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パイロットとしての技量は、エリートとはいえまだ新米ということもあり、アスランやキラ、イザークなど前作から引き続き登場するキャラと比べると劣り、劇中序盤はさしたる戦果を挙げられなかった。しかし中盤に[[S.E.E.D.]]能力が覚醒して以降は目覚ましい成長を遂げる。特に大きな戦果としては、無敵を誇っていたフリーダムをインパルスのドッキングシステムを利用して撃破した事や、[[デストロイガンダム|デストロイ]]との戦闘で素早く反応して格闘戦に持ち込み、単独で3機、レイやルナマリアと協力して1機の計4機を撃破した事などが挙げられる。射撃よりは格闘を好み、万能機である[[デスティニーガンダム|デスティニー]]でも積極的に格闘戦を仕掛けていた。拳銃射撃は日頃からレイと共に訓練しているが、最終的に銃口を向ける相手が居なかったので生かされなかった。
 
パイロットとしての技量は、エリートとはいえまだ新米ということもあり、アスランやキラ、イザークなど前作から引き続き登場するキャラと比べると劣り、劇中序盤はさしたる戦果を挙げられなかった。しかし中盤に[[S.E.E.D.]]能力が覚醒して以降は目覚ましい成長を遂げる。特に大きな戦果としては、無敵を誇っていたフリーダムをインパルスのドッキングシステムを利用して撃破した事や、[[デストロイガンダム|デストロイ]]との戦闘で素早く反応して格闘戦に持ち込み、単独で3機、レイやルナマリアと協力して1機の計4機を撃破した事などが挙げられる。射撃よりは格闘を好み、万能機である[[デスティニーガンダム|デスティニー]]でも積極的に格闘戦を仕掛けていた。拳銃射撃は日頃からレイと共に訓練しているが、最終的に銃口を向ける相手が居なかったので生かされなかった。
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ガンダムシリーズではOVAを除けば最初から軍人である唯一の主人公である。しかし終盤においては、軍人であり続けた事が悲劇に繋がったと言える。また歴代のガンダム主人公達が戦いの中で多くの人間に出会って成長していった事に比べると、彼自身は良き大人との出会いに恵まれず、人間的な成長の描写が乏しかったことが挙げられる
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ガンダムシリーズではOVAを除けば最初から軍人である唯一の主人公である。しかし終盤においては、軍人であり続けた事が悲劇に繋がったと言える。また歴代のガンダム主人公達が戦いの中で多くの人間に出会って成長していった事に比べると、彼自身は良き大人との出会いに恵まれず、人間的な成長の描写が乏しかったことが挙げられる。
    
彼の「主人公」としての扱いは各メディアによって大きく違い、TV版、漫画版、小説版のいずれの作品も最後は敗北という結末を迎えるものの、そこに至るまでの描写や表現が異なっている。
 
彼の「主人公」としての扱いは各メディアによって大きく違い、TV版、漫画版、小説版のいずれの作品も最後は敗北という結末を迎えるものの、そこに至るまでの描写や表現が異なっている。
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TV版では、序盤ではカガリ関連を除けば口や態度がちょっと悪いが仲間思いな少年として描かれていたものの、中盤以降になって過激で物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような演出になったのではないか?」と推察されている。家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。
 
TV版では、序盤ではカガリ関連を除けば口や態度がちょっと悪いが仲間思いな少年として描かれていたものの、中盤以降になって過激で物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような演出になったのではないか?」と推察されている。家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。
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『平成のファーストガンダム』を標榜するSEEDの2作目、つまり機動戦士Zガンダムの主人公カミーユ・ビダンを意識して「非常に感受性が高く繊細な内面」と「他者に内面を見られることを極度に嫌う」という二面性を持ち、優しく複雑な内面と、それを弱みと捉えた未熟さ、弱さを隠すために他者に攻撃的な態度を取ってしまう自己防衛本能といったかたちで踏襲している。それゆえに放映当時では視聴者の共感は多くは得られず、誤解されやすいというキャラクター性をある意味では発揮したといえよう。
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『平成のファーストガンダム』を標榜するSEEDの2作目、つまり機動戦士Zガンダムの主人公カミーユ・ビダンを意識して「非常に感受性が高く繊細な内面」と「他者に内面を見られることを極度に嫌う」という二面性を持ち、優しく複雑な内面と、それを弱みと捉えた未熟さ、弱さを隠すために他者に攻撃的な態度を取ってしまう自己防衛本能といったかたちで踏襲している。それゆえに放映当時では視聴者の共感は多くは得られず、誤解されやすいというキャラクター性をある意味では発揮したといえるかもしれない。もちろん、そのうえでシン・アスカを愛して止まないというファンは数多いことは付記しておく。
    
シンの声優を担当した鈴村氏は、キラやアスランなどのシンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラと対立するから嫌い」「アスランの言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか「シンの人格を理解したうえで彼を嫌ってくれるなら嫌いでいいですし、役者冥利に尽きます。しかし、折角各キャラクターを多面的に見られるアニメという媒体で、デュランダル議長に与するから、キラやアスランの敵だからという'''記号的な理由でシンを嫌う'''のはどうなのでしょうか?(意訳)」との感想を小説版第4巻のあとがきに綴っており、シン自体は嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、その嫌われる理由に対しては問題提起をしていた。
 
