ナノラミネートアーマー
ナノラミネートアーマー(Nanolaminate Armor)
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に登場する装甲加工技術。主にモビルスーツや艦船などのエイハブ・リアクターを使用した機材に使用されている。
エイハブ・ウェーブに反応して鏡面状の構造をした複層分子配列を形成する金属塗料が表面に蒸着されており、これが衝撃を吸収・拡散しビームを反射するため実体弾射撃やビーム兵器に対し圧倒的な防御力を発揮する。このためMSの携行火器やMAの大口径ビーム砲では装甲を破壊する事ができず、決定打にならない[1]。一方で持続的な衝撃や熱、塗膜の剥離などが弱点とされるため、ナノラミネートアーマーを使用した兵器を撃破するには
- メイスや斧といった近接格闘手段による継続的な衝撃を塗膜に与える事によって一気に塗膜を損耗させる
- ダインスレイヴによって許容量を超える衝撃を与える
- 経年劣化や集中攻撃などで装甲表面の特殊塗料が剥がれた部位を狙う
- レンチメイスなどの「挟む」攻撃のような一定時間衝撃を与える攻撃を加えたり、ナパーム弾などで熱を与え続ける
- エイハブ粒子を圧縮して発生させたγナノラミネート反応によってナノラミネートアーマーごと破壊する
- マシンガンやショットガン等の発射間隔の短い武器を使い塗装を剥がす
などの対策が挙げられる。その為、対MS戦で火器はエイハブウェーブの影響で精度が落ちている事も合わせて牽制として使い、大質量武器による近接戦闘でコクピットを狙い仕留める戦術が主流となっている。
なお、防御力を発揮する特殊塗料が塗布されているのは基本的には装甲材だけであり、加工が施されていない武装や装甲の隙間への攻撃は有効となり得る[2]。
特殊塗料には普通の塗料と同様にカラーバリエーションがあり、色によって価格が異なる。最も高価なのは視認性の低い黒系や紫系とされ、白が最も安価とされるが防御性能自体は変わらない。また、あくまでナノラミネートアーマー自体は装甲材に行う「表面加工の一種」に過ぎない為、下地の装甲材自体の強度がそのまま正比例される[3]。
登場作品
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- 作中のほとんどの兵器に使用されている。この技術によってビーム兵器や射撃戦中心の戦い方が封じられ、MSは大型鈍器で殴るように戦い、強襲装甲艦の様に通常の攻撃手段として敵に体当たりする軍用艦が登場するようになった。この設定は作品のオリジナリティを際立たせた一方、逆に作中で唯一ビーム兵器を使用したハシュマルやナノラミネートアーマーにより火器が決定打にならなくなったのにも関わらず遠距離攻撃でナノラミネートアーマーを破壊出来るダインスレイヴといった強力な兵器を鮮烈に印象付けている。
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼
- 外伝作であるこちらでも普通に用いられている。ガンダム・グレモリーには上位技術の「ナノラミネートコート」が使用されている。
関連用語
- エイハブ・リアクター
- こちらも作中では広く普及しているが、製造はギャラルホルンのみ行っている。リアクターによるエイハブ・ウェーブがなければナノラミネートアーマーはただの装甲表面の蒸着コーティング塗装でしかないので、非常に深い関連性がある。
- 高硬度レアアロイ
- MSの構造材等に用いられる特殊合金。メイスやダインスレイヴ等はこれによって構成されており、ナノラミネートアーマーの防御を突破出来る手段として用いられる。
単純な硬度はナノラミネートアーマーで塗装した装甲材を上回る。
資料リンク
リンク
脚注
- ↑ ガンダム・バルバトスの滑腔砲であっても、至近距離での砲撃でなければ敵機の撃破に至る決定打にはならない。
- ↑ MSフレームはより強固な高硬度レアアロイで出来ているが、コストの問題かナノラミネートアーマーとの相性の問題か、それで全身を加工した機体は登場していない。その為塗装のされていない部分は弱点となり、ハシュマルのビームの直撃を受けたライドの獅電の場合、機体自体は無傷だったが携行していたライフルは破壊されている。またその際ライフルの爆発によりマニュピレータも破損し、そこから腕ごと損傷していた。
- ↑ 分かり易いのは鉄華団のグレイズ改とタービンズの百錬戦。どちらもナノラミネートアーマーは施されているがテイワズの高品質素材で作られた装甲材によって無傷の百錬に対し初期鉄華団の応急で低品質素材製のグレイズ改の白い装甲パーツはボロボロになっていた。