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3,258 バイト追加 、 2020年9月21日 (月) 19:42
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[[地球連邦政府]]の参謀次官[[アデナウアー・パラヤ]]の娘。<br />実母は離婚して家を出て行き、父の愛人とは険悪な仲という家庭環境で育ったためか、反抗心の強い我侭なお嬢様として育っていた。<br />[[ニュータイプ]]への関心が深く、インドでニュータイプ主義者の僧のもとで学び、自身もニュータイプとして高い資質を持っている。<br />ところが、父親によって強制的に宇宙へと連れていかれたことでクェスの運命が変わる。<br />ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せた[[アムロ・レイ]]や[[シャア・アズナブル]]と出会う。シャアの優しさに触れたクェスは「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。<br />そして、シャアに言われるがまま戦場へと駆りだされたクェスは父親を手にかけ、最期は[[ハサウェイ・ノア]]を庇うような形で死亡した。
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[[地球連邦政府]]の参謀次官[[アデナウアー・パラヤ]]の娘。<br />実母は離婚して家を出て行き、父の愛人・キャサリンとは険悪な仲という家庭環境で育ったためか、反抗心の強い我侭なお嬢様として育っていた。<br />[[ニュータイプ]]への関心が深く、インドでニュータイプ主義者の僧のもとで学び、自身もニュータイプとして高い資質を持っている。<br />父親によって強制的に宇宙へと連れていかれた際に[[ハサウェイ・ノア]]と知り合い、友人関係となっていくのだが、ニュータイプへの関心が強いクェスは初めての宇宙に惹かれ、かつてニュータイプとして名を馳せた[[アムロ・レイ]]や[[シャア・アズナブル]]と関わった事でクェスの運命は変わってしまう。<br />
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シャアの優しさに触れたクェスは「父親」を求めて彼のみを拠り所として慕う。<br />そして、シャアの思想に染まってしまったクェスは、彼に言われるがまま戦場へと駆りだされ、自覚無しに父親を手にかけてしまい、その後も[[α・アジール]]で戦場を暴れる事になるが、最期は自らを説得する為に戦場に飛び込んできたハサウェイを庇うような形で死亡てしまう事になった。
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客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。<br />小説版ではアムロに寄り添う[[ベルトーチカ・イルマ]]に、劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬し、またシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。
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客観的に見て、家庭環境の悪さがクェスの人格を狂わせ、利用されるがまま誰からも大事な存在と思われず、孤独に散った人生は自らの破滅という最悪な結果を生んでしまった。<br />小説版ではアムロに寄り添う[[ベルトーチカ・イルマ]]に、劇場版では[[チェーン・アギ]]に嫉妬し、またシャアに寄り添う[[ナナイ・ミゲル]]に敵意をむき出しにしていた。<br/>なお、一見性格に問題の見えないチェーンがクェスから毛嫌いされてしまった事について理解できないと思う視聴者も多いが、実はクェス本人にとってはチェーンを激しく嫌悪する確かな理由があった。チェーンは好意を寄せているアムロに対してはしおらしく振る舞って彼に追従したり献身的に接する反面、本人が側にいない所では容赦の無い物言いをしてしまう等、人によって態度が大きく変化してしまう部分があり、劇中冒頭における[[νガンダム]]の組み立て作業時においてもその姿が描かれていた。この「調子が良い」とも言える部分は、クェスから父親を奪った愛人のキャサリンと似通っており(キャサリンはクェスに苛烈な態度を見せるのに対し、彼女の父・アデナウアーに対しては甘える態度に出ている)、クェスはチェーンからキャサリンと似た空気を感じた結果、激しく毛嫌いする事になったのだと思われる。
