ラプラス事件

ラプラス事件(Laplace Incident) 編集

宇宙世紀0001年の改暦セレモニーの最中に発生した、首相官邸ラプラスの爆破テロ事件。

西暦最後の12月31日、宇宙世紀の改暦を記念したセレモニーがラプラスで執り行われた。同セレモニーには連邦政府初代首相リカルド・マーセナスをはじめ、連邦構成国の代表が一同に会しており、首相演説後のグリニッジ標準時1月1日、宇宙世紀への移行と共に宇宙世紀憲章が公開される予定であった。しかし、この事件によってマーセナス以下各国代表、更に官邸要員や報道陣は全員死亡し、宇宙世紀憲章も喪失。宇宙世紀の歴史の第一歩は、このテロによって血で汚される事になった。

事件後、連邦政府はすぐに新政権を発足させ、同事件を連邦政府発足に反対する分離主義者によるテロと認定。「リメンバー・ラプラス」を掲げ、地球連邦軍による反政府運動の徹底的な弾圧に乗り出した。この闘争は宇宙世紀0022年に連邦政府が紛争の消滅を宣言するまで続き、結果として連邦の国家的基盤は盤石化。しかし、同事件はリベラル派であったマーセナス政権の転覆を狙った保守勢力による自作自演であり、マーセナスの息子ジョルジュ・マーセナスがその筆頭にあった。

爆破テロは、スタンフォード・トーラス型の宇宙ステーションであったラプラスの構造を利用し、ステーションの上下に展開するミラーブロックで太陽光を一点に集中させ、水循環パイプへと照射させる事で行われた。改暦セレモニーでは任意のミラーを動かし、「Good bye, AD Hello, UC!」の光の文字を地球の夜の面に浮かび上がらせる演出が企画されており、このミラーの制御プログラムを変更する作業員達が作業を行っていた。彼らこそがこの事件の実行役であり、彼らは事件後に口封じの為に移動中の作業艇ごと爆破され、真相は闇の中へと葬られた。

しかし、テロの実行役の一人であるサイアム・マーキスが爆発に巻き込まれ漂流しつつも奇跡的に生還。彼と、彼が首相官邸跡から持ち帰った「ラプラスの箱」が、連邦政府、ひいては後の時代に強い影響を与える事になる。

登場作品 編集

機動戦士ガンダムUC
初出作品。『機動戦士ガンダム』から遡る事80年も前に起きた事件として描かれ、同作における重要事件の一つとして扱われた。

関連人物 編集

リカルド・マーセナス
地球連邦政府初代首相。改暦セレモニーの最中に爆発に巻き込まれ、宇宙空間へと放り出され死亡。
ジョルジュ・マーセナス
リカルドの息子にして、地球連邦軍三代目首相。テロを指揮した保守勢力の筆頭であり、彼によって宇宙世紀の歴史が「親殺し」で始まる事になった。それは同時に彼の子孫にも呪いとして禍根を残す事になる。
サイアム・マーキス
テロの実行役の一人。事件当時は政治的信条を持たず、生活苦から金で雇われていたに過ぎなかった。しかし、事件後に奇跡的に生還した彼は、漂流中に発見した「ラプラスの箱」を伴い連邦政府から様々な便宜を引き出していく事になる。

関連用語 編集

宇宙世紀
西暦に代わる年号。
首相官邸ラプラス
事件の舞台となった首相官邸。事件後は史跡となり、後のラプラス事変で重要な意味合いを持つ地点の1つとなる。
ラプラスの箱
事件直後にサイアムによって発見された重要品。後に彼が創設したビスト財団で秘匿され、連邦政府と交渉する際の取引材料として用いられたが、時が経つにつれ、連邦政府を崩壊させかねない物としてその意味合いを変えていった。
宇宙世紀憲章
改暦セレモニーで公開された憲章。事件後はレプリカが連邦政府首都ダカールの首相官邸前に展示されている。
リカルド・マーセナス首相演説
事件発生直前に行われたリカルドの首相演説。

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