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== オデッサ作戦(The Odessa Campaign / Odessa day) ==
 
== オデッサ作戦(The Odessa Campaign / Odessa day) ==
 
[[宇宙世紀]]0079年11月7日から同月9日にかけて敢行された、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]による[[オデッサ]]奪還作戦。作戦指揮は[[レビル]]将軍。「オデッサ・デイ」とも呼称される。
 
[[宇宙世紀]]0079年11月7日から同月9日にかけて敢行された、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]による[[オデッサ]]奪還作戦。作戦指揮は[[レビル]]将軍。「オデッサ・デイ」とも呼称される。
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ジオン公国軍が占拠していた欧州の資源・工業地帯を奪還し、ジオン公国の戦争継続能力を低下させるのが目的であり、攻撃目標は欧州随一の工業地帯を有するオデッサや、膨大な埋蔵量を誇る鉱山基地とされた。また、作戦の実施にあたって連邦軍は地上軍の3割に掃討する大戦力を投入している。
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対するジオン公国軍は、欧州に侵攻する連邦軍を迎撃する方針を採り、[[マ・クベ]]大佐 (少佐)指揮の資源採掘部隊と鉱山防衛部隊、[[ユーリ・ケラーネ]]少将指揮の欧州方面軍、アフリカなどからの増援部隊が布陣を固めた。しかし、[[ガルマ・ザビ]]大佐の死後、地球のジオン公国軍は混乱状態にあった他、[[キシリア・ザビ]]少将直属であり地球方面軍とは命令系統が異なるマ・クベの思惑もあり、組織だった抵抗ができない状態にあった。
    
