ズゴックS型

ズゴックS型
外国語表記 Z'gok S type
登場作品 機動戦士ガンダム
デザイナー 大河原邦男
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スペック
別名 ズゴック指揮官型
分類 指揮官用水陸両用量産型モビルスーツ
型式番号 MSM-07S
頭頂高 18.4m
本体重量 65.1t
全備重量 96.4t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 2,480kW
スラスター総推力 83,000kg
装甲材質 チタン・セラミック複合材
開発組織 MIP社
所属 ジオン公国軍
主なパイロット ジオン兵
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概要編集

指揮官用にズゴックの性能を向上させたマイナーチェンジモデル。それまでの機体の実戦運用で得られたデータに基づき、熱核反応炉の出力向上と運動性の改良、装甲の材質変更などの改良が施されている。

MIP社ジオン公国軍におけるモビルスーツ生産の主流でなく[1]、逆に言えばMIPは自社開発の機種が決して多くはなかったため、評価の高いズゴックのさらなる高性能化に開発陣の能力を傾注出来た[2]

ボディブロックの形状が見直され、特に腰部、腹部、胸部の可動範囲の拡大は同一機種とは思えない程のものとなっている。基礎フレームそのものの伸縮や打突、走行、飛翔(ジャンプ)に連動したタイミングなどを最適化するソフトの同時開発などと相まって特にS型の柔軟さや挙動は、単なる人型の模倣のレベルを超えていたという。バックパックも、量産による洗練を経て選びぬかれた部材を採用しており、キャビテーションノイズの低減や排熱温度の低温下など、さらなる高性能化と稼働安定化を実現し、陸戦時の機動性の向上は無論のこと、統合的な隠密性なども改善された。

S型はシャア・アズナブル専用機が特に有名だが、このタイプは実質的にズゴックの後期生産型であり、この時点で一般機からこちらに生産がシフトしているため、同時期に生産された機体は基本的にすべて同じスペックを持つ。S型はズゴックにさらなる高性能化を予感させるものであったが、他の機体との作戦行動時の連携や生産性の確保においては、他の機体との性能差や部品共有率の低さなどが問題となっていた。そのため、主に操縦系を抜本的に見直した統合整備計画に基づき、さらなる性能向上機としてズゴックEが開発され、その時点で生産を終えた。

登場作品と操縦者編集

機動戦士ガンダム
出典元。上記の通り当初は一般機と区別はされておらず、書籍やガンプラなどでシャア専用機がS型とされてきた。

装備・機能編集

特殊機能編集

フレキシブル・ベロウズ・リム
公国軍系の水陸両用モビルスーツに特徴的な装備。通常型MSと違い、自由度の高い複数の関節で構成されている。機種によっては伸縮し、より抵抗の少ない巡航形態を取れるものもあった。
S型の伸縮機構は、水流抵抗対策のみならず、対MS戦闘時の打突に機体全体の挙動を運動させることで更に破壊力を増したり、洞窟や坑道などを移動する際に単なる二足歩行によりも四肢のすべてを使うことでより高速かつ効率的な移動が可能であったという。

武装・必殺攻撃編集

アイアン・ネイル
ズゴックの近接戦闘用の武装。機体運用の問題からオプション兵装の携行が困難であったため、斬撃武装の代替案として装備されたが、実戦においては打突や斬撃で有効に機能した。開閉機構を使ってマニピュレーター並の作業をこなす熟練パイロットもいたとされる。
メガ粒子砲
両腕に1門ずつ装備。ビーム兵器の実用化に後れを取っていた公国軍は、水陸両用機において熱核融合炉の冷却機構に水冷構造を採用することでビーム兵器の実用化及び量産化に成功した。ゴッグで標準装備となったメガ粒子砲は、ボディユニットの固定装備であったが、ズゴックは腕部に装備することで使い勝手を飛躍的に向上させている。
240mmロケット弾(240mmミサイル)
ズゴックが頭部に六基装備する通常火器。発射管はある程度の与圧も可能であり、機能的には魚雷発射管としても使用でき、同規格の魚雷も計画されていたとされる。耐圧深度はさほど深くはなく、基本的には上陸、あるいは浮上した上で射出した。
ミノフスキー粒子散布下でも光学計測や赤外線、磁気センサーなどはそれなりの精度で利用できた。

対決・名場面編集

関連機体編集

ズゴック
原型機。通常の一般機で、後にS型への生産に切り替えられた。
シャア専用ズゴック
専用のカラーリングに塗られているS型。
ズゴックE
本機の操縦性・運用性を改善する目的で統合整備計画で開発された後継機。

商品情報編集

リンク編集

脚注編集

  1. ジオニック社ツィマット社ザクIIドムゲルググなど各方面で主力とされるMSの開発・生産が最優先課題とされ、水陸両用MSそのものに振り分ける労力が少なかった。
  2. 無論、企業規模や軍の戦略、思惑などもあっただろうが、ズゴックの生産数の増加に伴ってマイナーチェンジを頻繁に繰り返していたのは事実である。