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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[一年戦争]]末期に[[ジオン公国軍]]が立案した「YMS-18」構想の内、単騎での対MS戦および敵防衛線突破能力に特化した強襲機として開発された[[モビルスーツ]]。本機はE型 (Einhauen type:襲撃型)に分類され、単機での対MS戦と敵防衛線突破能力の獲得に特化した機体である。機体名の「ケンプファー」はドイツ語で「闘士」を意味する。 | + | [[一年戦争]]末期に[[ジオン公国軍]]が立案した「YMS-18」構想の内、単騎での対MS戦および敵防衛線突破能力に特化した強襲機として開発された[[モビルスーツ]]。YMS-18抗争は既存のカテゴリーに拘らない、MSそのものの新たな運用法やコンセプトを開拓することを目標としていたと言われている<ref>一説には[[ドム]]と[[ゲルググ]]の中間のような機体や、[[ニュータイプ]]能力の戦術利用も含めたプランも存在していたらしい。</ref>。ケンプファーはその中のE型 (Einhauen type:襲撃型)に分類され、単機での対MS戦と敵防衛線突破能力の獲得に特化した機体である。機体名の「ケンプファー」はドイツ語で「闘士」を意味すし、白兵の意味も含まれている。 |
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− | 基本設計は[[統合整備計画]]に基づいており、同計画以後の機体と基本的に同等のインターフェイスが採用されている。
| + | そのコンセプトは、機体各所の大推力バーニアスラスター(背部にメインスラスターを4基有しているが、それぞれが[[ザクII改]]1機分以上の出力を有する)で一撃離脱の強襲を行いつつ、敵の防衛線を突破してその拠点を攻略するというものである。機動性の向上を目的に、装甲は突撃時の前面投影部位以外は極限まで軽量化されており、スラスター等はほぼ剥き出しとなっている。機体構造のほとんどがプロペラントタンクであると言っても過言ではなく、最大戦闘出力を発揮しての戦闘時間は、当時の標準的な機体の半分以下であると言われている。ただし、その機動性は標準的な空間戦闘用MSを遥かに凌駕しており、前傾姿勢のまま地表を滑走することさえ可能であった。 |
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− | そのコンセプトは、機体各所の大推力バーニアスラスター(背部にメインスラスターを4基有しているが、それぞれが[[ザクII改]]1機分以上の出力を有する)で一撃離脱の強襲を行いつつ、敵の防衛線を突破してその拠点を攻略するというものである。機動性の向上を目的に、装甲は突撃時の前面投影部位以外は極限まで軽量化されており、スラスター等はほぼ剥き出しとなっている。 | |
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| 突撃後の帰還に関しては殆ど考えられていないと言える機体であるが、「敵防衛線突破能力」を戦略レベルで考えた場合、偽装した民間のコンテナ艇でパーツを搬入し、敵勢力下にある町工場並みの設備と限られた人員で組み立て、運用する事も可能である。事実、[[ルビコン作戦]]で同様の運用がされており、機体が稼働した時点で、既にその性能を充分に発揮したとも言える。 | | 突撃後の帰還に関しては殆ど考えられていないと言える機体であるが、「敵防衛線突破能力」を戦略レベルで考えた場合、偽装した民間のコンテナ艇でパーツを搬入し、敵勢力下にある町工場並みの設備と限られた人員で組み立て、運用する事も可能である。事実、[[ルビコン作戦]]で同様の運用がされており、機体が稼働した時点で、既にその性能を充分に発揮したとも言える。 |
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| MSとしてはひたすら機動性と運動性を求めた機体であり、設計段階から自衛用と近接格闘戦用の武装以外はすべてオプションで供給するというコンセプトを有している。強襲ポイントを確実に制圧する為に単機として極限までの武装が可能となっており、火器携帯用のラッチが各所に設けられ、公国軍製の兵装であれば、その殆どを携行可能である。また、この時期の機体には珍しく専用武器も開発されているが、それには各種装備の実戦投入試験の側面があった事は言うまでもない。ただし、目標に到達するまでの間にジェネレーター出力の低下などの稼働不良を招くことが無いようビーム系の兵装は大腿部に内装された[[ビーム・サーベル]]のみとなっている。 | | MSとしてはひたすら機動性と運動性を求めた機体であり、設計段階から自衛用と近接格闘戦用の武装以外はすべてオプションで供給するというコンセプトを有している。強襲ポイントを確実に制圧する為に単機として極限までの武装が可能となっており、火器携帯用のラッチが各所に設けられ、公国軍製の兵装であれば、その殆どを携行可能である。また、この時期の機体には珍しく専用武器も開発されているが、それには各種装備の実戦投入試験の側面があった事は言うまでもない。ただし、目標に到達するまでの間にジェネレーター出力の低下などの稼働不良を招くことが無いようビーム系の兵装は大腿部に内装された[[ビーム・サーベル]]のみとなっている。 |