シンの声優を担当した鈴村氏は、キラやアスランなどのシンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラと対立するから嫌い」「アスランの言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか「シンの人格を理解したうえで彼を嫌ってくれるなら嫌いでいいですし、役者冥利に尽きます。しかし、折角各キャラクターを多面的に見られるアニメという媒体で、デュランダル議長に与するから、キラやアスランの敵だからという'''記号的な理由でシンを嫌う'''のはどうなのでしょうか?(意訳)」との感想を小説版第4巻のあとがきに綴っており、シン自体は嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、その嫌われる理由に対しては問題提起をしていた。
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=== 家族 ===
 
=== 家族 ===
 
;[[マユ・アスカ]]
 
;[[マユ・アスカ]]
:実妹。シンにとって可愛い妹であったが、オーブで戦闘が行われた際、フリーダムかカラミティの砲撃に巻き込まれて死亡。シンはマユの落とした携帯電話を拾いに行ったために砲撃に巻き込まれずに済んだ。シンは彼女の遺品である携帯電話を大切に保管しており、留守録に吹き込まれたマユの肉声を聞いている描写があった。また『THE EDGE Desire』においては、士官学校の同期にその携帯を見つけられただけでシンがヒステリックな反応を示すシーンがあり、心の傷の深さを改めて読者に訴えかけている。ちなみにマユの担当声優は後にシンと恋仲になるルナマリアと同じ坂本真綾氏。声が似ているというのは付き合ったことには関係ない…はず。
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:実妹。シンにとって可愛い妹であったが、オーブで戦闘が行われた際、フリーダムかカラミティの砲撃に巻き込まれて死亡。シンはマユの落とした携帯電話を拾いに行ったために砲撃に巻き込まれずに済んだ。シンは彼女の遺品である携帯電話を大切に保管しており、留守録に吹き込まれたマユの肉声を聞いている描写があった。また『THE EDGE Desire』においては、士官学校の同期にその携帯を見つけられただけでシンがヒステリックな反応を示すシーンがあり、心の傷の深さを改めて読者に訴えかけている。ちなみにマユの担当声優は後にシンと恋仲になるルナマリアと同じ坂本真綾氏。声が似ているというのは付き合ったことには直接は関係ないと思われるが、福田監督のインタビューで「シンが心を開ける存在であることを視聴者に意識させるためにヒロインと妹に同じキャストを当てた」と語っている。
    
=== ザフト ===
 
=== ザフト ===
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:『THE EDGE』より。月面でアスランに手を差し出された際、それを振り払っての台詞。アスランは「そうか…」とだけ返すしかなかった。<br/>シンは吹っ切れてこそいないものの、その目に強い意志を秘めていた。
 
:『THE EDGE』より。月面でアスランに手を差し出された際、それを振り払っての台詞。アスランは「そうか…」とだけ返すしかなかった。<br/>シンは吹っ切れてこそいないものの、その目に強い意志を秘めていた。
 
;「でも…同じことじゃないか?」<br/>「俺のデスティニーとあの兵器に、結局どんな違いがあるっていうんだ?」
 
;「でも…同じことじゃないか?」<br/>「俺のデスティニーとあの兵器に、結局どんな違いがあるっていうんだ?」
:『THE EDGE Desire』より。議長の手に渡った[[レクイエム]]が地球軍アルザッヘル基地に向けて発射されたことに疑念の声が上がったのを受けて。<br/>ヴィーノに「デスティニーがもし撃たれたら、シンが死ぬだろ!」と返される。いい仲間を持ったな・・・<br/>この時のシンは死んだ魚のような目をしており、精神的に極限状態だったことが覗える。
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:『THE EDGE Desire』より。議長の手に渡った[[レクイエム]]が地球軍アルザッヘル基地に向けて発射されたことに疑念の声が上がったのを受けて。<br/>ヴィーノに「デスティニーがもし撃たれたら、シンが死ぬだろ!」と返される。いい仲間を持ったな…。<br/>この時のシンは死んだ魚のような目をしており、精神的に極限状態だったことが覗える。
 
;「レイの運命は…変わらないのか?」<br/>「議長は、定められた運命を受け入れることが幸せだっていってたけど、レイは…」
 
;「レイの運命は…変わらないのか?」<br/>「議長は、定められた運命を受け入れることが幸せだっていってたけど、レイは…」
 
:『THE EDGE Desire』より。頭ではデスティニープランに納得していてもあえて尋ねたのは、プランを適用しても全く救われない無二の親友のことを考えると心に引っかかるものがあったから。<br/>レイは一瞬だけ虚を突かれた表情を見せるも、「そろそろ出撃だぞ」と言って答えをはぐらかした。そしてレイがメサイアで亡くなったことで、シンがその答えを聞くことは永遠に叶わなくなった。
 
:『THE EDGE Desire』より。頭ではデスティニープランに納得していてもあえて尋ねたのは、プランを適用しても全く救われない無二の親友のことを考えると心に引っかかるものがあったから。<br/>レイは一瞬だけ虚を突かれた表情を見せるも、「そろそろ出撃だぞ」と言って答えをはぐらかした。そしてレイがメサイアで亡くなったことで、シンがその答えを聞くことは永遠に叶わなくなった。
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