ビームシールド(Beam Shield)
その名の通り、ビームで形成されたシールドの事である。複数作品に様々な設定で登場する。
宇宙世紀
U.C.0110年頃に実用化された防御兵装。中央に位置する発生器から膜状に展開したメガ粒子ビームである「シールドビーム」を盾としたものであり、ガンダムF90-Vタイプやクロスボーン・バンガード系MS等に装備され、第二期MSの標準装備として普及した。原理としてはビーム・サーベルの発生領域を広げたアレンジ技術である[1]。
ビーム・シールド登場以前の実体式シールドはビーム兵器の攻撃を完全に遮る事は出来ず[2]、またIフィールド・ジェネレーターも機体を完全防御可能なレベルの物は装備の大型化を招き、小型の物も防御範囲が狭く耐えられる攻撃にも限度があるなどの欠点が様々に存在した。一方、ビーム・シールドはメガ粒子ビームでメガ粒子ビームを相殺し、実体弾兵器もビームの粒子反応で破壊防御するため、防御力が格段に向上している。またビームは透過している性質上、防御を行いつつ相手の行動を伺う事も出来る。
シールドビーム自体はビーム・サーベルと同じ性質の為、そのまま切断攻撃に転用する事も可能[3]。またシールドビームは形成形状にある程度自由が利き、発生器に複数搭載されているビーム形成機単位で発生部をカットし部分的に「シールドの隙間」を形成出来る。
一方で発光体であるビームを防御に使用関係上、遠距離でも目立ってしまう事や、長時間使用によってセンサーやカメラに悪影響を及ぼしやすいなどの短所も存在する。加えて艦砲やヴェスバーなどの高出力ビームは防ぎきれず貫通してしまう。また一定以上の大型質量物をぶつけられるとビームによる破壊より前に物体が貫通し、無力化されてしまう[4]。
コズミック・イラ
ユーラシア連邦が保有していた光波防御帯、通称「アルテミスの傘」から発展した技術。防御力が高い反面エネルギー消費が激しく、バッテリー動力では長時間の安定稼働が出来ないが、核エンジン搭載機の場合はその限りではない。またC.E.世界の高水準のビームコーティングを施した実体兵器の前には無力化されるリスクもある。
ヤキン・ドゥーエ戦役時はユーラシア連邦の機体であるハイぺリオンに実験的に搭載されていたが、ユニウス戦役時は大西洋連邦にも技術が行きわたっており、発展型である陽電子リフレクターを搭載した機体が多数戦線投入され、更にデスティニー、ストライクフリーダム等にも標準装備された。
西暦
アリオスガンダムやアルケーガンダムに採用されている「GNビームシールド」が該当。ビームは攻撃に転用出来る為、アリオスガンダムは主に近接攻撃に使用している。
関連作品と使われ方
関連用語
余談
- 本装備は模型商品を制作する際、比較的小型な発生器と発生するシールドビーム部を再現するクリアープラパーツのみで構成可能な為、造形コストを抑えられる部分が有った。しかし、作中内全機体の標準装備としてしまった際にデザインが単調化してしまう事や、使用時も機体全体を描かなければならないといった作画班への負担が増加した。その為、Vガンダムで一旦その系譜が途絶え、SEEDシリーズで復活して以降は特定機体の特殊装備にする等様々な策が採られている。
リンク
脚注
- ↑ 一部資料ではνガンダム搭載のフィン・ファンネルの機能にその源流を求める記述があるが、時系列的に初のビームシールド搭載機であるガンダムF90-Vタイプの解説に於いて「フィン・ファンネルの原理とは異なる」という内容が言及されている。
- ↑ ビームコーティングなどが完全に効果を発揮しても若干のダメージは受けるので連続着弾などはなるべく避けた方がよい
- ↑ ゾロアット等は初めから防御用途のビームシールドと攻撃用途のビームカッターを使い分け易い様な配置にされている。
- ↑ この弱点性質を利用しているのがジャベリンのショットランサーやリガ・ミリティアのヴィクトリー系列機で行われていた機体構成パーツの射出体当たりによる高質量投射攻撃「パーツアタック」である。