シャア・アズナブル
シャア・アズナブル(Char Aznable)
- 登場作品:
- 声優:池田秀一
- 種族・性別:スペースノイド・男
- 生年月日:
- 年齢:20歳(1st)⇒27歳(Ζ)⇒34歳(CCA)
- 身長:---cm
- 体重:---kg
- 血液型:
- 所属:ジオン公国軍(1st)⇒エゥーゴ(Ζ)⇒ネオ・ジオン(CCA)
- 階級:少佐⇒大佐(1st)、大尉(Ζ)、総帥(CCA)
- 役職・称号など:指揮官、MSパイロット、エゥーゴ指導者、ネオ・ジオン軍指導者、赤い彗星
- 主な搭乗機:シャア専用ザクII、他
- キャラクターデザイン:安彦良和
『機動戦士ガンダム』のみならず、ガンダムシリーズ全体を通してみても、一番有名な登場人物。 アニメ界のみならず、その後のありとあらゆるジャンルでも彼の影響と思われる描写・表現は用いられており、「仮面の美男子」「赤くて3倍」は、もはや出典の説明を要さないほど。 その多様性は社会現象を通り越し、もはや一つの共通概念として認識されているといっても過言ではないだろう。
「機動戦士ガンダム」、「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」では主人公アムロ・レイに立ちはだかる敵として、「機動戦士Ζガンダム」では主人公カミーユ・ビダンを導く大人の一人として登場する。
機動戦士ガンダム
- 専用の真紅の軍服を纏い、特徴的なヘルメットと仮面で素顔を隠した優れたパイロットで、物語開始前に行われた激戦「ルウム戦役」で5隻の戦艦を墜としたエース。人呼んで「赤い彗星」。
謎めいた姿と裏腹に意外と社交的で周囲からは一目置かれている。
事故で顔に醜い火傷が残っているため顔を隠していると周囲には噂されているが、実は正体を隠すため。本名はキャスバル・レム・ダイクン。ニュータイプ思想「ジオニズム」の提唱者ジオン・ズム・ダイクンの長男である。
- 父が動乱期のサイド3で政治家であったため幼少期の友人はほとんどおらず、母と妹の傍で寄りそう物静かな少年だった。
父が謀殺された後はジオン派だったラル家の庇護を受け、ザビ家による迫害を逃れて地球に降りる。マス家の養子「エドワゥ・マス」として育つがザビ家への復讐を誓って家出。
ザビ家に近づく為に名前を「シャア・アズナブル」と改めジオン軍に入隊。士官学校ではザビ家四男のガルマと同期だった。
- 序盤こそジオン軍のパイロットとして連邦とガンダム打倒のためにアムロ・レイとホワイトベース隊の前に立ちふさがるが、ララァ・スンの死によって個人的にも打倒アムロに執着。
しかし敵対しながらもお互いを理解しあい、その可能性を危険視しながらも敵であるアムロと手を組もうとさえした。
最終的には戦局が徐々に劣勢となっていくなか、ザビ家の主導権争いの混乱に乗じてキシリア・ザビを暗殺、復讐を果たした。
- MS操縦技術に優れ、通常のザクの3割増の出力しかない指揮官用ザクを乗りこなし、「通常の3倍の速度」と恐れられる高速戦闘を展開する。ルウム戦役で五隻もの戦艦を沈めた事で有名になり、赤い彗星の異名をとるようになる。「通常の3倍の速度」とパーソナルカラーの「赤」から、「赤い物は通常の物の3倍の性能」とされる。
機動戦士ガンダム THE ORIGINのシャア・アズナブル
- THE ORIGINでは我々が認識するところのシャア・アズナブルは実は偽物で、本物の「シャア・アズナブル」はエドワゥ・マスが地球から逃れてテキサスコロニーに移住した際にかかわりを持ったアズナブル家の長男。
他人の空似だがエドワゥ・マスとうり二つの容姿をしており、瞳が赤い以外は妹のセイラ・マスも一瞬間違えてしまうほどよく似ている。顔は似てるが性格は正反対の明るく人懐っこい普通の青年。
- 本物のシャア・アズナブルが士官学校への入学・入寮に合わせて一緒にテキサスコロニーを出奔したエドワゥ・マスは、自分がザビ家からの監視を受けていることを知り二人が入れ替わってシャトルに搭乗するよう仕向ける。果たして、本物のシャアはエドワゥ・マスとして「事故死」してしまう。
