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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | [[アナハイム・エレクトロニクス社]]が開発した[[エゥーゴ]]の試作型[[モビルスーツ]]。[[ΖΖガンダム]]に装備を追加した姿である。 | + | [[ΖΖガンダム]]にオプションとして用意された追加装甲システムを装備した形態。この追加装甲はΖΖの持つMSとしてのポテンシャルを最大限に発揮させるための有る得べきスタイルであり、開発当初から設計に盛り込まれていた。追加装甲は[[FAZZ]]の運用結果からのフィードバックを受け、更に改良されたプランに基づいて開発されており、その際にΖΖガンダム本体の改良も懸案となり、コードナンバーも[[強化型ΖΖガンダム|MSZ-010S]]に変更されている。 |
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− | ΖΖガンダムは[[ガンダリウム合金|ガンダリウム・コンポジット]]の装甲を持っていた事から高い防御力を有していたが、[[可変モビルスーツ|分離・変形機構]]の採用による弊害でドッキング部位の接合部、特にボディ部分が構造的に脆弱であるという問題を抱えていた。これをカバーするべく、全身に装甲を追加している。この追加装甲は[[FAZZ]]で評価試験が行われた物の改良型で、同機の運用時に得られたデータを反映して造られた。本体部の装甲と同じくガンダリウム・コンポジット製であり、内部が中空となった多重空間装甲となっている。これによって問題点の改善のみならず機体の機能強化を図られ、武装やプロペラントタンク等を内蔵している。なお、武装はΖΖガンダムの物もそのまま使用できるが、ウイング・シールドのみ装備の追加の為に取り外されている。
| + | [[宇宙世紀]]0087年、エゥーゴが推進した[[Ζ計画]]によって誕生した[[ΖΖガンダム]]は、当時最強の機体と呼べるスペックを達成したものの、問題が皆無だったわけではなく<ref>元々、当時のMS開発状況は混沌としており、多種多様なコンセプトが乱立しており、開発現場では本来なら相反する要素を比較検討してすり合わせ、その「落とし所」を模索する作業と化しており、ΖΖもその最先端を疾走していた。</ref>、性能の要求値はインフレーションを起こし、多機能化や武装の強化はもとより、ジェネレーターの高出力化に伴ってMSの機体そのものは恐竜的に巨大化していった。ΖΖはそれらのファクターを高いレベルで、しかし危ういバランスで成立させて強力なMSであったものの、2機のコア・ファイターはMS形態時に余剰パーツとなる上、ドッキングの際の接合部が致命的に脆弱だった。分離変形による戦術の選択肢の拡大は確かに有効であったが、MS単体としての機能を考えた場合、ΖΖはシステムとして複雑になりすぎたとも言える。また、最大出力での稼働時間も短く、整備性も劣悪であり、それらの問題を解決するために考案されたのが追加装甲システムである。 |
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− | 装甲の追加により重量は増加したが、その影響で機動性が低下するのを抑える事に主眼が置かれ、脚部や肩部、腰部にスラスターも追加された。加えて機体そのものにも[[強化型ΖΖガンダム|改装]]を行い、結果として非常に高い機動性を発揮できる。特に加速性は同時代の[[MS]]の中でもトップクラスであったとされる。四肢にも装備を追加した事で慣性重量が増加して応答性が低下し、その影響で運動性も落ちると考えられていたが、実際には通常時と大差はない。これにはΖΖガンダムの各部に搭載された[[バイオセンサー]]が関わっていると見られているが、真偽は不明。
| + | ΖΖは「[[ガンダム]]の復活」をコンセプトとしており、システムとしてのガンダムをリファインする目的を持っており、単機によるガンダム([[Gファイター|Gメカ]]などのオプション兵装を含む)の再現を指標としており、いわゆる[[FSWS計画|フルアーマーオペレーション]]も当然再現すべきファクターであった。装甲や武装の追加による機能向上は、[[一年戦争]]以降のMS開発者にとって既に至極スタンダードな手法となっていたが、ΖΖは機体そのもののブロック化によって非常にシステマティックな構造が採用されており、運用方針による仕様変更(非変形バージョンなど)も当初から想定され、単機能のMSとしての運用に限定すれば、ある意味でFA化された状態がΖΖガンダムの完成形と言えた。 |
