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{{登場メカ概要
 
{{登場メカ概要
 
| タイトル = スペック
 
| タイトル = スペック
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| 別名 = ドライグ
 
| 分類 = 試作型[[モビルスーツ]]
 
| 分類 = 試作型[[モビルスーツ]]
 
| 型式番号 = MSA-120<ref>資料によっては「MSA-0120」とも</ref>
 
| 型式番号 = MSA-120<ref>資料によっては「MSA-0120」とも</ref>
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| 全高 =  
 
| 全高 =  
 
| 本体重量 = 17.5t
 
| 本体重量 = 17.5t
| 全備重量 = 54.1t
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| 全備重量 = 54.1t<ref>ミノフスキー・フライトによる長距離侵攻を想定し30tの推進剤を搭載可能という意味であり、通常戦闘では4t程度の積載で済む。</ref>
 
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
 
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
 
| ジェネレーター出力 = 3,040kW(通常時)〜6,800kW(メガ・ブースト時)
 
| ジェネレーター出力 = 3,040kW(通常時)〜6,800kW(メガ・ブースト時)
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が[[サナリィ]]のFシリーズに対する競合機として[[グラナダ]]工場のジオン系開発チームに発注し開発した[[モビルスーツ]]。新時代の[[リック・ディアス]]を目指しアナハイム・ガンダムの技術を投入した機体。型式番号以外の名称は不明。
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[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が[[地球連邦軍 (UC)|連邦軍]]から宇宙世紀0111年に提示された次世代MS規格の策定要求に対して、[[ヘビーガン]]の発展型として開発した[[モビルスーツ]]。[[サナリィ]]のFシリーズに対する競合機として[[グラナダ]]工場のジオン系開発チームに発注され、新時代の[[リック・ディアス]]を目指してアナハイム・ガンダムの技術を投入し開発された。機体名称は開発主任によって非公式的に「ドライグ」と名付けられた。これは、人型の至上であるガンダムを超えるものとして「龍」を意図している。
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[[地球連邦軍 (UC)|連邦軍]]から宇宙世紀0111年に提示された次世代MS規格の策定要求に対して、[[ヘビーガン]]の発展型として開発され、次期主力モビルスーツ選定において[[ガンダムF90]]とのコンペティションが行われた。
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次期主力モビルスーツ選定において[[ガンダムF90]]とのコンペティションが行われ、コンピュータ・シミュレーションによる一次審査では最大出力・耐弾性に勝っていたものの、運用コスト及び機動戦力比で水を開けられ、続く実機を用いた模擬戦形式の二次審査でF90に敗退。これ以降、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]は小型MSを主力とした方針転換を確定させ、次期主力機の開発はサナリィに一任される事になり、MSA-120の存在は闇に葬られた。
   −
コンペにおいて、コンピュータ・シミュレーションによる一次審査では最大出力・耐弾性に勝っていたものの、運用コスト及び機動戦力比で水を開けられ、続く実機を用いた模擬戦形式の二次審査でF90に敗退。これ以降、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]は小型MSを主力とした方針転換を確定させ、次期主力機の開発はサナリィに一任される。コンペに敗れたMSA-120は表向きは闇に葬られた事になっているが、その後[[シルエットフォーミュラプロジェクト]]の一環として6機が増産され、地球と月に各2機が納入、残る2機は輸送中の事故により失われたとされている。
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開発時に2機が生産され、試作1号機は試験中の事故により失われたため、2号機は1号機を基にしたアップデートを施されF90とのコンペに供された後、[[ハーディガン]]開発の為にグラナダに保管された。その後、[[シルエットフォーミュラプロジェクト]]の一環として3~8号機の6機が増産され、地球と[[フォン・ブラウン]]に各2機が納入されたが、7・8号機の2機は[[ルナツー]]への輸送中にテロリストの攻撃を受けて所在不明となった。
   −
内部フレームは[[ヘビーガン]](ヘビーガンIIとも言われている)の物を流用し、その発展型として開発されているが、技術的な母体となったのは第5世代の[[ゾーリン・ソール|RX-110]]とされる。様々な新技術が盛り込まれているものの、外見はベース機とはかけ離れたものになっており、装甲も曲面を多用したデザインとなっている。これは、ジオニック系技術者の在籍するグラナダでの開発に加え、[[ガンダムタイプ]]が反抗の象徴と忌避していた連邦軍への配慮とも言われている。
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内部フレームは[[ヘビーガン]]([[ヘビーガンII]]とも言われている)の物を流用し、その発展型として開発されているが、技術的な素体となったのは第5世代MSの[[ゾーリン・ソール|RX-110]]とされる。F90がオプション搭載による汎用性で[[ガンダム]]に迫ろうとしたのに対し、MSA-120は様々な新技術を盛り込み、全領域性能を機体内部で完結させる事を目的としている。外見はベース機とはかけ離れたものになっているが、これは[[ペーネロペー]]の設計を小型化する過程で空力性能と避弾経始を重視した装甲形状が選択された結果であるという。また、[[ガンダムタイプ]]として開発されていない理由として、[[エゥーゴ]]の活躍と[[マフティー動乱]]によって「ガンダムは反体制の象徴」という印象が大衆に浸透していた事が大きいと言われている。
    
