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その設計思想は、極論すれば「連邦軍製MSの復興」にあったと言え<ref>連邦のMS関連技術はジオンに10年は遅れていると言われる事もあってか、戦後の兵器調達は公国系MSの採用を許容する風潮にあり、徴発・回収されたジオン系MSは相当数に上っていた。技術者たちも多く徴用されたため、コスト面などから考えれば公国系技術の採用や機体流用は効率的であった。</ref>、開発に携わった技術者も、機密保持の徹底のために連邦系技術者のみを採用していたが、ティターンズの目的はあくまで「オリジナルのガンダムを再検証する」ことにあったとされている。また、一年戦争の時点で連邦製MSの建造に参画したメーカーの多くは、戦後[[アナハイム・エレクトロニクス社]]と提携、あるいは傘下に組み込まれたが、ティターンズはそれら企業とも独自に契約を交わし、通常よりも厳しい守秘義務を課す事で、機密の漏洩を防ぐ手段を講じていた。
 
その設計思想は、極論すれば「連邦軍製MSの復興」にあったと言え<ref>連邦のMS関連技術はジオンに10年は遅れていると言われる事もあってか、戦後の兵器調達は公国系MSの採用を許容する風潮にあり、徴発・回収されたジオン系MSは相当数に上っていた。技術者たちも多く徴用されたため、コスト面などから考えれば公国系技術の採用や機体流用は効率的であった。</ref>、開発に携わった技術者も、機密保持の徹底のために連邦系技術者のみを採用していたが、ティターンズの目的はあくまで「オリジナルのガンダムを再検証する」ことにあったとされている。また、一年戦争の時点で連邦製MSの建造に参画したメーカーの多くは、戦後[[アナハイム・エレクトロニクス社]]と提携、あるいは傘下に組み込まれたが、ティターンズはそれら企業とも独自に契約を交わし、通常よりも厳しい守秘義務を課す事で、機密の漏洩を防ぐ手段を講じていた。
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最大の特徴はそれまでの[[モノコック構造]]やセミ・モノコック構造とは異なる「[[ムーバブルフレーム]]」と呼ばれる機体構造を採用した点で、[[全天周囲モニター]]と[[リニアシート]]を内装するインジェクション・ポッドを中心に、骨格のようにフレームを構築する事で人体に近い極めて柔軟な稼働を実現し、運動性や拡張性の向上に成功。このムーバブルフレームの採用に伴って、近接戦闘における戦術や戦法を再検討すべく、標準的な兵装に加え、武装のバリエーションも広範に模索されることとなった<ref>その際、一年戦争以降に接収された[[ジオン軍]]系武装に加え、封印された筈の[[デラーズ紛争]]期の兵装なども試験的に運用されたと言われ、最終的な仕様では採用されなかったパーツなども多数存在していた。</ref>。ガンダムMk-IIが装備するムーバブルフレームは、まさに人体を模した物であり、各関節にかかる負担を全身に分散させる機能も持っていたとされる。一方で、ガンダムとは異なり腕部にはビーム兵器を稼働させるほどのエネルギーサプライケーブルは内蔵されていない。これは本機が試作機である事もあって、複雑な腕部構造内に消耗率が高い部品を内蔵すべきではないという判断と、連邦独自の[[エネルギーCAP]]技術の進展を見越したために可能となった構造で、この機体に装備されるビーム兵器のほとんどは、基本的にそれぞれの武装が独自にエネルギー源を有している事が前提とされている<ref>ただし、オプション装備の実装情報はマウントラッチのI/Oポートなどを通じてリンクしており、回避行動や射撃に際しての稼働や機動に反映される。</ref>。
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最大の特徴はそれまでの[[モノコック構造]]やセミ・モノコック構造とは異なる「[[ムーバブルフレーム]]」と呼ばれる機体構造を採用した点で、[[全天周囲モニター]]と[[リニアシート]]を内装するイジェクション・ポッドを中心に、骨格のようにフレームを構築する事で人体に近い極めて柔軟な稼働を実現し、運動性や拡張性の向上に成功。このムーバブルフレームの採用に伴って、近接戦闘における戦術や戦法を再検討すべく、標準的な兵装に加え、武装のバリエーションも広範に模索されることとなった<ref>その際、一年戦争以降に接収された[[ジオン軍]]系武装に加え、封印された筈の[[デラーズ紛争]]期の兵装なども試験的に運用されたと言われ、最終的な仕様では採用されなかったパーツなども多数存在していた。</ref>。ガンダムMk-IIが装備するムーバブルフレームは、まさに人体を模した物であり、各関節にかかる負担を全身に分散させる機能も持っていたとされる。一方で、ガンダムとは異なり腕部にはビーム兵器を稼働させるほどのエネルギーサプライケーブルは内蔵されていない。これは本機が試作機である事もあって、複雑な腕部構造内に消耗率が高い部品を内蔵すべきではないという判断と、連邦独自の[[エネルギーCAP]]技術の進展を見越したために可能となった構造で、この機体に装備されるビーム兵器のほとんどは、基本的にそれぞれの武装が独自にエネルギー源を有している事が前提とされている<ref>ただし、オプション装備の実装情報はマウントラッチのI/Oポートなどを通じてリンクしており、回避行動や射撃に際しての稼働や機動に反映される。</ref>。
    
