
:・'''『略奪される女性』'''<br>女性はローマの男に抱き上げられるようにされており、体をねじりながら下方の男性に視線を向けている。左手を虚空に伸ばし、体をよじって逃れようとしている。対してヨナは右手を『差し伸べられた手』にまっすぐ伸ばし、左手でミシェルの左腕に掴まっている。また、本来はローマの男の「組み敷かれた男性を両足で挟む姿」はヨナになっている。
 
:・'''『ローマの男』'''<br>ローマの男は男性を股ぐらに挟み込み、女性を抱き上げて見つめている。対してミシェルは女性役であるヨナの腰に右腕を回し、左腕でヨナの左肩を掴んで崩れた肩車のように持ち上げようとしている。
 
:・'''『ローマの男』'''<br>ローマの男は男性を股ぐらに挟み込み、女性を抱き上げて見つめている。対してミシェルは女性役であるヨナの腰に右腕を回し、左腕でヨナの左肩を掴んで崩れた肩車のように持ち上げようとしている。
:・'''『組み敷かれた男性』'''<br>男性は胴をローマの男の両足に挟み込まれ、抱きかかえられた女性を見上げ、視線を拒むかのように手で遮っている。対してゾルタンは女性役であるヨナに動体を挟まれ、しかし体を捻ってヨナから逃れようとあがいている。
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:・'''『組み敷かれた男性』'''<br>男性は胴をローマの男の両足に挟み込まれ、抱きかかえられた女性を見上げ、視線を拒むかのように手で遮っている。対してゾルタンは女性役であるヨナの足で胴体を挟まれながら、身を捻ってヨナから逃れようとしている。
:・像では3者の視線がローマの男→略奪される女性→組み敷かれた男性とそれぞれが一方通行でつながっている(これが「思惑が複雑に絡み合う」というテーマに合致している)。『組体操』では3人とも『差し伸べられた手』を見上げている。
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:・『'''視線の向き'''』
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:像では3者の視線がローマの男→略奪される女性→組み敷かれた男性とそれぞれが一方通行でつながっている(これが「思惑が複雑に絡み合う」というテーマに合致している)。『組体操』では3人とも『差し伸べられた手』を見上げている。
 
この『組体操』の意図は『NT』の封切り以降、一度も公式の解釈・意図という形では全く語られておらず、今現在もって様々な考察が行われている。その難解さとともに誰もが作品のあり方、ニュータイプのあり方を自由に解釈してもよい、という意図があるのかもしれない。
 
この『組体操』の意図は『NT』の封切り以降、一度も公式の解釈・意図という形では全く語られておらず、今現在もって様々な考察が行われている。その難解さとともに誰もが作品のあり方、ニュータイプのあり方を自由に解釈してもよい、という意図があるのかもしれない。
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
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