ゼク・アイン

ゼク・アイン
外国語表記 Xeku-Eins
登場作品
デザイナー カトキハジメ
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スペック
分類 汎用量産型モビルスーツ
型式番号 RMS-141
頭頂高 19.2m
本体重量 37.6t
全備重量 72.55t(第一種兵装)
80.25t(第2種兵装)
87.28t(第三種兵装)
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 2,100kW
スラスター総推力 78,000kg
装甲材質 ガンダリウム合金
センサー有効半径 15,000m
開発組織 地球連邦軍
所属 ニューディサイズ
ティターンズ残党
主なパイロット
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概要編集

ジオン公国軍の工廠であった小惑星基地ペズンにおいて地球連邦軍が開発した汎用モビルスーツ。「X(ゼク)シリーズ」1番目の機体であり、機体名称の「アイン」もドイツ語で「1」を意味している。

一年戦争末期、ジオン公国軍はペズンのMS工廠において「MS-X」と呼ばれるMS開発プロジェクトを推進しており、ゼク・アインの基本コンセプトは既にこの時点で確立されていた。戦争終結後、連邦軍に接収されたペズンは連邦軍駐留部隊の監視下に置かれ、連邦軍の戦力再建のために機動兵器の開発を継続させられる事になる。その開発において、連邦軍MS教導団の実働データのフィードバックが企図されたため、教導団もペズンに移駐。こうして、旧公国軍の「MS-X」プロジェクトをベースとした、Xシリーズと呼ばれる実験機の開発プロジェクトがスタートした。

このプロジェクトの最初の機体であるゼク・アインは、新世代の汎用MSというコンセプトを持ち、あらゆるミッションに対応できるよう、軽装備から重装備まで多種多様なオプションの携行/装着および使用を可能とするため、出力に余裕のあるジェネレーターを搭載している。更に、ムーバブルフレームも通常の機体より太く設計され、堅牢で単純な構造とする事で加重性能やペイロードに余裕をもたせ、信頼性を向上させている。そのため、機体そのものに革新的な機能や性能はなく、既存のテクノロジーをブラッシュアップしただけと言えるが、逆に武装やオプション兵装は豊富に用意されており、パーツの選択でそれぞれの用途における専用MS並みの性能を発揮できた。

グリプス戦役に投入された機体の多くは性能を突き詰めるあまり汎用性を犠牲にする傾向が強く、ゼク・アインはその潮流の中でザクの設計思想を継承し汎用性を重視した新世代の汎用量産機として開発された。設計の原案は連邦がペズンを接収した時点で既にペズン計画に記載されていた為、ジオン系の技術色が強く、モノアイの採用や指揮官機用ブレード・アンテナ等にそれが反映されている。

既存の完成された技術をまとめ上げている関係上、信頼性・完成度も高かったものの、その手堅い造りから教導隊による戦術データ蓄積用の機体として扱われながら細々と研究開発を進めるに留まっていた。しかし、教導隊がニューディサイズとして蜂起した際に全機材が持ち出され、ペズンも破壊されたため技術的系譜は途切れることになった。

装備バリエーション編集

第一種兵装
通常ビーム兵装携帯仕様。月面降下に対応する為のランディング・デバイス・システム及びプロペラント・タンクの装着も想定されている。
第二種兵装
長距離攻撃仕様。ビーム・スマートガンを携行し、左肩ラッチにディスク・レドームを装備する事で遠距離攻撃を行う。右肩のシールドはスマートガンの重量を緩和する目的で装備されない。
第三種兵装
要塞戦仕様。マシンガンやバズーカなど実体弾中心の武装構成。両肩のラッチにマガジンドラムを装備し、専用マシンガンに給弾する。

登場作品と操縦者編集

ガンダム・センチネル
初登場作品。ペズンの反乱の際にニューディサイズの主力モビルスーツとして登場する。
機動戦士ムーンガンダム
第1話に登場。U.C.0091年にティターンズの残党によって運用されており、ロンド・ベルと交戦している。

装備・機能編集

特殊機能編集

換装
両肩部ラッチを中心に各種兵装を換装可能。換装形態は第一~第三種兵装に大別されるが、それ以外のオプション装備の装着も可能であり、豊富なオプションによって様々な任務に対応可能。
プロペラントタンク
機体外に装着される燃焼剤などの入ったいわゆる増槽。作戦行動半径拡大のための補助タンクで、ゼク・アインは腰部や脚部などに装備する。

武装・必殺攻撃編集

ビーム・ライフル
主に第一種兵装で使用されるEパック方式のビーム・ライフル。若干改修されているがガンダムMk-IIのライフルとほぼ同型。
グレネード・ランチャー
銃身下部に装着可能なランチャー。
ビーム・スマートガン
第二種兵装で装備される長砲身の高出力ビーム・ライフル。左肩のディスクレドームと連動する事で、高い命中精度を誇る。
専用マシンガン
第三種兵装で装備されるマシンガン。極力単純な構造で設計されており、信頼性と耐久性を向上させている。肩部に装備されたマガジンドラムから自動装填システムによって弾丸が供給される。マガジンドラムの装弾数は一つにつき6000発。口径120mmの徹甲弾などを毎分360~540発発射する。
クレイ・バズーカ
第三種兵装で装備されるバズーカ砲。形状はリック・ディアス等が携行している物と若干異なる。
専用シールド
第三種兵装の際、両肩部のラッチに装備される防御用装備。オプション装備の架台およびターミナルコネクターとしても機能し、クレイ・バズーカの予備マガジンやプロペラント・タンクの装着が可能。
ビーム・サーベル
MSの標準的な近接戦闘用の斬撃武装。ゼク・アインは左肩シールド裏に2本装備している。出力は0.9MW。
6連装ミサイルランチャー
両肩のラッチに装備可能なミサイル。
クラブ
使い捨て式のロケット・ランチャー。ジオン軍シュツルム・ファウストと同一の物だが、連邦軍内で同じ呼称での使用が嫌忌されたため「Club (棍棒)」の名称が用いられている。大型と小型の2種類がある。

対決・名場面編集

ガンダム・センチネル編集

ペズン制圧
物語冒頭のペズンを襲撃するシーンより。ペズンを防衛していたバーザム (センチネル版)の部隊を瞬く間に制圧し、教導隊の実力をこれでもかと見せ付けた。

関連機体編集

ゼク・ツヴァイ
本機を元に重モビルスーツとして開発されたゼクシリーズ2番目の機体。性能を追求した結果、ゼク・シリーズのコンセプトと矛盾する機体となってしまった。
ゼク・ドライ
再び汎用機として開発されたゼクシリーズ3番目の機体。設計段階の時点で開発が中断された。設定のみ。
ガンダムTR-6[ハイザックII]
TR-6の形態の内、ハイザックの腕部とマラサイの脚部を装着した形態。ホビージャパン2018年8月号に掲載されているイラストでは腕部に本機 (第三種兵装)の物を使用している。

商品情報編集

ガンプラ編集

フィギュア編集

リンク編集

脚注編集