=== 作戦の推移 ===
 
=== 作戦の推移 ===
連邦軍がヨーロッパ、中東、アフリカ方面の地上・航空戦力を集結させ、[[ジオン軍]]の数倍に相当する戦力を以って11月7日にオデッサ鉱山基地への侵攻を開始する。
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;10月10日 18''':'''00
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:イギリス(グレートブリテン島)のサウスサンプトン基地より、レビル将軍率いる連邦軍第3軍が出撃。ヨーロッパ、中東、アフリカ方面の地上・航空戦力をワルシャワに集結させ、10月15日の作戦開始を目指す。
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;10月11日 02''':'''50
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:第3軍、ドーバー海峡を横断。他部隊も7方面からオデッサに向けて出撃。
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;10月12日
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:連邦軍、ジオン公国軍潜水艦隊に対する牽制のため、オスロより艦艇を南下させる。
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;10月15日
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:オデッサ作戦開始予定日。連邦軍、各部隊が集結地点のワルシャワに到着できず作戦開始が遅延。
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;10月20日
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:連邦軍、集結地点のワルシャワに到着。野戦本部を設置。
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;10月25日
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:作戦の最終確認後、陽動部隊を各地に派遣。
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;11月2日
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:航空部隊を中心とした増援部隊が到着。
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;11月6日
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:公国軍、鉱山基地防衛隊に黒い三連星が合流。
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;11月7日
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:公国軍、牽制のため2個潜水艦隊を北上させる。
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;11月7日 06''':'''00
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:オデッサ作戦開始。ワルシャワから進撃した連邦軍第3軍や地中海経由戦力の本隊がオデッサ西部から、第2・第7軍が北西部から、第4軍が北部から、東南アジア方面からの派遣部隊が西部から侵攻し公国軍欧州方面軍と交戦。黒海東岸・西岸から北岸へと進撃した連邦軍が鉱山基地防衛隊と交戦。[[ジオン軍]]の数倍に相当する戦力を以って、オデッサへの侵攻を開始する。
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:[[ホワイトベース]]は所定の位置に就き、前線支援任務を開始。作戦開始に前後してミデア隊と接触し、[[コア・ブースター]]を技術士官も引き渡されるが、直後にジオン軍の[[黒い三連星]]が襲撃。[[ガンダム]]の活躍により撃破に成功するものの、この戦闘においてミデア隊の[[マチルダ・アジャン]]が戦死する。
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;11月7日 13''':'''40
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:連邦軍第3軍、ジオン軍第1陣の防衛網を突破。公国軍は守備範囲を狭める。
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;11月7日 20''':'''00
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:突出した連邦軍第3軍、公国軍の反撃を受ける。
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;11月8日
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:地形や防衛陣地を利用した公国軍の包囲戦術や、諜報網による連邦軍の作戦情報の把握により、終日、膠着状態が続く。
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[[ホワイトベース]]は所定の位置に就き、前線支援任務を開始。作戦開始に前後してミデア隊と接触し、[[コア・ブースター]]を技術士官も引き渡されるが、直後にジオン軍の[[黒い三連星]]が襲撃。[[ガンダム]]の活躍により撃破に成功するものの、この戦闘においてミデア隊の[[マチルダ・アジャン]]が戦死する。
+
;11月9日 03''':'''35
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:連邦軍、膠着状態を打開すべく総攻撃を開始。[[第44機械化混成連隊 (独立混成第44旅団)|独立混成第44旅団]]、陸上艦隊を中心に[[144高地]][[陸戦型ジム]][[陸戦強襲型ガンタンク]]などを投入し、最終防衛ラインを突破。北方より攻撃を行う連邦軍第4軍、包囲網を突破。膠着状態の打破に成功する。
   −
その後、作戦が終盤に近づいた頃に[[ランバ・ラル隊]]の残党が[[クラウレ・ハモン]]に率いられ、ホワイトベースを襲撃。[[錐の戦法]]による一点突破で撃沈しようとするも作戦は失敗し残党部隊は全滅。この戦闘で[[リュウ・ホセイ]]が戦死する。
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;11月9日 05''':'''00
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:膠着状態の打破を受け、連邦軍が攻勢を強める。
   −
11月9日、3日に及ぶ攻防の末、連邦軍は陸上艦隊を中心に、[[144高地]][[陸戦型ジム]][[陸戦強襲型ガンタンク]]などを投入し、最終防衛ラインを突破。防衛線が寸断された事でオデッサは陥落する。基地司令官の[[マ・クベ]]は陥落直前に宇宙へと脱出し、基地のジオン残存部隊はその後、宇宙や地球各地へと退却し、この戦いの決着によって[[一年戦争]]の主戦場は宇宙へと移りゆく事になった。
+
;11月9日 06''':'''30
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:ホワイトベース隊、鉱山基地後方から突入。
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;11月9日 11''':'''00
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:公国軍、防衛網を縮小。連邦軍第3軍、カルパティア山脈東のキシニョフに到達。
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:作戦が終盤に近づいた頃に[[ランバ・ラル隊]]の残党が[[クラウレ・ハモン]]に率いられ、ホワイトベース隊を襲撃。[[錐の戦法]]による一点突破で撃沈しようとするも作戦は失敗し残党部隊は全滅。この戦闘で[[リュウ・ホセイ]]が戦死する。
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;11月9日 17''':'''00
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:オデッサ陥落。基地司令官の[[マ・クベ]]、オデッサを放棄し、陥落直前に宇宙へと脱出。基地のジオン残存部隊はその後、宇宙や地球各地へと退却し、この戦いの決着によって[[一年戦争]]の主戦場は宇宙へと移りゆく事になった。
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;11月10日 14''':'''00
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:連邦軍、臨戦態勢から警戒態勢へ移行。残敵の掃討を実施。
    
=== 異説について ===
 
=== 異説について ===
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:オデッサ関連のエピソードが大幅にカットされ、ハモン隊の攻撃が黒い三連星戦後に移動。黒い三連星は作戦開始後のホワイトベース隊との初戦で全滅した。作戦自体もホワイトベース隊の戦いの裏でダイジェスト形式に語られる程度に留まった。
 
:オデッサ関連のエピソードが大幅にカットされ、ハモン隊の攻撃が黒い三連星戦後に移動。黒い三連星は作戦開始後のホワイトベース隊との初戦で全滅した。作戦自体もホワイトベース隊の戦いの裏でダイジェスト形式に語られる程度に留まった。
 
