36行目: |
36行目: |
| [[ジオン軍]]が[[一年戦争]]末期に、主力[[モビルスーツ]]として開発した機体。 | | [[ジオン軍]]が[[一年戦争]]末期に、主力[[モビルスーツ]]として開発した機体。 |
| | | |
− | 同時期に[[ギャン]]との形式的なコンペにより採用になった。開発にあたっては[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の[[ガンダム]]を意識しており、ジオン軍の量産機としては初の携行ビーム兵器、ビーム・ライフルとビーム・ナギナタを装備している。カラーリングは、緑とグレー。 | + | 同時期に[[ギャン]]との形式的なコンペにより採用になった。開発にあたっては[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の[[ガンダム]]を意識しており、ジオン軍の量産機としては初の携行ビーム兵器、ビーム・ライフルとビーム・ナギナタを装備している。カラーリングは緑とグレー。 |
| | | |
− | 開発当初は「MS-11」のコードナンバーを持つ機体であり、対MS戦闘を想定して、MSの運動性の向上を主眼に開発されていた。ただし前述の通り「ガンダム」の出現によって、対MS戦闘には単純な白兵、格闘能力以上が必要である事が明らかになったため、開発計画は統廃合され(MS-11自体は[[アクト・ザク]]のテストヘッド機となっている)、武装を含めて総合性能の向上が計られた。その為、ビーム兵器の携行が前提となり、本機の実戦投入が遅れた原因の1つになったとされている<ref>「MG シャア専用ゲルググ」の説明書内解説文など</ref>。本機の開発ベースとなった機体は[[高機動型ザクII]] (R-2型、R-3型)や上記のMS-11などが挙げられる。
| + | 当初は「MS-11」のコードナンバーで開発が進められ、対MS戦闘を想定してMSの運動性の向上を主眼に開発されていた。ただし前述の通り「ガンダム」の出現によって、本格的な対MS戦闘の必要性が浮き彫りとなり、開発計画は統廃合され(MS-11自体は[[アクト・ザク]]のテストヘッド機となっている)武装を含めて総合性能の向上が計られた。その際にビーム兵器の携行が前提となり、本機の実戦投入が遅れた原因の1つになったとされている<ref>「MG シャア専用ゲルググ」の説明書内解説文など</ref>。本機の開発ベースとなった機体は[[高機動型ザクII]] (R-2型、R-3型)や上記のMS-11などが挙げられる。 |
| | | |
− | ビーム兵器の運用のため、高出力なジェネレータを本機のために新開発した。これは、内蔵型メガ粒子砲をもつ水陸両用機のものをベースとしたが、水冷式をとることはできないので、胸部全周にもうけられたエアインテークから吸気する空冷式を採用した。
| + | ビーム兵器の運用のため、高出力なジェネレータを本機のために新開発した。これは、内蔵型メガ粒子砲をもつ水陸両用機のものをベースとしたが、水冷式をとることはできないので、胸部全周にもうけられたエアインテークから吸気する空冷式を採用した。また、[[ザクII]]や[[グフ]]などに見られた動力パイプは、被弾を抑えるため内蔵式に変更されている。 |
| | | |
− | スラスターの付いたバックパックを装備せず、腰部スカート内、脚部フレア内にドムのエンジン技術を用いたスラスターを設けている。これは他のモビルスーツにはない特徴である。このため、様々なバックパックを追加装備することで、[[高機動型ゲルググ|高機動型]]や[[ゲルググキャノン|キャノン型]]のように運用方法を変えることができる。また、大気圏内での機動性の向上のため、前腕部に補助スラスターを内蔵している。しかし、宇宙空間ではデッドウェイトとなるので、武器に換装することもある。[[ザクII]]や[[グフ]]などに見られた頭部と脚部の動力パイプは、被弾を抑えるため内蔵している。
| + | スラスターの付いたバックパックを装備せず、腰部スカート内、脚部フレア内にドムのエンジン技術を用いたスラスターを設けている。これは他のモビルスーツにはない特徴であり、背面に様々な仕様のバックパックを追加装備することで、[[高機動型ゲルググ|高機動型]]や[[ゲルググキャノン|キャノン型]]のように運用方法を変えることができる。大気圏内での機動性の向上のため、前腕部に補助スラスターを内蔵しているが、宙間戦闘ではデッドウェイトとなる為、武器に換装する事も想定されている。 |
| | | |
| 量産型のモビルスーツとしては破格の性能があり、ガンダムに迫るものがあったが、投入次期がジオン劣勢の終局であり、多くは熟練されていない学徒兵によって運用されたこと、また、扱いなれたザクIIや[[リック・ドム]]に好んで搭乗するパイロットがいたこともあって、結局戦局を覆すことはできず、戦争は連邦軍勝利で幕を閉じた。一部は地上部隊にも配備され、北アフリカ方面にその姿が見かける。 | | 量産型のモビルスーツとしては破格の性能があり、ガンダムに迫るものがあったが、投入次期がジオン劣勢の終局であり、多くは熟練されていない学徒兵によって運用されたこと、また、扱いなれたザクIIや[[リック・ドム]]に好んで搭乗するパイロットがいたこともあって、結局戦局を覆すことはできず、戦争は連邦軍勝利で幕を閉じた。一部は地上部隊にも配備され、北アフリカ方面にその姿が見かける。 |
| | | |
