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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の試作型[[モビルスーツ]]。 | + | [[トリントン基地|トリントン湾岸基地]]で立案された技術試験計画によって廃棄予定だった[[バイアラン]]を改修した技術試験機。宇宙世紀0090年代の既存技術のみで滞空能力を向上させる方向で改修されており、最新技術は一切使用されていない。 |
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− | [[トリントン基地|トリントン湾岸基地]]で立案された技術試験計画用の機体で、2機存在している。廃棄予定だった残存の[[バイアラン]]をベースに既存の技術のみで滞空能力を向上させていて、最新技術は一切使用されていない。 | + | [[熱核ジェットエンジン]]の強化と姿勢制御プログラムも調整が行われており、背部には航続距離の増加を目的にプロペラントタンクに接続された増加スラスターが増設され、空中機動の統合的な向上を果たしている。この増加スラスターはサブスラスター的な役割として取り付けられてはいるものの、その推力は既存のMS1機分に相当するとされる。 |
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− | 搭載された熱核ジェット・エンジンは強化され、それに伴って姿勢制御プログラムも調整が加えられている。背部には大型プロペラントタンクと接続させたスラスターが増設され、これはサブスラスター的な役割として取り付けられてはいるものの、その推力は既存のMS1機分に相当するとされる。
| + | 武装面においても、強力な打突質量兵器となる[[ガブスレイ]]の大型クロー・アームユニットに照射率調整による多彩な射撃モードを追加した[[メガ粒子砲]]兼用の[[ビーム・サーベル]]が併設されており、迅速な攻撃行動を可能とするメインウェポンの単独化が図られている。 |
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− | 腕部はベース機の物から[[ガブスレイ]]のクローアームに交換され、踵もバウンド・ドックの物に似た新造パーツに取り替えられている(この為、頭頂高が2m高まった)。頭部センサーユニットもモノアイから複合型のバイザー式に変わっているが、これは連邦本部が計画を承認する為の必須条件として提示してきた為。なお、計画に必要なパーツ等の入手は様々なルートを駆使しては余剰、あるいは廃棄寸前の物を自分達でかき集めてくる、という手段がとられている。
| + | 頭部センサーユニットはモノアイからバイザータイプの複合式に変更されているが、これは連邦本部が計画を承認する際唯一提示してきた条件であった。 |
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− | ちなみに、「旧式や余剰だったり、廃棄するパーツで旧式の機体を既存技術で改修」という時間の無駄といえる計画が通ったのは、その時代のトリントン基地は戦略的な価値が極めて低く、連邦軍から「忘れられた」という言葉がピッタリの基地である所が大きい。それは、軍人が左遷された元ティターンズ兵や軍の無能や厄介者が勤務していたり、十年近く前のMSである[[ジムII]]や[[ネモ]]が主力だったり、挙げ句の果てに[[セイバーフィッシュ]]や[[リジーナ]]等骨董品レベルの物が未だ配備されている所から伺える。基地の軍人達の多くがこの計画に協力しているが、これは立案者であるディエスの計画に対する熱意に感化された事以外に、軍人の多くが基地の警備と[[ジムII・セミストライカー]]等現地改修機の制作以外'''特にやる事もなくて暇だった'''というのもあるようだ。
| + | 特筆すべきは、バイアラン・カスタムの技術試験計画の発案・進行がトリントン基地の限られた人員によって行われている点であり、開発機関からもたらされた最新技術ではなく、様々なルートを駆使して余剰、あるいは廃棄寸前のパーツを調達している。一見すると時間の無駄に思えるこの機体の改修計画が進められたのは、トリントン基地が戦略的価値の低下によって連邦軍からも「忘れ去られた」と形容されているような状況に置かれていた事も関係している。加えて多くの基地スタッフがこの計画に参加しているが、これは計画を立案した[[ディエス・ロビン]]の熱意にスタッフらが感化された以外にもそれ以外に特にやる事も無かったという理由もあった。 |
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− | === 1号機 ===
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− | 増設した背部スラスターのマッチングと改修した各部の検証用の機体。
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− | === 2号機 ===
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− | 「[[バイアラン・カスタム2号機|完全版]]」として完成予定の機体。[[ギャプラン]]のブースターやムーバブル・シールド・バインダー等でスラスターユニットを造り直して空間機動性を安定させ、コクピットブロックを新型の94タイプへ換装するつもりであった。[[ビア・キャトリエム]]と[[ゼフテラ・ベルク]]はそれを知り、本機を前者は「ティターンズ[[MS]]の合成獣(キメラ)」、後者は「麒麟」と称した。現在はせいぜい起動するだけが精一杯で、数回射撃しただけでエラーが発生し歩行すら出来ない状態である。
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| + | 1号機と[[バイアラン・カスタム2号機|2号機]]が建造され、1号機はパーツマッチングを始めとしたマッチング用の機体、2号機は1号機のデータをフィードバックして改修を加えた完成形となる。1号機が[[宇宙世紀]]0096年のジオン残党軍襲撃の際に運用された。 |
| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
| ;[[機動戦士ガンダムUC]](OVA版) | | ;[[機動戦士ガンダムUC]](OVA版) |
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| :パイロットが設定され、1号機に[[ドナ・スター|ディエス・ロビン]]、2号機に[[ビア・キャトリエム]]が搭乗した。1号機の起動試験を行っていたが、ジオン残党軍の攻撃に際して2号機も起動。1号機の出撃を援護する為、格納庫前にいた[[ザク・マリナー]]を攻撃して撃破するが、直後にエラーで機能を停止させた。 | | :パイロットが設定され、1号機に[[ドナ・スター|ディエス・ロビン]]、2号機に[[ビア・キャトリエム]]が搭乗した。1号機の起動試験を行っていたが、ジオン残党軍の攻撃に際して2号機も起動。1号機の出撃を援護する為、格納庫前にいた[[ザク・マリナー]]を攻撃して撃破するが、直後にエラーで機能を停止させた。 |
| ;[[機動戦士ガンダムUC『袖付き』の機付長は詩謳う]] | | ;[[機動戦士ガンダムUC『袖付き』の機付長は詩謳う]] |
− | :「星月と『袖付き』と」及び「『星月』と袖付きと」に1号機と[[バイアラン・カスタム2号機|完成後の2号機]]が登場。[[ドナ・スター|ディエス]]の乗る1号機が2号機の試験飛行の補佐を行っていたが、その途中でジオン残党軍の連邦コードを使った救援要請を受けた為、相手が敵だと知りつつも援護。[[イフリート・シュナイド]]を始めとする連邦軍([[アクアジム]]、[[ジムII]]、[[ネモ]]、[[陸戦型ジム]]、[[ジムIII]]、[[ジム・コマンド]]、[[ジム・カスタム]]等)・ジオン残党([[ザクI]]、[[ザクII]]、[[ザクキャノン]]、[[ゲルググ]]、[[ハイザック]]、[[マラサイ]]、[[バーザム]]、[[アッシマー]]、[[ガルスK]]、[[ザクII改]]、[[ズゴック]]、[[ザク・マリナー]]、[[ハイゴッグ]]等)のMSを奪った海賊達と交戦した。シュナイドがリーダーと側近である[[ザクIII]]と[[グフフライトタイプ]]を倒し戦闘終了後は潜水艦で離脱するジオン残党軍を倒せるチャンスだったのにも関わらず彼らを「無害な海上浮遊物」として見逃している。 | + | :「星月と『袖付き』と」及び「『星月』と袖付きと」に1号機と[[バイアラン・カスタム2号機|完成後の2号機]]が登場。[[ドナ・スター|ディエス]]の乗る1号機が2号機の試験飛行の補佐を行っていたが、その途中でジオン残党軍の連邦コードを使った救援要請を受けた為、相手が敵だと知りつつも援護。[[イフリート・シュナイド]]を始めとする海賊の部隊と交戦した。シュナイドがリーダーと側近である[[ザクIII]]と[[グフフライトタイプ]]を倒し戦闘終了後は潜水艦で離脱するジオン残党軍を倒せるチャンスだったのにも関わらず彼らを「無害な海上浮遊物」として見逃している。 |
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| == 装備・機能 == | | == 装備・機能 == |
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| <!-- :機能名:説明 --> | | <!-- :機能名:説明 --> |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
− | ;メガ粒子砲 | + | ;[[メガ粒子砲]] |
− | :両腕に1門ずつ内蔵。出力は以前より上がっていて、高い速射性も維持している。また出力や収束率の任意変更が可能であり、それによる多様な射撃モードを活かす事で死角となる間合いがなくなっている。 | + | :両腕部に装備されているメガ粒子砲。出力・収束率の切り替えによる多彩な射撃モードにより、全ての間合いにおいて死角のないマルチウェポンとして機能する。 |
− | :;ビームサーベル | + | :;[[ビーム・サーベル]] |
− | ::メガ粒子砲の砲口からビームサーベルを形成可能。 | + | ::メガ粒子砲の砲口からビーム・サーベルを展開可能。 |
− | ;クローアーム | + | ;クロー・アーム |
− | :両腕をクローとして使用可能。また、踵も空中戦の際、クローとして機能する。ちなみにこの踵は[[バウンド・ドック]]のそれと形状がよく似ているが、前述のように新造品なので実際には一切関係はない。 | + | :肘関節部分から新たに生えるように増設されたクロー・アーム。[[バイアラン]]の脚部クロー・アームを一部流用している。対象を挟むだけでなく、高空から地上の敵に対しての打突攻撃にも効果を発揮する。 |
| + | :また、踵にも[[バウンド・ドック]]のそれに似た形状のクローが増設されている。 |
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| == 対決・名場面 == | | == 対決・名場面 == |
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| :2号機。当初は1号機と同じ姿だったが、後に改修が加えられている。 | | :2号機。当初は1号機と同じ姿だったが、後に改修が加えられている。 |
| ;[[バイアラン]] | | ;[[バイアラン]] |
− | :人型のまま、空を制しようとしたMS。本機のベースになった。 | + | :人型のまま空を制しようとしたティターンズ製MS。本機のベースになった。 |
| ;[[ガブスレイ]] | | ;[[ガブスレイ]] |
| :この機体の脚部クローアームが本機の腕に転用されている。 | | :この機体の脚部クローアームが本機の腕に転用されている。 |