しかし、ムーバブルフレームは技術的にも不完全であった上に、素材の問題から強度不足が指摘されており、特に瞬発的な外力に対して剛性が不足していた。この強度不足は脚部フレームに顕著に見られ、グリーン・ノア1での試験までに計6度の設計変更が行われたが、根本的な解決には至らなかった。こうした問題と、4号機が起こしたとされる墜落事故のため、ティターンズは当初予定した量産計画を見送る事になった。確かな機体設計を有しながらも、ティターンズでは活躍の機会に恵まれなかったが、[[エゥーゴ]]がこれを強奪。アナハイムがその画期的なコンセプトを貪欲に取り込むことで、独自技術であったブロックビルドアップの問題点を解消したばかりか、停滞していた[[Ζ計画]]の進展も見る事となった。無論、ガンダムMk-IIそのものが抱えていた問題点の解消や改良はもとより、データバンクに収められていた装備も複製し、専用オプションの開発なども積極的に行われた。これにより、ティターンズにおいては既に旧式扱いされていたMk-IIは、当時の最新鋭機に匹敵するスペックを獲得する事になった。
 
しかし、ムーバブルフレームは技術的にも不完全であった上に、素材の問題から強度不足が指摘されており、特に瞬発的な外力に対して剛性が不足していた。この強度不足は脚部フレームに顕著に見られ、グリーン・ノア1での試験までに計6度の設計変更が行われたが、根本的な解決には至らなかった。こうした問題と、4号機が起こしたとされる墜落事故のため、ティターンズは当初予定した量産計画を見送る事になった。確かな機体設計を有しながらも、ティターンズでは活躍の機会に恵まれなかったが、[[エゥーゴ]]がこれを強奪。アナハイムがその画期的なコンセプトを貪欲に取り込むことで、独自技術であったブロックビルドアップの問題点を解消したばかりか、停滞していた[[Ζ計画]]の進展も見る事となった。無論、ガンダムMk-IIそのものが抱えていた問題点の解消や改良はもとより、データバンクに収められていた装備も複製し、専用オプションの開発なども積極的に行われた。これにより、ティターンズにおいては既に旧式扱いされていたMk-IIは、当時の最新鋭機に匹敵するスペックを獲得する事になった。
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== カラーバリエーション ==
 
== カラーバリエーション ==
 
;ティターンズカラー
 
;ティターンズカラー
:エゥーゴによる奪取以前のロールアウト当初のカラーリング。濃紺と黒を基調とした所謂「ティターンズカラー」に塗装されている。全4機が建造され、4号機は高速飛行試験中の墜落事故で失われ、3号機と2号機が[[カミーユ・ビダン]]によってエゥーゴへと強奪された。その後、ティターンズの人質作戦で一度は奪還されるも、カミーユがティターンズを離反した[[エマ・シーン]]と[[フランクリン・ビダン]]の協力を得た事で、全機がエゥーゴの手に渡る事になった。
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:エゥーゴによる奪取以前のロールアウト当初のカラーリング。濃紺と黒を基調とした所謂「ティターンズカラー」に塗装されている。<br/>全4機が建造され、4号機は高速飛行試験中の墜落事故で失われ、3号機と2号機が[[カミーユ・ビダン]]によってエゥーゴへと強奪された。その後、ティターンズの人質作戦で一度は奪還されるも、カミーユがティターンズを離反した[[エマ・シーン]]と[[フランクリン・ビダン]]の協力を得た事で、全機がエゥーゴの手に渡る事になった。
 