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
;[[機動戦士ガンダムF90]]
 
;[[機動戦士ガンダムF90]]
:F90の機体設定文章に名称のみ登場。F90の1/100キット説明書に「カタログスペックはF90以上だが、模擬戦ではわずか1分で敗北」との記載<ref>ただし後述の版権所持者の明かした内容では「F90に持久戦に持ち込まれ観察されてハイインパクトガンの充填の隙を衝かれて負けた」という矛盾した内容が語られている。</ref>がある。
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:出典元。F90の機体設定文章に名称のみ登場。F90の1/100キット説明書に「カタログスペックはF90以上だが、模擬戦ではわずか1分で敗北」との記載<ref>ただし後述の版権所持者の明かした内容では「F90に持久戦に持ち込まれ観察されてハイインパクトガンの充填の隙を衝かれて負けた」という矛盾した内容が語られている。</ref>がある。
 
;[[機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91]] (小説版)
 
;[[機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91]] (小説版)
 
:模型情報誌MJ(1992年7月号 Vol.156)掲載の第2話「陽動」に登場。[[アイリス・オーランド]]の父[[ウィリアム・C・オーランド|ウィリアム]]がテストパイロットを務めていたが、[[宇宙世紀]]0111年6月20日に発生した試験中の事故により大破し、ウィリアムも死亡した。『F90FF』では、この事故を起こした機体を1号機としている<ref>ただ、漫画版『SF91』におけるウィリアムの搭乗機である[[ジェガン (ファイアボール)]]について言及・描写はされておらず、どのように整合性を取るかは現段階では不明。</ref>。
 
:模型情報誌MJ(1992年7月号 Vol.156)掲載の第2話「陽動」に登場。[[アイリス・オーランド]]の父[[ウィリアム・C・オーランド|ウィリアム]]がテストパイロットを務めていたが、[[宇宙世紀]]0111年6月20日に発生した試験中の事故により大破し、ウィリアムも死亡した。『F90FF』では、この事故を起こした機体を1号機としている<ref>ただ、漫画版『SF91』におけるウィリアムの搭乗機である[[ジェガン (ファイアボール)]]について言及・描写はされておらず、どのように整合性を取るかは現段階では不明。</ref>。
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:「ラプラス事変やマフティーの反乱を経験したアナハイム・エレクトロニクス社が技術を総動員して作った大型MSの末裔」というリファイン設定で、[[ガブスレイ]]をベースにヴェイガン機や[[ギラ・ドーガ]]等のキットとミキシングした作例が登場。アップリケアーマーを外した中身も製作している気合の入れよう。
 
:「ラプラス事変やマフティーの反乱を経験したアナハイム・エレクトロニクス社が技術を総動員して作った大型MSの末裔」というリファイン設定で、[[ガブスレイ]]をベースにヴェイガン機や[[ギラ・ドーガ]]等のキットとミキシングした作例が登場。アップリケアーマーを外した中身も製作している気合の入れよう。
 
;[[機動戦士ガンダムF90FF]]
 
;[[機動戦士ガンダムF90FF]]
:実機が本格的に登場。1号機と2号機の存在やそのパイロット等々、設定面でかなりの掘り下げが行われた。<br/>第1話でF90との模擬戦について言及され、その後、第19話でその模擬戦時のパイロットが[[ヴェロニカ・ヴァーノン]]であった事が本人の口から語られた。第19話~第20話では[[エグム]]に横流しされた機体が[[ネモ]]3機と共に[[ファステスト・フォーミュラ]]と交戦。メガ・ブーストの機動力で[[キャノンガンダム]]の懐に一瞬で飛び込み、ビーム・サーベルの一刺しで瞬時に撃墜し、F90をも圧倒。それだけに留まらず、[[リヴ・アンゲリカ|ディル]]の乗る[[ヘビーガン重装攻撃型]]すら撃墜寸前まで追い詰めるも、寸前で[[ハーディガン Gカスタム]]の狙撃によりハイインパクトガンを破壊されたため撤退した。
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:実機が本格的に登場。パイロットをはじめ全8機生産された事や、開発系譜、ハイインパクトガンの概要等々、設定面でかなりの掘り下げが行われた。機体名称についても開発主任が「ドライグ」と呼んでいた事が明かされた。<br/>第1話でF90との模擬戦について言及され、その後、第19話でその模擬戦時のパイロットが[[ヴェロニカ・ヴァーノン]]であった事が本人の口から語られた。19話では[[レガシィ]]によって強奪された[[サイファー]]機が[[ネモ]]3機と共に[[ファステスト・フォーミュラ]]と交戦。メガ・ブーストの機動力で[[キャノンガンダム]]の懐に一瞬で飛び込み、ビーム・サーベルの一刺しで瞬時に撃墜し、F90をも圧倒。その後もFF隊の前に幾度となく立ちはだかった。また33話よりツインアイタイプに改装された[[ドライグ・アクティブ]]も登場している。
    
