コロニー落とし

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コロニー落とし(Colony drop) 

スペースコロニーそのものを大質量弾に見立て、月や地球へと落下させる軍事作戦。こと地球へ実施した場合は地球環境の変化すら招きかねない戦略爆撃である。

直径6.4km、全長40kmクラスのコロニーを落下させた際の破壊力は熱核兵器をも凌駕する。史上初のコロニー落としとなったブリティッシュ作戦では、ジオン軍によってサイド2・8バンチコロニー「アイランド・イフィッシュ」が地球へ落とされ、TNT火薬換算で6万メガトン(広島型原爆300万発相当)のエネルギーが解放され、地球の自転速度も毎時1.2秒加速されたと言われている。

コロニー落としのプロセスとして、まずは質量弾とするスペースコロニーの確保と加工(ブースター、核パルスエンジンなどの増設)を行い、増設された推進機関でコロニーの軌道を変更させ、月の引力圏へと移動させる。地球へと落下させる場合は、月の引力を利用してスイングバイによる加速を行い、地球への大気圏突入コースへと向かわせる。この際、地球圏近傍の阻止限界点に到達するまでの間にコロニーを軌道変更、あるいは破壊出来れば地球への落着を防ぐ事は可能だが、阻止限界点を突破した場合、地球への落着は不可避となる。

一方で、落着までのシークエンスが長い為に阻止される機会も多く、またコロニーの落着によって軍民問わず多くの人命が失われる事もあり、アースノイドスペースノイドからの政治的な批判の対象となるなど、様々な欠点や問題点を孕んでいる。また、宇宙世紀史上、隕石落としを含む同様の作戦は幾度となく行われているが、目標地点に落着したのはわずか3件、更に落着こそしたものの目標以外の場所に落着した例は2件であるなど、多くの戦力と時間を費やすにも関わらず、その成功率は高くはない。加えて、コロニー落としを実施した組織は作戦の成否に関わらず短期間で敗北しており、戦術面のみならず、政治的にも有効なオプションではないと考えられ、「敗者の戦術」とも揶揄されている。

登場作品 

宇宙世紀作品 

機動戦士ガンダム
初登場作品。ジオン軍ブリティッシュ作戦によってコロニーが地上に落着。本来は連邦軍本部ジャブローを目標としていたが、連邦軍艦隊の奮戦もあってコロニーは空中分解。前半部がシドニーへ、残りは北米地帯へと落着した。ジオン軍は第二次ブリティッシュ作戦を実施するべく次のコロニーの確保を行うが、これを阻止する為に連邦軍艦隊がサイド5に展開。後にルウム戦役と呼ばれる会戦が行われた。
機動戦士ガンダム 宇宙のイシュタム
落下軌道へ移動中のアイランド・イフィッシュ内部を舞台に物語が展開。ジオン軍により毒ガスによる大量虐殺が行われた他、対する連邦軍もジオン軍の攻撃を受ける中、核弾頭によるコロニーの破壊を試みた。
機動戦士ガンダム MS IGLOO
「一年戦争秘録」第1話にて、ヨーツンヘイムがブリティッシュ作戦の為に移送中のアイランド・イフィッシュを目撃。スペースノイドの生活の場を武器とする狂気を目の当たりにして、ヨーツンヘイムクルー達は困惑の色を隠せなかった。特にオリヴァー・マイは同作戦を「戦の邪道」と評している。
機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
一年戦争のコロニー落としによってシドニーが消滅した旨が語られ、デラーズ紛争終盤にはデラーズ・フリート星の屑作戦の最終目的として北米の穀倉地帯へのコロニー落としが行われた。同作戦は、史上初めて目標ポイントへの落着に成功したコロニー落としではあったが、戦後処理によってコロニー落としはコロニー移送中の事故と公表された。
機動戦士Ζガンダム
ティターンズによってグラナダへのコロニー落としが実行された。エゥーゴはこれを阻止する為に戦力を展開。エマ・シーンが放置されていたエンジンを点火し軌道を変えた為、コロニーはグラナダから180km離れた地点に落着した。
同作戦はアレキサンドリア単艦で実施されたコロニー落としであり、コロニー落としを行った戦闘単位としては最小となる。
機動戦士ガンダムΖΖ
ネオ・ジオンダブリンへのコロニー落としを実施。連邦政府及び連邦軍はこれを察知していたものの、確固たる対策は取らず、高官らは事前にダブリンを脱出。残された民間人はネオ・ジオンによる都市閉鎖によって市街に取り残され、その救出の為にエゥーゴカラバによる共同作戦が行われた。コロニーは連邦政府への恫喝を目的に敢えて加速は行わずに落されており、落着後暫くはその構造を維持していた。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
厳密にはコロニーではないが、シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンによる地球寒冷化作戦によって資源衛星フィフス・ルナアクシズが地球へと差し向けられた。フィフス・ルナはチベットのラサへと落着したが、アクシズ落としはロンド・ベルの奮闘とサイコフレームの起こした奇跡によって失敗に終わった。
機動戦士ガンダムNT
一年戦争当時、リタ・ベルナルミシェル・アベスカヨナ・バシュタがブリティッシュ作戦によってコロニーが落着する未来を予見。これによって多くの人命が救われ、リタ達は「奇跡の子供達」と呼ばれるようになった。その後、宇宙世紀0097年にゾルタン・アッカネンが新サイド6のヘリウム3備蓄基地を臨界爆発させ、コロニー3基ぶんの質量を地球へ落下させようと画策するが、ヨナとフェネクスによって阻止された。