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上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。<br />しかし、両親の愛情が薄い家族環境、高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格などは、実はTV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。<br />アムロは多くの出会いと別離を経て本当の意味でのニュータイプとして変革したのに対し、クェスはことごとく正反対の選択をし続けていった。<br />アムロを人類の変革すべき姿のひとつとして描かれているのなら、クェスは反面教師の姿として描かれていると言える。<br />つまるところ、優れたニュータイプ能力を持っていたとしても、結局は本人次第ということであろう。<br />作中の彼女の言動を見て共感できる人は多くはないと思われるが、このような描写からも他者と共感はできても他者からは共感はされない、という彼女の孤独が描かれている。<br />これは、月刊ニュータイプに掲載された[[富野由悠季]]氏のインタビューで「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」という言葉からも伺える。
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上映直後はそのエキセントリックな言動や、13歳という若さを顧みても非常に我儘な性格に、多くの反感があった。<br />しかし、両親の愛情が薄い家族環境、高いニュータイプ能力、自分勝手で自己を顧みない性格等は、実はTV版初期のアムロの姿とオーバーラップする。<br />アムロは多くの出会いと別離を経て本当の意味でのニュータイプとして変革したのに対し、クェスは悉く正反対の選択をし続けていった。<br />アムロを人類の変革すべき姿のひとつとして描かれているのなら、クェスは反面教師の姿として描かれていると言える。<br />つまるところ、優れたニュータイプ能力を持っていたとしても、結局は本人次第ということであろう。<br />作中の彼女の言動を見て共感できる人は多くはないと思われるが、このような描写からも他者と共感はできても他者からは共感はされない、という彼女の孤独が描かれている。<br />
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一方、劇中では友人となっていたハサウェイが、最もクェスと真剣に向き合おうとする様子が描かれている。<br />当初こそ一目惚れに過ぎなかったのかもしれないが、シャトルで怯えていた父親への態度等から彼女の中の鬱屈や孤独に気付いたのか、ハサウェイはクェスから何度拒絶されても彼女を見捨てようとはせず、遂には彼女を助けたいが為にプチモビでラー・カイラムに密航したり、ジェガンに乗り込んで危険な戦場に身を投じる程の行動力まで見せていた。しかし、戦場で再会した彼女からは拒絶され、そこに居合わせたチェーンからも離れるよう言われるが、それでもハサウェイは考えを変えようとはせず、チェーンのリ・ガズィの攻撃からクェスを庇う行動にまで出る。自らに攻撃が直撃する事に気付いたクェスは、この時になってようやくクェスはハサウェイを想った行動に出たのだが、その先に待っていたのは自分自身の死であった。この結末について、月刊ニュータイプに掲載された[[富野由悠季]]氏のインタビューでは「クェスのように最後の3秒間だけ人の気持を考えても遅いんです」というコメントが掲載されている。<br />後に、クェスの魂はハサウェイの夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。<br />また、一方では、ネオ・ジオンの[[ギュネイ・ガス]]からも好意を抱かれていたが、彼はニュータイプとしてのクェスにしか惹かれておらず、彼女個人の内面については見ようとしなかった。加えて、クェスの憧れの存在であったシャアへの侮蔑や悪い噂をするばかりか、自分が優秀である事をアピールをする等、口説き方としては最悪なやり方だった為、クェスはギュネイに対して煩わしいという感情しか持たなかった。
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ちなみにOVA版[[機動戦士ガンダムUC]]の終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。<br />機動戦士ガンダムUCは逆襲のシャアのオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。付き合いが短すぎたのも理由の一つと言えるが…。
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後に、[[ハサウェイ・ノア]]の夢に意識体となって姿をあらわすが、これもアムロ・レイとララァ・スンの関係に酷似している。<br />ちなみにOVA版[[機動戦士ガンダムUC]]の終盤でシャアらしき意識体の傍らにその姿はない。<br />機動戦士ガンダムUCは逆襲のシャアのオマージュ的描写を多く取り入れているが、意図的にそうしたのであれば、シャアにとってクェスは「その程度」の存在でしかなかったことの裏付けともなっている。
   
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
<!-- :[[作品名]]:解説 -->
 
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