;エゥーゴカラー
 
;エゥーゴカラー
:エゥーゴによる奪取後に施されたカラーリング。白、黒、赤を基調としたカラーリングに塗装されている。強奪された機体の内[[アーガマ]]に残された1機を塗装を変更した上で実戦投入している。なお、もう1機は整備用のパーツ取りに解体され、最後の1機は[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に研究用に収用された。
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:エゥーゴによる奪取後に施されたカラーリング。白、黒、赤を基調としたカラーリングに塗装されている。強奪された機体の内[[アーガマ]]に残された1機を塗装を変更した上で実戦投入している。なお、もう1機は整備用のパーツ取りに解体され、最後の1機は[[アナハイム・エレクトロニクス社]]に研究用に収用された。<br/>アナハイムはこの機体をフライングアーマーなどを始めとする各種装備の実用試験のテストヘッドとしても活用し、その技術は並行して進んでいた新型機にもスピンオフされている。
 
;アムロ搭乗機
 
;アムロ搭乗機
 
:PS2専用ソフト「サンライズ英雄譚2」に登場したゲームオリジナルカラー。ガンダムと同様の赤、青、白のトリコロールカラーに塗装された[[アムロ・レイ|アムロ]]専用機で、一定条件を満たす事で入手可能。ゲーム発売時の懸賞としてフィギュア化されている他、2017年6月にはプレミアムバンダイ限定品としてRGの[[ガンプラ]]も発売された。
 
:PS2専用ソフト「サンライズ英雄譚2」に登場したゲームオリジナルカラー。ガンダムと同様の赤、青、白のトリコロールカラーに塗装された[[アムロ・レイ|アムロ]]専用機で、一定条件を満たす事で入手可能。ゲーム発売時の懸賞としてフィギュア化されている他、2017年6月にはプレミアムバンダイ限定品としてRGの[[ガンプラ]]も発売された。
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:カートリッジ式の弾倉を用いるタイプのバズーカ。上部にターゲットセンサーを有し、射撃精度が高いが、機関部は打突に使用する事もできるほどの堅牢さを誇る。通常弾等のほか、散弾なども用意されており、状況に応じて使い分けが可能。ビームの減衰率の高い大気圏内や水中などで使用されるケースが多かった。<br/>非使用時はリアスカートにマウントされ、弾倉はサイドスカートのラッチにマウントされる。<br/>ティターンズでは連邦純正の「'''H-Baz-85-Gry/Ver.045'''」、エゥーゴではアナハイム製の「'''H-Baz-87-A・E/Ver.004'''」「'''H-Baz-87-A・E/Ver.009'''」がそれぞれ使用された。
 
:カートリッジ式の弾倉を用いるタイプのバズーカ。上部にターゲットセンサーを有し、射撃精度が高いが、機関部は打突に使用する事もできるほどの堅牢さを誇る。通常弾等のほか、散弾なども用意されており、状況に応じて使い分けが可能。ビームの減衰率の高い大気圏内や水中などで使用されるケースが多かった。<br/>非使用時はリアスカートにマウントされ、弾倉はサイドスカートのラッチにマウントされる。<br/>ティターンズでは連邦純正の「'''H-Baz-85-Gry/Ver.045'''」、エゥーゴではアナハイム製の「'''H-Baz-87-A・E/Ver.004'''」「'''H-Baz-87-A・E/Ver.009'''」がそれぞれ使用された。
 