オルタナティブ作品 

新機動戦記ガンダムW
イヴ・ウォー終盤、ホワイトファングによってリーブラが地球へと降下。これを阻止するべくヒイロ・ユイらガンダムパイロットが奮闘しリーブラは空中分解。その中でなお地球への落下を続けていたブロックはウイングガンダムゼロのツインバスターライフルによって破壊され、事なきを得た。
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
オペレーション・メテオは本来、その第一段階としてコロニーを地球へ落とし、その混乱に乗じて5機のガンダムを地球へと降下させるプロセスを踏む予定であった。しかし、ガンダム開発者の独断によってオペレーション・メテオは当初の計画とは大きく異なる軌道を描く事になった事が語られた。
機動新世紀ガンダムX
第7次宇宙戦争終盤、宇宙革命軍によって地球に対する脅迫を目的に大量のコロニーが地球へと向けられた。対する連邦軍はサテライトキャノンを有するガンダムXを投入し、コロニーの破壊を実施。これに対して勝利を焦った革命軍がコロニー落としを強行。その結果、地球の総人口の99%が死滅するという大惨事を引き起こした。しかし、これによって宇宙革命軍も大きく疲弊し、再び地球へ宣戦布告するまでに15年の月日を費やす事になった。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
サトーザフト軍脱走兵によってユニウスセブンの残骸が地球への落下コースを取り、ブレイク・ザ・ワールドが引き起こされた。ミネルバらによるメテオブレイカーの設置によりユニウスセブンは大気圏突入前に破砕させられたが、この際に生じた多くの破片によって地球各地に甚大な被害が発生。これを引き金として、プラントと地球による二度目の大戦が勃発する事になる。
機動武闘伝Gガンダム外伝 天地天愕
作中でダーク・シャッフルシャッフル同盟に戦いを挑ませるため、コロニー落としならぬコーナーポスト落としを実行。地球の周りにビームロープを張るリング衛星の1つがガンダムファイトの決勝大会会場であるネオホンコン目掛けて落下を始めた。ネオホンコン壊滅の危機に陥ったが、最終的に独狐求敗マスターアジアが2人で放った終極奥義「石破天地天愕天驚拳」により宇宙空間まで押し戻され事無きを得た。

関連用語 

G2ガス (G3)
南極条約
ブリティッシュ作戦
星の屑作戦
水天の涙作戦
地球寒冷化作戦
審判のメイス
DUST計画
ブレイク・ザ・ワールド

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