ジェムズガン

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ジェムズガン
外国語表記 Jamesgun
登場作品
デザイナー 石垣純哉
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スペック
分類 汎用量産型モビルスーツ ⇒ 地上用量産型モビルスーツ
型式番号 RGM-119
頭頂高 14.7m
本体重量 7.1t
全備重量 16.3t
主動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 3,860kW
スラスター総推力 66,810kg
アポジモーター数 16
装甲材質 ガンダリウム合金セラミック複合材
開発組織 アナハイム・エレクトロニクス社
製造年月日 宇宙世紀0119年~
所属 地球連邦軍
主なパイロット ハリソン・マディン
ミッチェル・ドレック・ナー
連邦兵
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概要編集

アナハイム・エレクトロニクス社宇宙世紀0120年代に開発した地球連邦軍の正式量産型モビルスーツ。同時開発が行われたジャベリンとは兄弟機にあたる。

旧式化しつつあったヘビーガンの後継機種として開発された機体で、当初、軍の要求性能はヘビーガンと同程度のものでメンテナンスの簡潔さの方が重視されていた。しかし開発期間中にサナリィフォーミュラ計画が本格化した事で一連の小型モビルスーツ化に乗り遅れたアナハイムは、基本設計を終えたジェムズガンの設計変更を迫られることとなった。そして極秘プロジェクト「シルエットフォーミュラプロジェクト」から得られた技術を元に設計変更を行い、基本フレームの設計を同一にして宇宙用と地上用(コロニー内の運用も含む / 重力下用)の2種類の機体を開発するという方針になり、地上用の機体として完成したのがジェムズガンである。

地球連邦軍の量産機としては初めてビーム・シールドを採用しているが、堅牢かつ安全性や整備性も高く、また少ない改造での特殊環境への対応可能な高い環境適応能力を誇る。低コストで大量生産に適したモビルスーツであったものの、その戦闘力は当初の想定に達しなかった[1]

本機の正式採用は0119年であるものの生産が遅れたために、0123年のクロスボーン・バンガードの蜂起にあたって鎮圧部隊として参戦した機体はわずか7機に過ぎなかった。それも月面の連邦軍施設の防衛という任務であったため実戦における評価は未だに定まっていない。さらに本機で戦闘を経験したパイロットは口を揃えてジェネレーターの出力不足を指摘している[2]

熟練パイロットの評判は良くなかったものの、その反面、これといった故障も無く、アフリカや南米、また北極といった気象条件の厳しい地区でも若干の改造で運用できるという利点も併せ持つ機体でもあった。各地上基地で大量配備が行われたものの、宇宙世紀0150年代には実戦配備から30年近くが経過し、ジェムズガン生産終了後のジャベリンの地上対応型配備が進んでいる影響もあり旧式化している。ただ各地域の連邦軍駐屯地では大変重宝がられており、未だに稼働率の高い機体となっている。なお、現地での応急的な改造を除くとこれといった性能の変更は無い。

カラーバリエーション 編集

ヨーロッパ地区配備機 / 一般機
本機の塗装として一般によく知られるグレー標準塗装。一部の熱帯地帯を除いて0153年時での地球上に配備されている機体は、ほぼこのカラーリングに統一されている。
初期量産タイプ
本機の配備が開始した当初のカラーリング。宇宙世紀0120年から0125年頃までは、機体の塗装にそれまでのヘビーガンやGキャノンに採用されていたライトグリーンが用いられていた。コスモ・バビロニア建国戦争においてグラナダ守備隊に編入された初期生産分7機は全てこの塗装となっている。
コロニー守備隊機
スペースコロニーや各サイドの防衛用に配備されている機体。0130年頃まではライトグリーンが正式塗装だったものの、一年戦争時のジム・コマンドに採用されていたクリーム色と黒のツートンカラーに変更されている。
宇宙艦隊所属機
ジャベリンの配備が整うまでの間、暫定的に宇宙艦隊に配備されていた機体。それまでのRGM系列機に因んだ赤と白のツートンカラーに塗装されているが、実戦向けのものではなく艦隊の儀礼用に少数が塗り替えられたに過ぎない。スラスターとアポジモーターを宇宙用の物と換装したという説もあるが定かではない。
インド地区配備機
地球連邦軍の重要拠点があったチベットのラサ地区周辺に配備されている機体。ジム・スナイパーカスタムを彷彿とさせる緑と白のツートンカラーに塗装されているのが特徴。元々はホンコンシティを中心とするアジア地区の守備隊用の塗装であったとされる。
アマゾン地区守備隊
かつての地球連邦軍本営ジャブロー周辺の警備用に配備されている機体。密林仕様とも言われており、深緑と茶色のツートンカラーに塗装されている。その任務は資材や核燃料の盗難を防ぐといった程度のものとなっている。
AAAA隊 (一般型)
アフリカ戦線でベスパのアフリカ地区制圧部隊と渡り合った連邦軍のMS部隊「AAAA(フォーアベンジャー / 4人の復讐者)隊」の所属機。デザートカラーに塗装されており、砂漠用ジェムズガンを含めた計4機のMSでベスパに抵抗。リガ・ミリティアの夜襲戦闘部隊ブルーバード隊の協力を得つつ、ベスパの進軍をキリマンジャロ付近で食い止めた。

