31行目: |
31行目: |
| | 母艦 = | | | 母艦 = |
| | 主なパイロット = | | | 主なパイロット = |
− | *[[ララァ・スン]](1号機) | + | *[[ララァ・スン]](2号機) |
− | *[[クスコ・アル]](2号機) | + | *[[クスコ・アル]](3号機) |
| }}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 --> | | }}<!-- 必要に応じて追加をお願いします。 --> |
| | | |
| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[フラナガン機関]]が開発した[[ジオン軍|ジオン公国軍]]の試作型[[モビルアーマー]]。 | + | [[ジオン軍|ジオン公国軍]]の[[ニュータイプ]]研究機関、[[フラナガン機関]]が開発したNT専用試作型[[モビルアーマー]]。 |
| | | |
− | 完全な[[ニュータイプ]]専用機として開発されており、搭載された[[サイコミュ|サイコミュ・システム]]で複数の無線式誘導兵器「ビット」を操作して[[オールレンジ攻撃]]を行う。機体前部にはスペースの広いコクピットが存在し、内部のほとんどはコンソールで埋め尽くされている。また、高性能の緩衝装置が搭載され、パイロットを加速Gから防護している。機体の制御もAMBACや[[アポジモーター]]ではなくジャイロによるシステムを採用しており、重心を変化させる事で対応するようになっている。このことからも、[[ララァ・スン]]のために可能な限りその負担を軽減するようにかなり気を使って設計されていることがわかる。そのため全体的に機体が肥大化しており旋回能力は低い。
| + | 全長80mを超える大型機だが、機体制御や火器管制の大半を[[サイコミュシステム]]を介して行う為、その巨体に反して反応性に優れる。コクピットも必要最低限の操縦機器が配されただけの簡素な構造となっており、そのスペースの大半は各種表示機器で占められている。また、コクピット周辺にはパイロットを高Gから保護する為の緩衝装置を有する。 |
| | | |
− | なおこの機体のデータから[[キュベレイ]]が開発されることになる([[プロトタイプ・キュベレイ]]にエルメスの名残が見られる)。
| + | 最大の特徴として、サイコミュによって制御される無線誘導式攻撃端末「[[ビット]]」を搭載し、高度な[[オールレンジ攻撃]]を実現している。当時のNT専用機のサイコミュ兵装の大半は有線コントロール方式を採用していたが、エルメスはそこから発展した無線式を採用した事で、ニュータイプ用兵器として「究極」と評された。 |
| | | |
− | なお、連邦軍は本機を「尖んがり帽子」のコードネームで、アムロはビットを「付録」(劇場版III)という仇名で呼んでいた。
| + | エルメスはオールレンジ攻撃を主観に置いた設計思想の為、接近戦を想定せず、クロー・アーム等を持たないシンプルな構造を有する。一方で、耐弾性能を重視した設計思想故に宇宙用の機体でありながら推進器の数は少なく、姿勢制御用バーニア等も設けられていない。これを補う為に機体安定用のジャイロが内蔵されており、方向転換などの際に補助的に作動する設計となっていた。 |
| | | |
| + | エルメスは[[グラナダ]]で数機(3機との説がある)の試作機が制作され、1号機がビットの暴走事故によって自爆、[[ララァ・スン]]の搭乗する2号機は一年戦争末期に実戦配備され、[[地球連邦軍 (UC)|連邦軍]]艦隊の駐留する[[コンペイトウ]]への長距離オールレンジ攻撃を行い、「ソロモンの亡霊」の異名で恐れられたが、その後[[ガンダム]]との交戦によって撃破された。 |
| + | |
| + | 本機の設計思想は後のNT専用機にも少なからず影響を与えており、[[アクシズ]]ではエルメスのMS化を目指した[[キュベレイ]]が開発され、ビットも小型化された[[ファンネル]]へと発展した。 |
| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
| ;[[機動戦士ガンダム]] | | ;[[機動戦士ガンダム]] |