;シールド
 
;シールド
:全長を伸縮でき、慣性モーメントを調整出来るシールド。表面には耐ビームコーティングが施されており、数度のビーム直撃を減免する。裏面に予備のEパックやミサイル・ランチャーを装備できる他、上部にのぞき窓が設けられているため、シールドを構えながらの射撃も可能。<br/>主に腕部のマウント・ラッチに装着されるが、縮めた状態ならばサイドスカートにマウントして携行できた。<ref>実際に描写されたのは『ΖΖ』劇中のみ。</ref>。<br/>ティターンズでは「'''RX・M-Sh-VT/S-0001B'''」が、エゥーゴでは「'''RX・M-Sh-VT/S-001'''」と「'''RX・M-Sh-VT/S-008'''」が運用されている。<br/>『Ζ』第49話の[[ハンブラビ]]との戦闘後には喪失した左腕の代わりに、シールドを左肩のムーバブルフレームに直接装着する応急処置が施された。
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:全長を伸縮でき、慣性モーメントを調整出来るシールド。表面には耐ビームコーティングが施されており、数度のビーム直撃を減免する。裏面に予備のEパックやミサイル・ランチャーを装備できる他、上部にのぞき窓が設けられているため、シールドを構えながらの射撃も可能。<br/>主に腕部のマウント・ラッチに装着されるが、縮めた状態ならばサイドスカートにマウントして携行できた<ref>実際に描写されたのは『ΖΖ』劇中のみ。</ref>。<br/>ティターンズでは「'''RX・M-Sh-VT/S-0001B'''」が、エゥーゴでは「'''RX・M-Sh-VT/S-001'''」と「'''RX・M-Sh-VT/S-008'''」が運用されている。<br/>『Ζ』第49話の[[ハンブラビ]]との戦闘後には喪失した左腕の代わりに、シールドを左肩のムーバブルフレームに直接装着する応急処置が施された。
 
:;シールドランチャー
 
:;シールドランチャー
 
::シールド裏に装着された3連装ミサイルランチャー。『劇場版Ζ』で新規に設定された装備。
 
::シールド裏に装着された3連装ミサイルランチャー。『劇場版Ζ』で新規に設定された装備。
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;[[ガンダムMk-II試作0号機]]
 
;[[ガンダムMk-II試作0号機]]
 
:『ギレンの野望』シリーズに登場するゲームオリジナル機体。本機のプロトタイプに位置する。
 
:『ギレンの野望』シリーズに登場するゲームオリジナル機体。本機のプロトタイプに位置する。
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;[[ガンダムMk-III]]
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:アナハイム社が奪取した本機を解析し、そのデータを基に開発した発展機。
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;[[プロトタイプサイコガンダム]]
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:[[ムラサメ研究所]]が本機をベースに開発した[[ニュータイプ]]専用試作機。
 
;[[バーザム]]
 
;[[バーザム]]
 
:ティターンズの主力量産機。資料・媒体によっては本機の量産型または本機を参考に開発された量産機とされる。
 
:ティターンズの主力量産機。資料・媒体によっては本機の量産型または本機を参考に開発された量産機とされる。
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:;次世代試作機
 
:;次世代試作機
 
::『[[ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに|ADVANCE OF Ζ]]』の設定に登場する機体。[[ジム・クゥエル]]をベースとしたガンダムMk-II開発の為の試作機であり、頭部はアーリーヘイズルと同様の物に換装され、バックパックと武装(ビーム・ライフル、バルカンポッド、シールド)はMk-IIの物を装備。ふくらはぎ部分はガンダムNT-1と同様の形状となっている。長らく詳細設定の無い機体だったが、『[[A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-|A.O.Ζ Re-Boot]]』にて同型機[[ヘイズル・ケルデルク]]の設定に組み込まれた。
 
::『[[ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに|ADVANCE OF Ζ]]』の設定に登場する機体。[[ジム・クゥエル]]をベースとしたガンダムMk-II開発の為の試作機であり、頭部はアーリーヘイズルと同様の物に換装され、バックパックと武装(ビーム・ライフル、バルカンポッド、シールド)はMk-IIの物を装備。ふくらはぎ部分はガンダムNT-1と同様の形状となっている。長らく詳細設定の無い機体だったが、『[[A.O.Ζ Re-Boot ガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-|A.O.Ζ Re-Boot]]』にて同型機[[ヘイズル・ケルデルク]]の設定に組み込まれた。
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;[[ジェダ]]
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:ガンダムMk-IIの技術を用いて開発された量産検討機。
    
=== その他 ===
 
=== その他 ===
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