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{{登場メカ概要
 
{{登場メカ概要
 
| タイトル = スペック
 
| タイトル = スペック
| 正式名称 = EMS-TC02
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| 愛称 = ファントムガンダム
 
| 分類 = 惑星間高速移動用試作型[[モビルスーツ]]([[可変モビルスーツ]])
 
| 分類 = 惑星間高速移動用試作型[[モビルスーツ]]([[可変モビルスーツ]])
 
| 型式番号 = EMS-TC02
 
| 型式番号 = EMS-TC02
| 頭頂高 = 不明
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| 頭頂高 =  
 
| 全高 =  
 
| 全高 =  
| 本体重量 = 不明
+
| 本体重量 =  
| 全備重量 = 不明
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| 全備重量 =  
 
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
 
| 主動力 = [[熱核融合炉]]
| ジェネレーター出力 = 不明
+
| ジェネレーター出力 =  
| スラスター総推力 = 不明
+
| スラスター総推力 =  
| 装甲材質 = 不明
+
| 装甲材質 =  
 
| センサー有効半径 =  
 
| センサー有効半径 =  
| 開発組織 = [[木星共和国]]
+
| 開発組織 = [[木星共和国]]([[サーカス]])
| 所属 = [[宇宙海賊クロスボーンバンガード|クロスボーン・バンガード(蛇の足)]]
+
| 所属 = [[サーカス]] ⇒ [[宇宙海賊クロスボーンバンガード|クロスボーン・バンガード(蛇の足)]]
 