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− | 追加装甲を纏った事で分離・変形は不可能となったが、それでもその戦闘力は非常に高い。追加装甲はパイロットの任意で分離が可能であり、敵機を撹乱するのにも有効である。
| + | ΖΖガンダムのボディユニットはドッキング部位の構造的脆弱さがウィークポイントであり、戦術的な広範さを獲得するために敢えてその構造を採用していたが、[[ネオ・ジオン]]製MSに搭載される火力向上のペースは凄まじく、具体的な対抗策を講じる必要が生まれていた。ΖΖのFA化において重視されたのは、追加装甲による乾重量の増加があっても機動力を損なわないことであり、胸部増加装甲そのものは基本的にガンダリウムコンポジットを多用したスペースド・アーマーとなっていた。装甲のその空間そのものもマイクロミサイルポッドやプロペラントタンク、またはスラスターなどに有効利用されている。腹部には本体頭部とほぼ同出力のハイ・メガ・キャノンが装備され、胸部にはマイクロミサイルとセンサーを搭載。また、高出力のビーム兵器への対抗策として、短時間であれば胸部全面に[[Iフィールド]]を展開することも可能であったとされている。 |
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− | ちなみにフルアーマーはΖΖガンダムの開発当初から既に設計に組み込まれていた。これはΖΖガンダムが「[[ガンダム|RX-78ガンダム]]の復活」をコンセプトとし、[[Gファイター|Gメカ]]だけでなく[[フルアーマーガンダム|フルアーマー]]も含めて再現する事を目的としていたからである。
| + | FA化に際し、腕部は火器のプラットホームとして、脚部は多くの空間戦闘用MSと同様に巨大なベクタードノズルとして単機能化されている。脚部の増加装甲は構造的にスラスターとプロペラントのコンフォマーブルタンクを内蔵したスペースド・アーマーとして固定され、本体のかどう部分を保護するようデザインされている。腕部はウイングシールドが基部ごとミサイルポッドやダブルビーム・ライフルのジョイントと換装され、肩部にもミサイルポッドと追加スラスターが装備されている。特筆すべきなのは、これらの装備を追加したにも関わらず、四肢は通常と同様のスペックを発揮しており、慣性重量が増加している文、本来各部のレスポンスは低下してしまう筈だが、フルアーマーΖΖの運動性はノーマル状態とほとんど変化がなかったと言われている。 |
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− | 劇中では凄まじい火力を持つ[[クィン・マンサ]]への対抗策としてフルアーマー化されている。追加された装備は装甲ではなくミサイル・ポッドとして扱われ、ジュドーからは「このゴテゴテしたのは何なの!重くなる!」と文句を言われた。
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| == 登場作品と操縦者 == | | == 登場作品と操縦者 == |
| ;[[機動戦士ガンダムΖΖ]] | | ;[[機動戦士ガンダムΖΖ]] |
− | :パイロットは[[ジュドー・アーシタ]]。 | + | :初登場作品。[[第一次ネオ・ジオン抗争]]の終盤に投入され、[[ハマーン・カーン|ハマーン]]軍に協力して[[グレミー・トト|グレミー]]軍を攻撃、[[ラカン・ダカラン]]の[[ドーベン・ウルフ]]を撃破している。[[アクシズ]]内部での戦闘では[[クィン・マンサ]]と交戦してグレミーから離反した[[プルツー]]を保護し、大破した[[Ζガンダム]]と[[ガンダムMk-II]]から[[ルー・ルカ|ルー]]と[[エル・ビアンノ|エル]]を回収して離脱。その後のハマーンとの戦いでは追加装備を全て外した状態で出撃している。 |
− | :[[第一次ネオ・ジオン抗争]]の終盤に投入され、[[ハマーン・カーン|ハマーン]]軍に協力して[[グレミー・トト|グレミー]]軍を攻撃、[[ラカン・ダカラン]]の[[ドーベン・ウルフ]]を撃破している。[[アクシズ]]内部での戦闘では[[クィン・マンサ]]と交戦してグレミーから離反した[[プルツー]]を保護し、大破した[[Ζガンダム]]と[[ガンダムMk-II]]から[[ルー・ルカ|ルー]]と[[エル・ビアンノ|エル]]を回収して離脱。その後のハマーンとの戦いでは追加装備を全て外した状態で出撃している。