53行目: |
56行目: |
| === 特殊機能 === | | === 特殊機能 === |
| ;[[サイコミュシステム]] | | ;[[サイコミュシステム]] |
− | :[[ブラウ・ブロ]]に引き続き搭載されたニュータイプ用のマン・マシン・インタフェース。 | + | :[[ブラウ・ブロ]]に引き続き搭載されたニュータイプ専用のマン・マシン・インタフェース。機体制御の他、火器管制にも用いられる。 |
| | | |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
− | ;メガ粒子砲 | + | ;[[メガ粒子砲]] |
− | :機体前面に2門内蔵。機体上方にも可動するため、頭上の敵機に対しても攻撃が可能。 | + | :機体前面に2門搭載されたビーム砲。機体前面に設けられたスリットに沿って上下に可動し、広い射角を有している。ただし、オールレンジ攻撃を主体としていたエルメスは接近戦闘を想定しておらず、補助兵器の域を出ていなかったと考えられている。 |
| ;ビット | | ;ビット |
− | :本機の主兵装で、本体の後部に10基(12基とする資料もある)搭載している。全長は8.4m。小型のジェネレーターが内蔵されており、主推進器となるバーニアと多数のアポジモーターが装備されている。また、モノアイも設置されている。これによって長距離攻撃やオールレンジ攻撃が可能となっている。これをベースとして、後にファンネル・ビットへと発展していく事となった。<br/>なお、『小説版1st』では爆薬(核弾頭)を装備したミサイル・タイプも含まれている。 | + | :本機の主兵装となる無線誘導式攻撃端末。小型航空機サイズの機体にビーム砲とそれを稼働させる為の超小型熱核反応炉、化学燃料ロケット方式のメインスラスt-あと無数の姿勢制御スラスターを備え、サイコミュのミノフスキー通信によって無線誘導される。機動性と隠匿性に優れ、複数来の同時制御によるオールレンジ攻撃を実現している。機体に備わったモノアイは、パイロットの知覚とリンクする事で母機が認識出来ない超長距離からの攻撃を可能とした。ただし、ビット自体の航続距離は短く、ビーム砲も10射が限界だったとされる。<br/>本体の後部に収納スペースを有しており、全10基(12基とする資料もある)を格納可能。ビットのサイズは全長8.4m、本体重量は9.5t。<br/>なお、『小説版1st』では爆薬(核弾頭)を装備したミサイル・タイプも含まれている。 |
| | | |
| == 対決・名場面など == | | == 対決・名場面など == |
65行目: |
68行目: |
| == 関連機体 == | | == 関連機体 == |
| === 同型機 === | | === 同型機 === |
| + | ;エルメス1号機 |
| + | :設定のみ。ララァ以外のニュータイプパイロットがテストを行っていたが、ビットの制御に失敗して自機を攻撃させてしまい自滅した。 |
| ;エルメス2号機 | | ;エルメス2号機 |
− | :設定のみ。ララァ以外のニュータイプパイロットがテストを行っていたが、ビットの制御に失敗して自機を攻撃させてしまい自滅する。また、小説版『[[機動戦士ガンダム (小説版)|1st]]』では[[クスコ・アル]]搭乗機として登場する。 | + | :ララァ機。小説版『[[機動戦士ガンダム (小説版)|1st]]』では[[クスコ・アル]]搭乗機として登場する。 |
| ;エルメス3号機 | | ;エルメス3号機 |
| :『[[MSV]]』では3号機がクスコ・アル搭乗機と設定されている。また、『[[SDガンダム GGENERATION モノアイ ガンダムズ|モノアイガンダムズ]]』及び『[[SDガンダム GGENERATION DS|GジェネDS]]』では[[ハマーン・カーン]]搭乗機として白い3号機が登場する。 | | :『[[MSV]]』では3号機がクスコ・アル搭乗機と設定されている。また、『[[SDガンダム GGENERATION モノアイ ガンダムズ|モノアイガンダムズ]]』及び『[[SDガンダム GGENERATION DS|GジェネDS]]』では[[ハマーン・カーン]]搭乗機として白い3号機が登場する。 |