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全話を通して自らの言葉で語ることは少なく周囲の人間から見た「三日月・オーガス」という形で描写されている。また、彼自身はあまり感情を表に出すことが上手ではなく、満足な教育を受けていないため倫理的なタブー意識が希薄。そのためか序盤は人間味の希薄な酷薄なキャラクターのように描写されていたが、物語が進むにつれ周囲の人々の描写が充足されるにしたがって三日月の人間性も徐々に視聴者に伝わるようになっていく。
 
全話を通して自らの言葉で語ることは少なく周囲の人間から見た「三日月・オーガス」という形で描写されている。また、彼自身はあまり感情を表に出すことが上手ではなく、満足な教育を受けていないため倫理的なタブー意識が希薄。そのためか序盤は人間味の希薄な酷薄なキャラクターのように描写されていたが、物語が進むにつれ周囲の人々の描写が充足されるにしたがって三日月の人間性も徐々に視聴者に伝わるようになっていく。
しかし第二期に入ると三日月の超人性、優秀さだけが強調されるようになる。[[ハッシュ・ミディ]]の孤児時代の兄貴分ビルスが、三日月の優秀さに対して阿頼耶識システムの搭載手術に失敗した自らを「産廃」と呼び自殺したエピソードを始め、(もちろん実戦で強いということはそれだけで十分な理由になるのだが)特にこれといった魅力的なエピソードもないまま団員からは強い羨望を受ける。戦闘においてはライバルが存在せず、モビルアーマー「[[ハシュマル]]」は単独で撃破(機体は中破、自身の体は右半身付随になった)、それまでの「モビルスーツは宇宙という極限環境で運用されるものだから丈夫にできているはずで、ビーム一発で沈むのはおかしい」というコンセプトを無視したような「三日月無双」に終始(他のガンダム・フレーム機体にも言えることだが)。ほとんどの敵勢力が全く歯が立たないという状態で勝ち続けていったが、「三日月無双」以上の殲滅力を発揮した「ダインスレイヴ」の乱発によりモビルスーツ戦は事実上陳腐化(鉄血団のガンダム・フレーム機体は全てダインスレイヴにより致命的なダメージを受けている)。それでも対モビルスーツ戦では比較にならない強さを維持し続けたものの、最終的にはダインスレイヴの掃射により大破。大破しながらも一般兵士の機体を圧倒していたが、やがて限界がきてジュリエッタ・ジュリスにより打ち取られ、そのまま死亡したものと思われる。
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しかし第二期に入ると三日月の超人性、優秀さだけが強調されるようになる。[[ハッシュ・ミディ]]の孤児時代の兄貴分ビルスが、三日月の優秀さに対して阿頼耶識システムの搭載手術に失敗した自らを「産廃」と呼び自殺したエピソードを始め、(もちろん実戦で強いということはそれだけで十分な理由になるのだが)特にこれといった魅力的なエピソードもないまま団員からは強い羨望を受ける。戦闘においてはライバルが存在せず、モビルアーマー「[[ハシュマル]]」は単独で撃破(機体は中破、自身の体は右半身付随になった)、それまでの「モビルスーツは宇宙という極限環境で運用されるものだから丈夫にできているはずで、ビーム一発で沈むのはおかしい」というコンセプトを無視したような「三日月無双」に終始。ほとんどの敵勢力が全く歯が立たないという状態で勝ち続けていったが、「三日月無双」以上の殲滅力を発揮した「ダインスレイヴ」の乱発によりモビルスーツ戦は事実上陳腐化。鉄血団のガンダム・フレーム機体は全てダインスレイヴにより致命的なダメージを受けた。それでも対モビルスーツ戦では比較にならない強さを維持し続けたものの、最終的にはダインスレイヴの掃射により大破。大破しながらも一般兵士の機体を圧倒していたが、やがて限界がきてジュリエッタ・ジュリスにより打ち取られ、そのまま死亡したものと思われる。
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彼のみの特性としてガンダムバルバトスの「リミッター解除」が挙げられる。
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何らかの理由によってリミッター解除が行われると、通常のモビルスーツはおろかガンダム・フレームでも圧倒する機体強化を得られる反面、その都度体の自由を失っていくという強烈なデメリットを負っている。
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しかし三日月の希薄な人間性と「ガンダムにつながっている間は肉体は自由になる」という救済処置によってほぼ無視できるペナルティになってしまっていた。本来なら日常生活を送るのも困難な障害だが、彼はそうした平時の描写が特に少なく、本人もそれを自然に受け入れていることから悲壮感もなく、またそれによって彼が自分自身を見つめなおすという変化や「オルガからの自立」といった自己の確立にもつながらなかった。
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結局のところこれが何であったのか、どうして発動するのか、そして行きつく「先」といった部分で明らかになることはなかった。ガンダムバエルとアグニカ・カイエルの伝承、[[ハシュマル]]、阿頼耶識TypeEといった断片をつなぎ合わせればおおむね答えは提示されているのだが、一方でそれを持ってして何を見せようとしたのかは語られておらず、「凄い三日月」を支えるだけのファクターになっている。
    
三日月の希薄な人間性に対して内面の描写が充足されることが期待されたが、ストーリーの展開との都合で彼の変化や魅力を感じさせるエピソードが極めて少なく、特に第二期に入ってからはライバル不在であったため単純に強いだけのアイコンとしてしか活躍することができなかった。対して、敵対勢力であるところの[[ガエリオ・ボードウィン]]と[[マクギリス・ファリド]]のライバル関係、変化したものと変化しなかったもの激しいぶつかり合いは両者の魅力を存分に引き出したことを考えれば、そのポジションに据えられることがなかったのは不幸といえようか。
 
三日月の希薄な人間性に対して内面の描写が充足されることが期待されたが、ストーリーの展開との都合で彼の変化や魅力を感じさせるエピソードが極めて少なく、特に第二期に入ってからはライバル不在であったため単純に強いだけのアイコンとしてしか活躍することができなかった。対して、敵対勢力であるところの[[ガエリオ・ボードウィン]]と[[マクギリス・ファリド]]のライバル関係、変化したものと変化しなかったもの激しいぶつかり合いは両者の魅力を存分に引き出したことを考えれば、そのポジションに据えられることがなかったのは不幸といえようか。
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