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| == 装備・機能 == | | == 装備・機能 == |
| === 特殊機能 === | | === 特殊機能 === |
| ;耐ビームコーティング | | ;耐ビームコーティング |
− | :装甲の表面に施されたコーティングで、フッ素樹脂をネマティック状にして幾重にも塗り重ねている。数秒間ならばビームの直撃をも無効化できるが、3秒を越えると溶けだすとされる。 | + | :装甲の表面に施されたコーティングで、フッ素樹脂をネマティック状にして幾重にも塗り重ねている。数秒間ならばビームの直撃をも無効化できるが、3秒を越えると溶けだすとされる。<br/>[[アストナージ・メドッソ|アストナージ]]がグレミー軍との戦闘前に施している。 |
− | :[[アストナージ・メドッソ|アストナージ]]がグレミー軍との戦闘前に施しているが、この時はフルアーマー化されていなかった。しかしゲームで登場する際はフルアーマーΖΖだけがコーティングを有しているものの通常のΖΖガンダムだとそうではない、という事例が多い。
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| ;[[Iフィールド]]・ジェネレーター | | ;[[Iフィールド]]・ジェネレーター |
− | :対ビームバリア。 | + | :高出力ビーム兵器への対抗策として採用された対ビームバリア。胸部追加装甲内に発生装置を内蔵しているとされ、ボディ部分の前面に短時間ながら展開可能とされる。 |
− | :胸部追加装甲内に発生装置を内蔵しているとする資料が存在し、ボディ部分の前面に短時間ながら展開可能とされるが真偽は不明。劇中でもドーベン・ウルフのメガ粒子砲を機体に着弾する前に拡散させて防いでいるような描写が存在する。
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| ;[[バイオセンサー]] | | ;[[バイオセンサー]] |
− | :簡易型の[[サイコミュシステム]]。パイロットからの脳波を受信して操縦の補助や機体の追従性を向上させる。 | + | :機体各部に分散配置された簡易型[[サイコミュシステム]]。パイロットからの脳波を受信して操縦の補助や機体の追従性を向上させる。 |
− | :本機では各所に分散して配されていると言われる。
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− | :;サイコフィールド
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− | ::[[クィン・マンサ]]との戦闘時に展開していたと思しき特殊な力場。ビームの集中砲火を受けながらも全くものともしていなかった。
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− | ;分離
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− | :追加装甲を分離可能。目くらましにも利用できる。
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| === 武装・必殺攻撃 === | | === 武装・必殺攻撃 === |
| ;ダブル・バルカン | | ;ダブル・バルカン |
− | :頭部に内蔵されている2連装の60mmバルカン砲。 | + | :頭部左右2門ずつ内蔵されているバルカン砲。頻繁な機材のアップデートによって搭載位置は一定しておらず、戦闘でも使用されていない。 |
| ;ダブル・ビーム・ライフル | | ;ダブル・ビーム・ライフル |
− | :右腕部に固定装備されている連装式の高出力[[ビーム・ライフル]]。グリップを折り畳んで装着されており、分離した後は携行武装として使用可能。 | + | :右腕部に固定装備されている連装式の高出力[[ビーム・ライフル]]。メガ・バズーカ・ランチャーに匹敵する威力を持ちながらも連射が可能。FA化に際して、このモジュールはコネクタージョイントを介して腕部の固定武装となり、さらなる連射が可能となっている。 |