- この「事故」以降、エドワゥはシャア・アズナブルとなり、士官学校へ入学。作中では連邦の弾圧から高まっていた不満を士官候補生たちを扇動して「暁の蜂起」を起こし、のちの一年戦争の引き金となった。
機動戦士Zガンダム
- クワトロ・バジーナ参照。
登場作品と役柄
- 機動戦士ガンダム
- 赤い彗星の二つ名で知られるエースとして、アムロ達の前に立ち塞がる。パーソナルカラーは赤だが、胴部分のみが赤で他はピンクに近いという機体が多い。
- 機動戦士ガンダム THE ORIGIN
- 「本物のシャア・アズナブル」が登場。キャスバルと瞳の色以外の容姿がそっくり。「エドワゥ・マス」として事故死(実際はザビ家による謀殺)し、キャスバルは「シャア・アズナブル」になりすましてジオン士官学校に入学する。
- 機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像
- 一年戦争の終結後、小惑星アクシズに逃れる。そこでハマーン・カーンと出会うが…。
- 機動戦士Ζガンダム
- 一年戦争の後、戦後の混乱に紛れ、クワトロ・バジーナの偽名を使って地球連邦軍の軍籍を得る。後にエゥーゴへ。初期の頃からほとんどのキャラにシャアだとバレてはいたものの、その事を表立って口にする者は多くなかった。後にダカール演説を行う際に、自らが「シャア・アズナブル」であった事を明かす。
- 機動戦士Ζガンダム A New Translation
- 機動戦士ガンダムハイ・ストリーマー
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- ネオ・ジオンの総帥となった。依然として地球にしがみつく人々の存在に絶望し、地球に住む人類の粛正を目論む。更に対等の条件でアムロとの因縁に決着をつける為、わざとサイコフレームの情報をリークする。
- 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
- 名前のみ登場。
人間関係
「クワトロ・バジーナ」を名乗っていた頃の人間関係は当該項目を参照。
- アムロ・レイ
- 誰もが知る永遠のライバル。彼がララァを殺してしまったこと、そして素直にNTの有り様を戦場で示し過ぎたのはシャアの人生を狂わせた原因でもある。
- ララァ・スン
- 自分を導いてくれるNT(母親)になってくれたかもしれない女性(ひと)。アムロとララァが意識の共鳴を起こしてしまった際に嫉妬からシャアは二人の間に割って入るが、そこに妹のセイラも割って入って逆にシャアが危機に陥った挙句、アムロの攻撃からシャアを庇って死亡してしまう。
- セイラ・マス
- 実妹。金塊を送る、ホワイトベースから降りるよう手紙を書くなど戦争から遠ざける為にシャアから散々手を尽くされたが無視された。あげく父親のニュータイプ論を危険な方向に解釈していたシャアを鬼子呼ばわりした。金塊だけはがめた。
- ソロモン付近の宙域の戦闘でアムロと共に迎撃に出た際、シャアにコクピットを破壊されそうになるが、ララァの制止により事なきを得る。
- ガルマ・ザビ
- 士官学校の同期。友人関係は良好だったが、シャアにとってはザビ家へ復讐するために利用する存在でしかなかった。ニューヤーク市内での戦闘中に謀殺する。
- ドズル・ザビ
- 当初は彼の部下だったが、ガルマを守れなかったとして左遷される。
- キシリア・ザビ
- 左遷されていたところを拾われ、重用された。それでもザビ家憎しの感情は棄てられず、また、ザビ家が内輪もめに近い形で組織を混乱させ、悪戯に戦線を拡大、犠牲を増やしてしまったことから、ザビ家を放置しても置けず、彼女が戦場から脱出しようとしたところをバズーカで射殺。しかしザビ家そのものが全て憎いというわけではなく、後にミネバ・ラオ・ザビを保護し、健常に養育している。
- ミネバ・ラオ・ザビ
