機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
外国語表記 MOBILE SUIT GUNDAM SILHOUETTE FORMULA91
原案

矢立肇

富野由悠季
ストーリー構成 井上幸一
キャラクターデザイン 小林利純
メカニックデザイン 大河原邦男
テンプレートを表示
漫画版
原案

矢立肇

富野由悠季
作画 やすだ ひろし
デザイン 亀口和明(デザインオフィス ミール)
発行人 佐藤辰男
発行所 メディアワークス
レーベル 電撃コミックス
製本 朝倉哲也(design DREST)
印刷・製本 共同印刷株式会社
発売元 主婦の友社
掲載誌 MS SAGA
発売日 1996年7月15日(単行本初版)
掲載期間 1992年8月~1995年11月
価格 定価573円
テンプレートを表示
小説版
著者 サンライズ企画部
出版社 バンダイ
掲載誌 MJ
掲載期間 1992年6月号~1993年1月号
テンプレートを表示

概要編集

1992年の模型企画を皮切りに漫画、小説などの形で展開されたガンダム作品。プラモデルにおける正式名称は『MOBILE SUIT GUNDAM SILHOUETTE FORMULAシルエットフォーミュラ 91 IN U.C.0123』。

F90』及び『F91』のMSVに相当する作品で、「シルエットフォーミュラプロジェクト(SFP)」と呼ばれるアナハイム・エレクトロニクス社の極秘プロジェクトにより生み出されたモビルスーツを中心とする機体群が登場する。

ストーリー展開はプラモデル説明書、漫画、小説でそれぞれ異なる(さらに漫画版は、連載時と単行本時でエピローグが異なる)のが特徴で、ブレイウッド隊vsダーク・タイガー隊の構図は概ね共通している。また、一部の媒体にしか登場しない機体・人物が存在する。

後に『F91』終了直後が舞台の主役機として『クラスターガンダム』が商品化されたが、キットの説明書内のストーリーは漫画雑誌『コミックボンボン』の増刊号で取り上げられた事以外、特に動きはなく未完となっている。

ストーリー編集

宇宙世紀0123年2月、サイド3と月の中間に位置する「ゼブラゾーン」でSFPのモビルスーツの運用試験を行っていたAE社のブレイウッド隊は、試験中に突如として所属不明の小型モビルスーツに遭遇、戦闘に入ってしまう。それは同宙域でモビルスーツの訓練を行っていたクロスボーン・バンガード(C・V)の部隊「ダーク・タイガー隊」の機体だった。数ヵ月後にフロンティアサイドへの侵攻を控えているC・Vの存在を秘匿するべく、ダーク・タイガー隊はブレイウッド隊の殲滅を決定。やがてゼブラゾーンにおける両陣営の熾烈な戦いが幕を開けるが、その裏では只ならぬ陰謀が渦巻いていた…

登場人物編集

アナハイム・エレクトロニクス社 (ブレイウッド隊)編集

トキオ・ランドール(トキオ・D・ランドール)
主人公。連邦軍の軍人で、シルエットガンダムのテストパイロットを務めるため、AE社に出向している。パイロットとしての腕は優秀で、ガンダムの性能を遺憾なく発揮する。
アイリス・オーランド
ヒロイン。AE社のMSエンジニアとしてプロジェクトに参加している。クールな性格の持ち主だが、父親を失った辛い過去を持つ。
ケビン・フォレスト
AE社専属の民間のテストパイロット。ハーディガンのパイロットを務めており、普段から軽口を叩いている。
カール・シュビッツ
元ネオ・ジオン兵で現在はAE社でテストパイロットを務める。Gキャノンマグナのパイロットを務めており、実践慣れしていないケビンのフォローに回る事が多い。
アイトール・ホルスト
ブレイウッド艦長。元連邦軍大佐で、常に慎重な行動を取っているが、時には大胆な行動を見せる事も。
アルバート・エルゼナー
チーフエンジニア。アイリスの父と同じチームにいた事があり、父を失ったアイリスの父親代わりとして彼女を育ててきた。

クロスボーン・バンガード (ダーク・タイガー隊)編集

シェルフ・シェフィールド
ダーク・タイガー隊の隊長。「炎の虎」の異名を持つ人物で、厳格ながらも部下想いの熱い性格の持ち主。小説版にはザビーネ・シャルの親友という設定がある。
モーリス・オバリー
ダーク・タイガー隊の新人パイロット。新米ゆえ度々、功を焦ってしまう血気盛んな性格。