登場作品と操縦者編集

機動戦士Vガンダム
初登場作品。第11話で初登場した。0150年代では地上用モビルスーツとして各部隊に配備されているものの、0120年代の技術水準で設計されている同機は旧式化しており、ザンスカール帝国のモビルスーツには対抗できなくなっていた。作中でも目立った活躍はしておらず、端役としての役割がほとんどだった。
機動戦士Vガンダム ニューモビルスーツバリエーション
本機の通常カラーがヨーロッパ地区配備機として設定され、カラーバリエーションが多数掲載された。
機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート
「猿の衛星」でハリソン・マディンの部下の1人であるアランの搭乗機として登場。ハリソン専用ガンダムF91ジャベリンの3機でE計画の衛星内部を調査中、猿が操縦するバルブスの襲撃を受けてしまう。その際、先手を打とうとするも相手の素早い攻撃で一瞬にして右腕と右脚を破壊され戦闘不能に陥った。
機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
ヘビーガンに代わる形で地球連邦軍に配備されている。
機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
リガ・ミリティア所属機が登場する。
月刊モビルマシーン
VOLUME 24にて本機のプロトタイプである「プロト・ジェムズガン」の名が記されている。ヘビーガンの後継機を策定するRGM-X計画において共に主要な候補であったハーディガンを下して採用される形となり、やがて本機とジャベリンに繋がった事が語られている。

装備・機能編集

武装・必殺攻撃編集

バルカン砲
頭部に左右一対2門内蔵されている機関砲。連邦系量産機の伝統を引き継いだ武装である。
ビーム・サーベル
両腰のサイドアーマー内部に左右一対計2基収納されている接近戦用の武装。
ビーム・ライフル
本機に採用された小型のビーム・ライフル。整備性や生産性を重視した、簡易的な構造となっている。性能に関しては宇宙世紀0150年代の他機種のビーム・ライフルに比べて収束率が低く、ある意味ジェガン以前のジムシリーズ、つまり連邦軍向け一般量産機仕様ビーム・ライフルの仕様に戻ってしまった感が否めない。
ビーム・シールド
左腕部に装備されている防御兵装。連邦軍の量産機としては初めて採用された。
メガ・ビーム・バズーカ
元々はクラスターガンダムの装備。0150年代では連邦軍の標準的なオプション装備である。F90系列規格のハードポイントが無い本機ではハードポイント周りの機能と部品を省いた廉価量産品が採用されている。

その他 編集

スコップ
MSサイズの大きなスコップ。『V』第11話にてベチエンの旧飛行場の無舗装路を整備していた機体が使用。後でジュンコ・ジェンコガンイージが戦闘中に使用している。
爆雷
『V』第36話にてモトラッド艦隊アドラステアに対し、リガ・ミリティアと共に攻撃を仕掛けたジェムズガン部隊が使用。シュラク隊コニー・フランシスの指示で爆撃を開始したものの、足止めすら果たせなかった。
アンカーシールド
兵装兼作業用機器。伸縮自在のアンカーとある程度の強度のシールドを組み合わせた複合装備。『鋼鉄の7人』に登場した機体が使用。

対決・名場面編集

関連機体編集

強化型・改修機 編集

砂漠用ジェムズガン
AAAA隊によって現地改修された砂漠戦仕様。
ショートショルダー
対人用に改修された現地改修機。
ジェムズガン改
眼球型センサー・カメラを搭載したキュクロープス仕様。

系列機・派生機など 編集

ヘビーガン / ハーディガン
前世代機。ハーディガンに関しては機密機の要素が強かった事も有って繋がりが無いかの様に解説される事も多い。
プロト・ジェムズガン
RGM-X計画のコンペにおいてヘビーガンの後継機として採用されたプロトタイプ。
プロトタイプジャベリン
本機をベースにジャベリン用のパーツを用いて開発された、ジャベリンの試作機。
ジャベリン
基本フレームの設計を共用し、同時開発された宇宙用機体。
ジェイブス
小説版「機動戦士Vガンダム」第5巻に登場するジェムズガンの後継となる次期主力機。形式番号やスペックシートは公表されておらず、機体名以外の詳細は不明だが、外見はジェムズガンをやや一回り大型化した様な機体とされる。

商品情報編集

ガンプラ編集

資料リンク 編集

リンク編集

脚注編集

  1. ジェムズガンの原型はヘビーガンであり、そのヘビーガンの原型はジェガンである。再三に渡る旧式モビルスーツからのアップデートは同機の性能を相対的にだが著しく低下させた」との説が主張されることもあるが、実際の書籍では『VガンダムMSVハンドブック1 1993』にて「各部は旧式のRGM-89ジェガンの設計を踏襲している所が多い」としか言及されていない為、真偽は不明。また、シルエットフォーミュラプロジェクトの技術投入も行われているため、旧技術のみの機体ではない。少なくともジェネレーター出力はヘビーガンより1.34倍と大幅に向上し、スラスター総推力は低下しているが、機体の軽量化にも成功しているため、カタログスペック上はかなりの性能向上が図られている
  2. 一部には、この機体はMSではなくてMW(モビルワーカー / 工事用などの作業用機)だと言う声すらあるとされる