オリンポス・キャノン (Olympos Canon)
オールズモビルが火星オリンポス山に設置した電磁火山砲。オリンポス山の超高圧蒸気で射出された岩塊をミノフスキー斥力電磁誘導により更に加速させ、地球を狙撃する。
オリンポス・キャノンを内包するオリンポス基地も大規模な設備を有しており、「ソロモンの火星版」と呼ばれる軍備を誇る。
オールズモビルが長い年月をかけて作り上げた最終兵器であり、理論上は84トン近い岩塊を射出可能。その威力はコロニーレーザーにも匹敵するとされ、本来の計画では8,000トン近い砲弾で地球を爆撃する予定であった。第一次オールズモビル戦役の際には照準装置が未完成の状態でありながら使用され、初弾は火星軌道上に展開していたアドミラル・ティアンムを撃沈するが、発射直後に動力炉に欠陥があったことが判明。発射時の圧力に耐えきれず、オリンポス基地はそれによって崩壊した。
オリンポス・キャノンは数十年前から組まれていた地球侵攻計画の一環であり、連邦本土を攻撃することで地球圏のスペースノイドに決起を促すことを想定していた。
登場作品
- 機動戦士ガンダムF90
- 初登場作品。物語後半の舞台となり、第13独立機動艦隊とオールズモビルの最終決戦が描かれた。両軍の戦闘中に初弾が発射され、アドミラル・ティアンムを轟沈したものの、動力炉の欠陥によって基地は崩壊。基地内の職員も一時退避を余儀なくされ、オールズモビルの捕虜となっていたナヴィもこの際に釈放された。
- 機動戦士ガンダムF90クラスター
- 本作では連邦本土を攻撃することでスペースノイドの決起を促すという目的のために使用されたことが語られている。一方、照準装置が未完成の状態で連邦軍艦隊を呼び込み、その最中に発射されており、基地のシェルターに避難していたイヴァル・ダーナも、発射時の圧力に基地が耐えられない結論に達し非戦闘員を連れて基地を脱出するために行動した。同時に、基地内に潜入したデス・ガンズも狙撃システムのデータ解析と抽出といった工作を行っている。
関連用語
余談
- 『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』ではジオン共和国系企業の資本によってオリンポス山を利用したマスドライバー施設の建造計画について言及がある。これがオリンポス・キャノンの偽装工作であったのかは不明。『機動戦士ガンダムF90FF』で発表された年表でも、宇宙世紀0095年にマスドライバー建造が開始されたことが記されている。
- オールズモビルは後の第二次オールズモビル戦役でも月のマスドライバーを利用して地球攻撃を企てている。歴史を振り返ると約40年前にもジオン残党は月のマスドライバーを利用した地球攻撃作戦「水天の涙作戦」を企てていた。