| 所属組織 =  
 
| 所属組織 =  
 
| 所属部隊 =  
 
| 所属部隊 =  
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[木星共和国]]のタカ派が中心となって開発した試作型[[モビルスーツ]]。「[[サウザンド・カスタム]]」の1機であり、開発認可が下りたのは2番目。<br />単独での木星圏から地球への惑星間航行を目的とした実験機だが、[[地球連邦]]に対する「テロ行為」を行う事になった際の切り札という側面も持ち合わせており、本機のみで連邦の重要拠点を攻撃する事も想定されていた。これを実現すべく、本機には次世代推進システム「[[ミノフスキードライブ]]」が搭載される事となり、かつて[[サナリィ]]の月面施設を襲撃した際に奪取した[[レコードブレイカー]]の設計データに[[アマクサ]]を掛け合わせる形で設計されている。しかし、主に木星側の技術力不足が原因でミノフスキードライブを完全に再現する事が出来ず(パーツ単位での噴射実験にはある程度成功していたとされる)、機体外に放出される余剰エネルギーであるビーム粒子「光の翼」の安定が予想以上に上手くいかなかった。これを解決すべく、各部には光の翼の小型放出口を設けて内圧を減らし(サブスラスターとしても機能する)、同時に全身に[[Iフィールド]]の放射装置とそれを制御する別系統のシステムとして木星のOSを組み込んでいる。なお、本機のミノフスキードライブは「ファントムライト」と命名されている。<br />本機にはバランスのコントロール用にレコードブレイカーの[[バイオコンピューター]]を搭載しているが、解析が不完全な部分も存在している(プログラム上に8つの“ピン”が存在し、これを綾取りの「8カケの吊り橋」のように繋ぎ合わせる必要があったが、最初期の理論故に木星側はこれを知らなかった)。この為、何らかの不具合が発生する事も懸念されていたが、最悪の場合、木星OSのみでも機体そのものの制御は出来るだろうと考えられていたようである。しかし、木星OSとバイオコンピューターは折り合いが悪く、現場がタカ派の上層部から早急に完成させるよう命令された事でこの問題を棚上げして機体を組み上げた結果、ミノフスキードライブどころか機体そのものが全く動かせない状態となってしまっていた。<br />この他にもミノフスキードライブ展開時に多大な負荷がかかってオーバーヒートするという問題があり、他のサウザンド・カスタムと同様に頭部のフェイスカバーを展開して放熱を行うが、本機では頬にも展開式のダクトが設けられ、最大出力時にはそちらも展開して二段階強制放熱モードをとる事が可能。背部にも強制冷却カートリッジを備えるが、それでも稼働時間はかなり短い。<br />問題も多い本機だが、ミノフスキードライブとIフィールドによる機動性と対ビーム防御力は非常に高く、稼動すれば運用次第で戦局を大きく左右する程の力を発揮できる機体である。
+
[[木星共和国]]のタカ派が中心となって開発した試作型[[モビルスーツ]]。「[[サウザンド・カスタム]]」の1機であり、開発認可が下りたのは2番目。
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当初は[[可変モビルスーツ]]として設計が行われており、左右半身と胴体の中央ブロック、後部ブロックの計4ブロックの位置を変更して巡航形態「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」へと変形できるはずであった。各ブロックを移動させる事でエネルギー循環効率の改善と推進力のベクトル整理、大気圏内における飛行性能の向上や機体冷却の問題の改善が見込め、惑星間での長期安定飛行を可能とする予定であった(同時に「ファントムライト」の稼働時間も若干だが延長される)。しかし、実際には変形してもなお木星から地球へ単機での移動を行うのは数値的に考えてもあまりに非現実的であり、そもそも「ファントムライト」や機体そのものがまともに起動する事が困難と判明した時点で断念され、物理的なロック機構を施して変形不可能としている。<br />後に[[フォント・ボー]]が「ファントムは人型であり、そのままの状態では地球~木星間における単機での長期間の安定航行を行うのに適さない」という観点から機体の解析を行った結果この形態を発見、[[マリア・シティ]]での作戦後にロックを外してテストする予定だったが、同作戦時に[[ザンスカール帝国]]が発射した核ミサイルを迎撃・無力化するべくロックを無理やり破壊して使用した。
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単独での木星圏から地球への惑星間航行を目的とした実験機だが、[[地球連邦]]に対する「テロ行為」を行う事になった際の切り札という側面も持ち合わせており、本機のみで連邦の重要拠点を攻撃する事も想定されていた。これを実現すべく、本機には次世代推進システム「[[ミノフスキードライブ]]」が搭載される事となり、かつて[[サナリィ]]の月面施設を襲撃した際に奪取した[[レコードブレイカー]]の設計データに[[アマクサ]]を掛け合わせる形で設計されている。しかし、主に木星側の技術力不足が原因でミノフスキードライブを完全に再現する事が出来ず(パーツ単位での噴射実験にはある程度成功していたとされる)、機体外に放出される余剰エネルギーであるビーム粒子「光の翼」の安定が予想以上に上手くいかなかった。これを解決すべく、各部には光の翼の小型放出口を設けて内圧を減らし(サブスラスターとしても機能する)、同時に全身に[[Iフィールド]]の放射装置とそれを制御する別系統のシステムとして木星のOSを組み込んでいる。なお、本機のミノフスキードライブは「ファントムライト」と命名されている。
   −
頭部は[[ガンダムタイプ]]に似ており、木星の[[MS]]としては珍しくツインアイを採用しているように見えるが、これは光の翼のビーム粒子からカメラを保護する為のカバーであり、この下にはこれまで通りのモノアイが隠れている。<br />ちなみにこの頭部デザインが由来なのか、[[フォント・ボー]]からは「'''ファントムガンダム'''」と(心の中で)呼ばれている。
+
本機にはバランスのコントロール用にレコードブレイカーの[[バイオコンピューター]]を搭載しているが、解析が不完全な部分も存在している(プログラム上に8つの“ピン”が存在し、これを綾取りの「8カケの吊り橋」のように繋ぎ合わせる必要があったが、最初期の理論故に木星側はこれを知らなかった)。この為、何らかの不具合が発生する事も懸念されていたが、最悪の場合、木星OSのみでも機体そのものの制御は出来るだろうと考えられていたようである。しかし、木星OSとバイオコンピューターは折り合いが悪く、現場がタカ派の上層部から早急に完成させるよう命令された事でこの問題を棚上げして機体を組み上げた結果、ミノフスキードライブどころか機体そのものが全く動かせない状態となってしまっていた。
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この他にもミノフスキードライブ展開時に多大な負荷がかかってオーバーヒートするという問題があり、他のサウザンド・カスタムと同様に頭部のフェイスカバーを展開して放熱を行うが、本機では頬にも展開式のダクトが設けられ、最大出力時にはそちらも展開して二段階強制放熱モードをとる事が可能。背部にも強制冷却カートリッジを備えるが、それでも稼働時間はかなり短い。
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問題も多い本機だが、ミノフスキードライブとIフィールドによる機動性と対ビーム防御力は非常に高く、稼動すれば運用次第で戦局を大きく左右する程の力を発揮できる機体である。
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当初は[[可変モビルスーツ]]として設計が行われており、左右半身と胴体の中央ブロック、後部ブロックの計4ブロックの位置を変更して巡航形態「蜃気楼鳥(ミラージュ・ワゾー)」へと変形できるはずであった。各ブロックを移動させる事でエネルギー循環効率の改善と推進力のベクトル整理、大気圏内における飛行性能の向上や機体冷却の問題の改善が見込め、惑星間での長期安定飛行を可能とする予定であった(同時に「ファントムライト」の稼働時間も若干だが延長される)。しかし、実際には変形してもなお木星から地球へ単機での移動を行うのは数値的に考えてもあまりに非現実的であり、そもそも「ファントムライト」や機体そのものがまともに起動する事が困難と判明した時点で断念され、物理的なロック機構を施して変形不可能としている
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後に[[フォント・ボー]]が「ファントムは人型であり、そのままの状態では地球~木星間における単機での長期間の安定航行を行うのに適さない」という観点から機体の解析を行った結果この形態を発見、[[マリア・シティ]]での作戦後にロックを外してテストする予定だったが、同作戦時に[[ザンスカール帝国]]が発射した核ミサイルを迎撃・無力化するべくロックを無理やり破壊して使用した。
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頭部は[[ガンダムタイプ]]に似ており、木星の[[MS]]としては珍しくツインアイを採用しているように見えるが、これは光の翼のビーム粒子からカメラを保護する為のカバーであり、この下にはこれまで通りのモノアイが隠れている。ちなみにこの頭部デザインが由来なのか、[[フォント・ボー]]からは「'''ファントムガンダム'''」と(心の中で)呼ばれている。
    
本来の開発目的から考えると本機は完全な失敗作であり、同時期に[[リガ・ミリティア]]が運用していた[[V2ガンダム]]のミノフスキードライブと比較しても完成度は50%程度とされる。
 
本来の開発目的から考えると本機は完全な失敗作であり、同時期に[[リガ・ミリティア]]が運用していた[[V2ガンダム]]のミノフスキードライブと比較しても完成度は50%程度とされる。