− | 本機はザクや連邦軍のジムのように、多くの派生型が存在する。本機の量産にあたって先行量産機(MS-14SあるいはYMS-14)が25機生産され、その一部がエース専用機としてカラーリングされて運用された。そのうちの1機が[[シャア専用ゲルググ]]であり、残りもエースパイロットで編成したキマイラ隊などにバックパックとともに配備された。 | + | 本機はザクや連邦軍のジムのように、多くの派生型が存在する。本機の量産にあたって先行量産機(MS-14SあるいはYMS-14)が25機生産され、その一部がエース専用機としてカラーリングされて運用された。そのうちの1機が[[シャア専用ゲルググ]]であり、残りもエースパイロットで編成した[[キマイラ隊]]などにバックパックとともに配備された。 |
| | | |
| 増加スラスターパックを装備するB型と、ビーム・キャノンパックを装備するC型は、戦地でバックパックのみを換装することが可能で、戦場で最初にB型で出撃し、補給に戻った母艦でC型で再出撃したパイロットもいる。 | | 増加スラスターパックを装備するB型と、ビーム・キャノンパックを装備するC型は、戦地でバックパックのみを換装することが可能で、戦場で最初にB型で出撃し、補給に戻った母艦でC型で再出撃したパイロットもいる。 |
75行目: |
75行目: |
| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
| ;ビーム・ライフル | | ;ビーム・ライフル |
− | :量産機としてはジオン初の携行ビーム兵器。高性能センサーにより高い照準値を誇る。しかし、開発・生産が遅れたことで前線への本武装の配備が遅れ、ジャイアント・バズや120mmマシンガンを装備する機体もあった。余談だが、媒体によってトリガーガードのサイズにバラつきがあり、ガード内に入れる指が人差し指、人差し指と中指、親指以外の3種類に分かれる。 | + | :量産機としてはジオン初の携行ビーム兵器。ガンダムの使用するそれに勝るとも劣らない性能を持ち、高性能センサーにより高い照準値を誇る。しかし、開発・生産が遅れたことで前線への本武装の配備が遅れ、ジャイアント・バズや120mmマシンガンを装備する機体もあった。余談だが、媒体によってトリガーガードのサイズにバラつきがあり、ガード内に入れる指が人差し指、人差し指と中指、親指以外の3種類に分かれる。 |
| ;ジャイアント・バズ | | ;ジャイアント・バズ |
− | :ロケット推進で360mm口径の実弾を射出するバズーカ。[[ドム]]からの流用。『Ζ』第26話で本装備の機体が登場している。 | + | :ロケット推進で360mm口径の実弾を射出するバズーカ。[[ドム]]からの流用装備。『Ζ』第26話で本装備の機体が登場している。 |
| ;120mmマシンガン | | ;120mmマシンガン |
− | :いわゆるザク・マシンガン。[[ザクII]]からの流用。 | + | :[[ザクII]]の主兵装。所謂ザク・マシンガンと呼ばれる装備。 |
| ;110mm速射砲 | | ;110mm速射砲 |
− | :前腕部の補助推進装置を使わない、宇宙で運用される機体は、代わりに前腕部に装備する。 | + | :宇宙空間での運用など、前腕部の補助推進装置を使わない場合は代わりに前腕部に装備する。 |
| ;ビーム・ナギナタ | | ;ビーム・ナギナタ |
− | :量産機としてはジオン初の携行ビーム兵器。柄の両端からS字にビーム刃が発生。ただし取り回しに難があり、振り回すと自身を斬ってしまいかねないので、ビーム刃を片側のみ発生させて使用するパイロットもいる。 | + | :量産機としてはジオン初の携行ビーム兵器。柄の両端からS字にビーム刃を発生させる。ただし取り回しに難があり、下手に振り回すと自身を斬ってしまいかねないので、ビーム刃を片側のみ発生させて使用するパイロットもいる。 |
| ;シールド | | ;シールド |
| :ラグビーボールのような端の尖った楕円形のシールド。耐ビームコーティングが施されている。非使用時は背中にマウントする。 | | :ラグビーボールのような端の尖った楕円形のシールド。耐ビームコーティングが施されている。非使用時は背中にマウントする。 |
121行目: |
121行目: |
| ::[[シーマ・ガラハウ]]専用機。プロペラントタンクが増設されている。 | | ::[[シーマ・ガラハウ]]専用機。プロペラントタンクが増設されている。 |
| :;[[ゲルググ[シュトゥッツァー]]] | | :;[[ゲルググ[シュトゥッツァー]]] |
− | ::ジオン残党軍が独自に改修した機体。 | + | ::ジオン残党軍がゲルググMを独自に改修した機体。 |
| ;[[ゲルググJ]] | | ;[[ゲルググJ]] |
| :[[統合整備計画]]によって再設計された性能向上機。宇宙空間での運動性や機動力、通信系が強化されている。 | | :[[統合整備計画]]によって再設計された性能向上機。宇宙空間での運動性や機動力、通信系が強化されている。 |
| ;[[リゲルグ]] | | ;[[リゲルグ]] |
| :[[第一次ネオ・ジオン抗争]]当時の最新技術で再設計・生産したゲルググ。 | | :[[第一次ネオ・ジオン抗争]]当時の最新技術で再設計・生産したゲルググ。 |
| + | :;[[ゲルググ(オーラフ・デール機)]] |
| + | ::ゲルググJをベースにした[[オーラフ・デール]]搭乗機。 |
| + | :;[[ゲルググ・ウェルテクス]] |
| + | ::[[キマイラ隊]]仕様機。リゲルグのウイング・バインダーをバックパックに移設した機体。 |
| ;[[RFゲルググ]] | | ;[[RFゲルググ]] |
| :[[オールズモビル]]が運用している本機を模した機体。 | | :[[オールズモビル]]が運用している本機を模した機体。 |