;[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]
 
;[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊]]
:第7話にてユーリ・ケラーネがオデッサから脱出する件が描かれ、その際に核兵器<ref>部下には「気化爆弾」と説明している。</ref>を使用し、追撃部隊を退けた。この際、連邦軍の追撃部隊は[[陸戦型ジム]]を運用している。
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:第7話にてユーリ・ケラーネがオデッサから脱出する件が描かれ、その際に核兵器<ref>部下には「気化爆弾」と説明している。</ref>を使用し、追撃部隊を退けた。この際、連邦軍の追撃部隊は[[陸戦型ジム]]を運用している。その後の第8話~第9話でも敗残部隊として[[トップ]]率いるザク部隊や[[ボーン・アブスト]]らのマゼラアタック隊が登場した。
 
;[[機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ]]
 
;[[機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ]]
 
:オデッサ作戦関連のムービーや挿絵に[[ジム]]や陸戦型ジムが登場するなど、連邦軍側でMSが投入された様子が描かれている。
 
:オデッサ作戦関連のムービーや挿絵に[[ジム]]や陸戦型ジムが登場するなど、連邦軍側でMSが投入された様子が描かれている。
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:『一年戦争秘録』第3話でオデッサから脱出した兵士達の乗るHLV救援の為、[[第603技術試験隊]]が派遣される。この際、脱出部隊の中には陸戦用の[[ザクIIJ型]]等でHLVから直接迎撃に当たる部隊もあったが、宇宙戦用装備を廃した陸戦機であった為に、[[ボール]]にも一方的に撃破される姿が描かれている<ref>その姿は作中でも「溺れている」と表現された。</ref>。
 
:『一年戦争秘録』第3話でオデッサから脱出した兵士達の乗るHLV救援の為、[[第603技術試験隊]]が派遣される。この際、脱出部隊の中には陸戦用の[[ザクIIJ型]]等でHLVから直接迎撃に当たる部隊もあったが、宇宙戦用装備を廃した陸戦機であった為に、[[ボール]]にも一方的に撃破される姿が描かれている<ref>その姿は作中でも「溺れている」と表現された。</ref>。
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]]
 
;[[機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]]
:第3話で[[144高地]]での戦闘が描かれ、[[ヘビィ・フォーク級]]や[[陸戦強襲型ガンタンク]]、陸戦型ジム等が戦線に投入されている。公式映像作品では初めてオデッサ戦に連邦軍のMSが投入される様子が描写された作品である。冒頭には[[コア・ファイター]]がカメオ出演するなど、オデッサ戦へのホワイトベース隊の参戦を仄めかす演出が見られる。
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:第3話で[[144高地]]での戦闘が描かれ、[[ヘビィ・フォーク級]]や[[陸戦強襲型ガンタンク]]、陸戦型ジム等が戦線に投入されている。公式映像作品では初めてオデッサ戦に連邦軍のMSが投入される様子が描写された作品である。また冒頭(11月8日の戦闘)では[[コア・ファイター]]2機がカメオ出演するなど、ホワイトベース隊が『1st』で描かれた戦闘シーン以外にも戦闘に参加していた事を仄めかす演出が見られる。
 
;[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]
 
;[[機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]
 
:作戦の発動が[[ジャブロー]]の戦いの後に変更され、これによって地上での最後の決戦として描かれた。
 
:作戦の発動が[[ジャブロー]]の戦いの後に変更され、これによって地上での最後の決戦として描かれた。
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;[[エルラン]]
 
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;[[ジュダック]]
 
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;[[ミケーレ・コレマッタ]]
 
;[[ミケーレ・コレマッタ]]
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[[Category:戦闘・作戦]]
 
[[Category:機動戦士ガンダム]]
 
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[[Category:機動戦士ガンダム MS IGLOO2 重力戦線]]
 
[[Category:機動戦士ガンダム THE ORIGIN]]
 
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[[Category:戦闘・作戦]]