XM-X2ex クロスボーン・ガンダムX2改 (Crossbone Gundam X2 Kai)
- 登場作品:機動戦士クロスボーン・ガンダム、ガンダムEXA
- デザイナー:カトキハジメ
- 分類:他惑星用試作型モビルスーツ
- 装甲材質:ガンダリウム合金ハイセラミック複合材
- 頭頂高:15.9m
- 本体重量:不明
- 全備重量:不明
- 主動力:熱核融合炉
- ジェネレーター出力:5,280kw
- スラスター推力:不明(改修前と同程度)
- 開発組織:サナリィ(本体部)、木星帝国(新造部分)
- 主なパイロット:ザビーネ・シャル
木星帝国の試作型モビルスーツ。海賊軍から鹵獲したクロスボーン・ガンダムX2の改修機である。
中枢部であるコア・ファイターが捕虜となったトビア・アロナクスに奪還されて逃げられた為、その部分は木星軍が製造した物を使用している。しかし木星の技術力はガンダムの開発元であるサナリィよりも低く、それ故にコアブロックシステムは再現されておらず緊急時の脱出は不可能。背部のフレキシブルスラスターユニットも同等の推進力を取り戻させようと苦心した結果、サブスラスターや放熱フィンが追加されて大型化している。一方、本体部は特に変化はなく、基本性能も変わっていない。武装も基本的には同じ物を使用するが、バスター・ランチャーは木星軍によって新しく用意された。
コア・ブロック・システムのオミットという点を鑑みれば、結果的に本機は改悪された改修機とも言える。だが本体部のコンピュータから得たデータやこれまで観測した戦闘データ等を使い、中枢部の欠落した見慣れぬ機体の戦闘力を改修前とほぼ同程度にまで復元できたという事実は、木星軍の潜在的な開発能力の高さを物語っているのである。
型式番号の「ex」は改修に伴い便宜的に追加されたもの。
ゲームで登場する場合、X2とは差別化されている事が多い。例として『SDガンダム G GENERATIONシリーズ』ではX2改の方が僅かに高性能な反面、脱出機能やABCマントはオミットされている。
登場作品と操縦者
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 改造前の機体に引き続いてザビーネ・シャルが搭乗し、地球圏でキンケドゥのX1改と交戦。死の旋風隊との戦闘で消耗していたとはいえ、キンケドゥを圧倒し、勝利する。しかし、奇跡的に復活したキンケドゥと再戦して敗北。本機も破壊されている。
- ガンダムEXA
- ザビーネが乗り、レオス・アロイのエクストリームガンダムと戦って勝利している。
なお、この時はABCマントを装着していたが、レオスの攻撃で消失している。
装備・機能
特殊機能
- ABCマント
- MS用の追加装甲として用意された特殊装備。「ABC」は「アンチ・ビーム・コーティング」の略である。
耐ビーム材と特殊繊維から成るマントで、機体の全身を覆う事ができる対ビーム用リアクティブアーマーである。フルアーマーと違って、機体の機動力を落とす事無く防御力を向上させられる。ビームが着弾すると表面が蒸発し、エネルギーを相殺して機体を守る。ビーム・シールドと違って視認性が低く、機体のエネルギーを消費する事がないので稼働時間の延長にも繋がる。耐弾性は平均で通常のビーム・ライフル5発程度とされ、当時最強クラスのビーム兵器であるヴェスバーも1発なら相殺可能。
弱点として物理攻撃に対しては特に効果が無く、またビーム兵器であっても同じ部分を長時間攻撃し続けられると破られてしまう。製造コストも高額で、複数が造られたものの後に量産化は断念されている。なお本機がマントで全身を覆えるのはフレキシブルスラスターユニットを採用しているからで、通常のMSではメインスラスターまでマントで覆う事になる為に一部分でしか使用できない。
本編では使用されなかったが、『ガンダムEXA』登場時には装備されていた。 - 分離
- ABCマントを脱ぎ捨てる。
武装・必殺攻撃
- バルカン砲
- 頭部に2門内蔵されている。口径は不明。主に牽制やミサイルの迎撃等に使用される。
- ビーム・サーベル
- 両肩部に1本ずつ、計2本を格納されている。
- ビーム・ガン
- ビーム・サーベルは格納したままでもビーム・ガンとして使用可能。コア・ファイターの武装としても使用される。
- ザンバスター
- 本機専用のビーム・ライフル。前後で分離する事でバスターガンとビーム・ザンバーとして使用可能。腰部にマウントする際も分離される。
銃口にグレネード弾を装着して発射する事も可能。 - バスターガン
- ザンバスターのバレル部を構成するビーム・ピストルで、威力は低め。不使用時は右腰部にマウントされる。
- ビーム・ザンバー
- ザンバスターのグリップ部を構成する大型ビーム・サーベルで、名称は「斬馬刀」から取られている。本機の主兵装であり、バスターガンとの合体によるライフルとしての機能はあくまでも補助的なものでしかない。
大型の高出力ビーム刃を形成し、粒子を縦方向に偏向加速させている。これによって敵機をビーム・サーベルやビーム・シールド諸共両断できるようになった。だが相手のビーム出力の方が高い場合はその限りではない。
不使用時は左腰部にマウントされる。 - ヒート・ダガー
- 両脚部に格納されている実体式の短剣。発熱機能は無く、スラスターの排熱を使って刀身部を加熱する。
脹脛部から取り出して手に持つ以外に足裏から刀身を出せば蹴りの威力を強化できる。或いは足裏から射出して攻撃する事も可能。 - ブランド・マーカー
- 両腕部に装備されている格闘武器。ナックルガードのようにマニピュレーターに被せて四角錘状のビーム刃を形成した後、殴りつけて敵機の頭部やコクピット等を破壊する。そのままの状態でも肘打ちの要領で攻撃可能。
- ビーム・シールド
- ブランド・マーカーから展開可能。四角錘状のビーム刃の先端からシールドを形成する仕組みである為、通常のMSのそれとは異なり発生器をも覆う事ができる。
発生器は腕部から分離できるようになっているので、その状態でも内部に貯蔵されたエネルギーでシールドの形成を維持できる。 - シザー・アンカー
- フロントスカートを展開し、射出式のアンカーとしたもの。本体とはチェーンで接続されている。主に敵機の拘束や自機のポジション固定、接近戦時の牽制、間合い取り等に使用される他、手放した武器を掴んで振り回すといった使い方がされる事もある。
- ショット・ランサー
- 右腕部に装備される槍型の接近戦用武装。元々は旧クロスボーン・バンガードがコロニー内戦闘による住民への被害を抑える為に造った物で、MSを爆発させずに倒す為の武器である。
穂先はレール砲と同様の原理を用いる事によって打ち出せるようになっており、パイルバンカーのような使い方を可能とする。更に先端部は仕込まれた炸薬によって射出できるようになっている。
ザビーネは以前の乗機で使い慣れている為か、海賊軍にいた頃は好んでこの武器を使用していたが、実はX2改では一度も装備された事がない(ゲームや『ガンダムEXA』登場時には装備されている)。 - ヘビー・マシンガン
- ショット・ランサーに4門内蔵されている実弾兵器。先端部を射出した後も使用可能。
当然、こちらも本編では使用された事はない。 - バスター・ランチャー
- X2改用として木星軍が用意した大型ビーム砲で、射程距離がかなり長い。威力も遠距離から艦艇を容易く撃沈させられる程で、本体と接続した状態でエネルギーをチャージすれば更に強化できる。
対決・名場面
関連機体
- クロスボーン・ガンダムX2
- 改修前の姿。