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
 
=== 特殊機能 ===
 
=== 特殊機能 ===
 
;メガ・ブースト
 
;メガ・ブースト
:[[エネルギーCAP]]の技術を応用し、瞬間的に出力を上げ、機動性を高める新技術。
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:[[エネルギーCAP]]の技術を応用し、縮退寸前の[[ミノフスキー粒子]]を[[熱核融合炉]]に注入する事で瞬間的に出力を上げ、機動性を高める新技術。この際の機動力はサナリィのF90すらも凌駕するが、使用時のジェネレーターはオーバーロード寸前の状態となり、爆発の危険性と隣り合わせになる。
 
;蒸発式アップリケ・アーマー
 
;蒸発式アップリケ・アーマー
:機体表面に施されている特殊装備。被弾時に装甲を蒸発させ、ダメージを最小限に止める機構。
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:新素材を用いた複合耐ビーム装甲材。機体表面に施され、被弾時に装甲を蒸発させダメージを最小限に止める。
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;[[ミノフスキー・フライト]]
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:ミノフスキー粒子を利用した飛行技術。背部シュツルム・ブースターと共に長距離侵攻を想定した装備であり、長距離飛行用の推進剤を搭載するため全備重量には余裕を持たせている。
    
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
=== 武装・必殺攻撃 ===
 
;ハイインパクトガン
 
;ハイインパクトガン
:[[ミノフスキークラフト]]を利用した疑似重力兵器。『F90FF』でミノフスキー・リパルサー・フィールドの反発力で弾体を加速させる疑似重力レールガンとして設定され、一撃でMSよりも巨大な岩塊を粉砕する威力を誇る。
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:[[ミノフスキークラフト]]の性質を応用した疑似重力兵器。ミノフスキー・リパルサー・フィールドの反発力で弾体を加速させる<ref>原理としては[[ミノフスキードライブ]]に近い。</ref>疑似重力レールガンであり、ローレンツ力で弾体を加速させる従来型のレールキャノン以上の破壊力を誇り、一撃でMSよりも巨大な岩塊を粉砕する。また、弾速をコントロールする事でコロニーへのコラテラル・ダメージの最小限化が期待された。欠点としてMSからの電力供給とミノフスキー・コントロールに困難が多く、MSA-120以外への採用例は確認されていない。<br/>[[ミノフスキークラフト]]で発生した疑似重力を敵機に衝突させる兵器とも言われているが、SF的な誇張であり、MSがブラックホールを武器にするためには少なくともマイクロブラックホール縮退炉くらいは搭載しなければならないとの主張もある。
 
;ハイパーメガランチャー
 
;ハイパーメガランチャー
 
:武装欄に表記あり。詳細不明。
 
:武装欄に表記あり。詳細不明。
 
;[[ビーム・サーベル]]
 
;[[ビーム・サーベル]]
:近接白兵戦用の装備。『F90FF』に登場した機体が装備。
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:近接白兵戦用の装備。『F90FF』に登場したサイファー機が装備。
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;[[ファンネルミサイル]]
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:背部シュツムル・ブースターに搭載されたサイコミュ式誘導ミサイル。サイファー機が装備。
    
== 対決・名場面 ==
 
== 対決・名場面 ==
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;[[ヘビーガン]] / [[ヘビーガンII]]
 
;[[ヘビーガン]] / [[ヘビーガンII]]
 
:ベース機。フレームを流用しているものの、外見や体格は大きく異なる。
 
:ベース機。フレームを流用しているものの、外見や体格は大きく異なる。
;[[ハーディガン Gカスタム]]
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;[[Gカスタム]]
 
:本機の装備が転用されたハーディガンの先行試作タイプ。
 
:本機の装備が転用されたハーディガンの先行試作タイプ。
 
;[[ゾーリン・ソール]]
 
;[[ゾーリン・ソール]]
:技術的な母体となった第5世代機。
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:技術的な素体となった第5世代機。
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;[[ドライグ・アクティブ]]
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:ツインアイとブレードアンテナを装備した1号機。
    
== 余談 ==
 
== 余談 ==
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