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| + | 基本設計は[[統合整備計画]]に基づいており、同計画以後の機体と基本的に同等のインターフェイスが採用されている。ただし、コクピットブロックそのものは前傾姿勢での戦闘に配慮し、機体に対して相応の自由度を持って実装されている。 |
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| + | 頭部は対MS格闘戦などに対応するため、モノアイを保護する形状を採り、[[グフ]]系の機体のヘッドユニット用デバイスが多く用いられている。モノアイから後頭部に至るスリット部分はサブセンサーアレイとなっており、モノアイのサイト外の情報を収集する。突撃姿勢時にモノアイに死角が発生しないよう、ヘッドユニットとボディユニットの連結には特殊な形状のモジュールが設けられており、既存の機体とは一線を画する。 |
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| + | 腕部モジュールは徹底した軽量化とともに突撃姿勢時の耐弾性向上のため、マニピュレーター基部から肘関節に至る部分の装甲強化が施され、腕の外側が二重構造化されている。一方で[[流体パルスシステム]]をはじめとする基本機能は、ビーム・サーベルの稼働に必要な最低限の装備が施されているのみとなる。一方で、ショルダーアーマーに高出力のサブスラスターが3基ずつ内装されており、圧倒的な機動性をもたらしている。 |
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| + | 脚部は徹底的な軽量化のため、ザク以降の公国軍系MSの代名詞でもあったスカートアーマーをオミットし、サーベルホルダーやスラスターを内装した上で脚部構造と一体化した装甲を施している。MSは基本的に歩行機能などを維持するため、股関節を保護する構造を伴っているが、ケンプファーは機体の機動性と運動性向上、軽量化のためにあえてその常識を覆している。ただし、股関節こそむき出しに見えるが、肘や膝の連結部分に準じた最終装甲が施されているため、強度そのものは維持されている。 |
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| + | ケンプファーは確たる戦果を挙げることは出来なかったものの、後の[[アナハイム・エレクトロニクス社]]や[[ネオ・ジオン]]において同様の、あるいは近しいコンセプトの機体が建造されたことからも充分に優秀な機体であったということが出来る。 |
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| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
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| ;ジャイアント・バズ (ジャイアント・バズII) | | ;ジャイアント・バズ (ジャイアント・バズII) |
| :[[リック・ドムII]]等が標準的に装備するのと同型のジャイアント・バズ。MS用の武装としては当時最大級の威力を発揮する代表的な大型火器。バックパック両側面に計2基懸架する。 | | :[[リック・ドムII]]等が標準的に装備するのと同型のジャイアント・バズ。MS用の武装としては当時最大級の威力を発揮する代表的な大型火器。バックパック両側面に計2基懸架する。 |
− | ;シュツルム・ファウスト | + | ;[[シュツルム・ファウスト]] |
| :使い捨て式のロケットランチャー。自動追尾装置などは無く、移動する標的に命中させるのは非常に難しいが、携帯用の武装としては強力な破壊力を有する。両脚部ラッチにマウント。 | | :使い捨て式のロケットランチャー。自動追尾装置などは無く、移動する標的に命中させるのは非常に難しいが、携帯用の武装としては強力な破壊力を有する。両脚部ラッチにマウント。 |
| ;チェーン・マイン | | ;チェーン・マイン |