- ザビ家の忘れ形見。長らく地球圏を離れ、アクシズで育てられるが、養育係であったハマーン・カーンによって「ジオンの旗頭」として大変に偏向教育を施される。第二・第三のジオン公国、そして一年戦争の悲劇を繰り返す原因になると危惧したシャアによって匿われ、ハマーンから離されて健常に育てられた。立派に成長した姿は機動戦士ガンダムUCで見られる。
- パオロ・カシアス
- 連邦軍の将校。「3倍のスピード」という報告から「赤い彗星のシャアだ」と説明してくれた人。
- ハマーン・カーン
- アクシズに潜伏中に道を共にした女性。ミネバへの教育方針等で考え方の対立があり、シャアはアクシズから一時離脱。そんなシャアをハマーンが棄てたと思い込んだ。。
「若き彗星の肖像」では、ハマーンから憧れられている描写が克明に描かれた。また、秘密裏にサイド3を視察する為に一度だけ新婚夫婦の振りをした事もあった。
名台詞
クワトロ・バジーナとしての名台詞は当該項目を参照。
一年戦争時
- 「認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを」
- 部下が先走って、結果的に二人のパイロットと2機のザクを失った時の言葉。本人が若造だということは言うまでもない。
今でこそシャアの名台詞として認知されているものの、富野監督によれば当時、大手雑誌の編集者から「これでは当たるわけがないよなぁ」とこき下ろされた事を今でも覚えているという。 - 「当たらなければどうということはない」
- シャアの代表的なセリフ。言葉だけを見れば当たり前なのだが、彼の乗るザクII(シャア専用ザクII)は極端なカスタマイズを施されており、高い推進力と広い可動域によって異常な機動性を誇る反面、関節部の耐久性に難があったり、燃費の問題、そして軽量化のために武装や装甲を犠牲にしている。さらに彼の操縦は、四肢で機体バランスを取っていたり、障害物を蹴ることで加速・方向転換など想定外の使い方をしている。そのためちょっとした被害でも文字通り命取りになり、「当たらなければ…」と簡単に言ってのけるあたりに彼の自信と優れた操縦技術を感じさせる。後に機動戦士ガンダムUCでフル・フロンタルも用いていた。
- 「…坊やだからさ」
- ガルマ・ザビを見殺しにした(実際は率先して戦死するよう仕向けた)為に左遷された後、場末の酒場でギレン・ザビの「ガルマは死んだ。何故だ!」のガルマ追悼演説を聴いた時に受け答える形で呟いた言葉。
- 「ヘルメットがなければ即死だった」
- アムロとの生身での一騎打ちの末、アムロは左腕を、シャアはヘルメットを貫かれて引き分け。その傷をセイラに尋ねられて。
これはアムロの技量がシャアを上回っていた証拠とも、シャアがヘルメットの強度を視野に入れてあえてヘルメットで受けたとも解釈されている。
余談だが、一時バイク業界などでヘルメット着用の重要性からこのフレーズを用いたり、赤くペイントした「シャア専用ヘルメット」が販売されたり、ノーヘル撲滅のために一役買った名言らしい。
第二次ネオ・ジオン抗争時
- 「私、シャア・アズナブルが粛清しようというのだ、アムロ!」
- 「それでこそ私のライバルだ!」
- 「結局…遅かれ早かれ、こんな悲しみだけが広がって地球を押しつぶすのだ…。ならば人類は自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して贖罪しなければならん!アムロ…なんでこれが解らん…!?」
- 「ララァ・スンは、私の母になってくれたかもしれなかった女性だ!そのララァを殺したお前に言えた事か!?」
搭乗機体・関連機体
クワトロ・バジーナとしての搭乗・関連機体は当該項目を参照。
機動戦士ガンダム
- シャア専用ザクII
- シャア専用ズゴック
- シャア専用ゲルググ
- ジオング
- シャア専用リック・ドム
- 小説版での搭乗機で、ビーム・バズーカを装備している。小説版ではリック・ドムがジオン軍最後のMSとなっているため、ゲルググとジオングは登場しない。