軌道エレベーター(Space elevator)
地上と静止軌道上の人工衛星を塔・ケーブルなどによって結び、エネルギーや物資を容易かつ大量に輸送できるようにしたもの。質量を支えるためのカウンターウェイトを宇宙側の先端に用意することで重量を支え、地上側はなるべく赤道に近いことが望ましい。
「宇宙エレベーター」とも呼ばれ、現実世界においてはスペースコロニーと同様に、現代ではコスト・技術面での課題の多さから構想段階に留まっている。もし実現すれば、ロケットなどを用いた輸送手段より大幅に経済的で環境への影響も少ないとされる。
各作品に登場した軌道エレベーター
タワー
『00』に登場。ユニオンが南アメリカのアマゾン川上流に建造したもので、三大勢力で最も早く完成している。
天柱(てんちゅう)
『00』に登場。人類革新連盟(人革連)がソロモン諸島北方海上に建造。低軌道ステーション「真柱」には人革連軍特務部隊「頂部」が駐屯している。1stシーズン第1話では完成10周年の記念式典が執り行われ、テロリストの襲撃を受けたことがソレスタルビーイングによる初の武力介入のうちの1つのきっかけとなる。また、ソーマ・ピーリスがアレルヤと共鳴したことで暴走、これに巻き込まれた「真柱」の一部が地球に向け落下するという事故も発生した。
ラ・トゥール ⇒ アフリカタワー
『00』に登場。AEUがアフリカ・ヴィクトリア湖西方に建造しているが完成が遅れており、エネルギー供給は開始されているもののリニアトレインなどの周辺設備は整っていない。2ndシーズンでは連邦に管理が移った上で「アフリカタワー」として完成した。アロウズによる「ブレイク・ピラー」事件にて甚大な被害を受けるが、連邦加盟国の技術支援により4か月で送電が再開されている。
キャピタル・タワー
『Gのレコンギスタ』に登場。キャピタル・シティ中心部にあり、宇宙世紀時代のものを改装して使用している。宇宙からもたらされるフォトン・バッテリーを運ぶ世界唯一の施設なので神聖視されている。全長8万km。地上発着地点を「ビクローバー」、タワーを往来するゴンドラを「クラウン」、タワー各所に配置されている宇宙ステーションを「ナット」と呼称する。ナットは全145基存在し、そのうち最下層のアンダーナットは事前工事用衛星を基にしたアンダーナットと呼ばれ、正規のナットには含まれていない。最上層のザンクト・ポルトはトワサンガから送られてくるバッテリーの積み下ろしを行う港であり、スコード教最大の聖域として特に神聖視されている。エレベーターの要であるケーブルは外部に露出しており、ケーブルとナットの間に発生させた「ミノフスキーマグネットレイフィールド」によって構造を安定させている。動力は地球そのものをバッテリーとしており、大気圏上層に発生する電力をケーブルで吸収し、稼働する。
アメノミハシラ
『SEED』外伝に登場。オーブが軌道エレベーターの宇宙側の拠点に当たる低軌道ステーションとして建造したものの、ユニウス戦役の開戦によって中断している。サハク姉弟の拠点として機能し、実質的には独立した軍事拠点となっている。
登場作品
- 機動戦士ガンダム00
- 太陽光発電衛星からの電力を地上に送る目的で地球上(赤道)に建設され、本来の発送電の役割だけでなくリニアトレインを用いた大気圏内外の物資・人員の輸送、観光などの目的にも使用されている。また防護システムとしてデブリの侵入を防ぐ電磁ネットや、デブリが衝突した時の衝撃を吸収するショックアブソーバーが設置されているものの、防衛の困難さと破壊時の被害の大きさから人類共通の財産として軌道エレベーターとその周辺施設への攻撃は国際条約で禁止されており、軍備も制限されている。
- 三本のエレベーターはそれぞれ低軌道・高軌道の二種のオービタルリングで接続されており、これに磁性流体を流す事で各タワーの強度を補っている。
- 1stシーズン時点では各三大国家群が一つずつ保有または建造中だったが、ソレスタルビーイングも秘密工場を設置したりガンダムやマイスターを輸送したりと極秘に利用していた。他作品におけるスペースコロニーや人工衛星、月面拠点などにあたる立ち位置で、その分コロニーなどの登場機会は少ない。
- ガンダム Gのレコンギスタ
- キャピタル・タワーが登場。地上にエネルギーをもたらすものであり、上記の通りスコード教の聖地として神聖視されている。キャピタル・テリトリィ発展の中心地であり、タワーの保守点検を行うキャピタル・ガード、防衛を担うキャピタル・アーミィの誕生の根本でもある。
関連用語
- スペースコロニー
- 同様に人類が宇宙で活動するための技術。
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