ネオ・ジオン難民編集

レイラ・ラギオール
ゼブラゾーンのコロニーに住む元ネオ・ジオン兵士の子孫。コロニーに侵入したブレイウッド隊を敵と誤解し一悶着起こすも、誤解が解けてからは彼らと行動を共にする。
委員長
ゼブラゾーンのコロニーで元ネオ・ジオン兵士達のまとめ役を務める老人。

地球連邦軍 (306部隊)編集

バズ・ガレムソン
オールズモビル掃討の一環としてネオ・ジオン残党狩りを受け持つ306部隊々長。トキオの元上官で、目的の為には手段を問わない冷酷な人物。小説版ではネオガンダムには乗らずエイジャックスに乗ったままである。
ドーフマン
306部隊の副長。ガレムソンの指示に実直に従う冷徹な性格の持ち主。漫画版ではエイジャックスに座乗したままだが小説版ではヘビーガン重装攻撃型に搭乗して戦う。

その他 編集

エリザベス
AE社の女性エンジニアで、アイリスの知り合い。ネオガンダム開発計画である「シークレットフォーミュラプロジェクト」の関係者としてエイジャックス内で軟禁されていたところをアイリスと再会する。
ウェンツェル
AE社の重役と共に「シルエットフォーミュラプロジェクト」を影から動かす連邦軍の高官。今回の事件の黒幕の1人である。
ウィリアム・C・オーランド
アイリスの父親で故人。アイリスの9才の誕生日に、モビルスーツの試験中の事故で亡くなっている。
アデル・ラギオール
小説版にのみ登場。レイラの父親で、シュビッツの知り合い。ブレイウッド隊による難民収容に一役買った。
ヘス
小説版にのみ登場。ヘビーガンのパイロットで、哨戒中にガレムソンの元から脱走したトキオと交戦する。

登場メカ編集

モビルスーツ 編集

艦船 編集

その他、 プラモデル作例など編集

用語編集

シルエットフォーミュラプロジェクト
AE社による新型モビルスーツ開発計画。小型モビルスーツの開発で先を行くサナリィの「フォーミュラ計画」に関する情報を合法・非合法な手段で手に入れ、それを再現した機体群を開発する事が目的である。
ゼブラゾーン事件
宇宙世紀0123年2月にゼブラゾーンで発生したブレイウッド隊とダーク・タイガー隊の接触・交戦を発端とする事件。漫画版と小説版、プラモデル説明書内ストーリーのそれぞれで事件の動向に差異がある。
シークレットフォーミュラプロジェクト

各話リスト編集

漫画版 編集

話数 サブタイトル 備考
第1話 遭遇 
第2話 出撃 
第3話 迎撃 
第4話 コロニー 
第5話 連邦軍 
第6話 ネオ・ガンダム 
第7話 エリザベス 
第8話 ガレムソン 
第9話 脱出 
第10話 復讐 

小説版 編集

話数 サブタイトル 備考
第1話 遭遇  模型情報誌『MJ』1992年6月号に掲載
第2話 陽動  『MJ』1992年7月号に掲載
第3話 封鎖  『MJ』1992年8月号に掲載
第4話 友好  『MJ』1992年9月号に掲載
第5話 突破  『MJ』1992年10月号に掲載
第6話 進宙 『MJ』1992年11月号に掲載
第7話 特殊部隊  『MJ』1992年12月号に掲載
第8話 制裁  『MJ』1993年1月号に掲載

関連作品編集

機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ フォーミュラ91の亡霊
漫画『ガンダム短編集 2』収録のクラスターガンダムが主役として登場する作品。同機体のプラモデル説明書内ストーリーを基にしている。作者が『機動戦士Vガンダム (コミックボンボン版)』を担当した岩村俊哉氏という事もあり、某国民的漫画風のカオスな作風となっている。
機動戦士ガンダムF90FF
F90』及び『フォーミュラー戦記』のスピンオフ作品。宇宙世紀0115年を舞台とする第2部からSFP関連の機体が登場する。
機動戦士ガンダムF91プリクエル
小説版『F91』をベースとする作品だが、本作、特に漫画版に関わる要素[2]が含まれている。
SDガンダム GGENERATIONシリーズ
『F』で初参戦。各キャラクターに声が当てられた。漫画版をベースとしたシナリオとなっている。
F91-MSV
模型情報誌『ホビージャパン』の1992年5~11月号に本作のキットを用いたジオラマストーリーが『F91-MSV』として掲載されている。

商品情報編集

漫画 編集

ムック 編集

ガンプラ編集

リンク編集

脚注編集

  1. 漫画版では脚部側面にスラスターが確認できるため、RGM-89JではなくRGM-89と思われる
  2. AE社がサナリィとの新型機コンペを行うにあたり、1、2号機の大破を受け急遽余剰パーツからネオガンダムを建造する等