| ;ハイパー・ビーム・サーベル / ダブル・キャノン | | ;ハイパー・ビーム・サーベル / ダブル・キャノン |
− | :バックパックに2基装備されている高出力[[ビーム・サーベル]]。マウント状態ではビーム・キャノンとして機能する。 | + | :バックパックに2基装備されている高出力[[ビーム・サーベル]]。ビームキャノンの砲身を兼ねる為サーベルグリップというより大きな筒を振り回す様な状態になっている。従来の1.5倍のサイズのビーム刃を形成可能であり、大型MSを両断できる程の火力を誇っている。 |
| ;18連装2段階ミサイル・ランチャー | | ;18連装2段階ミサイル・ランチャー |
− | :バックパック上部左右に2基装備されているミサイル・ランチャー。 | + | :バックパック上部左右に2基装備されているミサイル・ランチャー。ΖΖの21連装ミサイル・ランチャーから換装されている。 |
| ;ハイ・メガ・キャノン | | ;ハイ・メガ・キャノン |
− | :額部に1門内蔵されている大出力[[メガ粒子砲]]。 | + | :額部に発射孔を有する頭部内蔵式の高出力ビーム砲。バックパックのジェネレーターブロックと直結した専用回路を経由し、メガコンデンサに爆発寸前まで充填した高エネルギー状態のメガ粒子を一挙に放出する。50MWもの出力を誇り、一説には[[コロニーレーザー]]の20%に匹敵するとされており、一撃で多数の目標を撃破できる火力を有する。 |
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| ==== 追加装備 ==== | | ==== 追加装備 ==== |
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| :胸部の追加装甲内にAMA-09Sミサイルを16発、AMA-13Sミサイルを4発格納している。また追加装甲にはミサイル用のセンサーも内蔵されている。 | | :胸部の追加装甲内にAMA-09Sミサイルを16発、AMA-13Sミサイルを4発格納している。また追加装甲にはミサイル用のセンサーも内蔵されている。 |
| ;左腕部ミサイル・ポッド | | ;左腕部ミサイル・ポッド |
− | :左腕部に追加されているミサイル・ポッド。装弾数は8発。弾種はAMA-09Sミサイルであり、これは[[コア・ファイター]]に装備されているのと同じ物である。 | + | :左腕部に追加されているミサイル・ポッド。装弾数は8発。弾種はAMA-09Sミサイルであり、これは[[コア・ファイター]]に装備されているのと同じ物である。[[ドーベン・ウルフ]]に対して使用した際は、命中こそしたものの大したダメージを与えられなかった。 |
− | :[[ドーベン・ウルフ]]に対して使用した際は、命中こそしたものの大したダメージを与えられなかった。
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| ;スプレー・ミサイル・ランチャー | | ;スプレー・ミサイル・ランチャー |
| :両肩部に装着されている6連装ミサイル・ランチャー。 | | :両肩部に装着されている6連装ミサイル・ランチャー。 |
| ;腹部ハイ・メガ・キャノン | | ;腹部ハイ・メガ・キャノン |
− | :腹部の追加装甲内に1門内蔵されている大出力メガ粒子砲。頭部ハイ・メガ・キャノンと同程度の威力を持つが、砲身強度の関係から1発しか撃てない。エネルギーはバックパック内のジェネレーターから供給される。 | + | :腹部の追加装甲内に1門内蔵されている大出力メガ粒子砲。頭部ハイ・メガ・キャノンと同程度の威力を持つが、消耗度もほぼ同等で、一度の戦闘で一回の使用が限界であるとされる。エネルギーはバックパック内のジェネレーターから供給される。 |
− | :劇中では武装としては使用されなかったが、姿勢制御用バーニアとして使用されている描写がある(バーニアとしても使用可能なのか、単なる描写ミスなのかは不明)。
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| ;ハイパー・メガ・キャノン | | ;ハイパー・メガ・キャノン |
− | :オプションとして用意された大型ビーム砲。[[FAZZ]]のハイパー・メガ・カノンと同様の武装で、出力79.8MWという標準的な艦艇の主砲クラスの威力を有するとされる。装備時には右側の18連装2段階ミサイル・ランチャーと換装し、ベルト状のパーツをリアスカートに接続する。本来は強化型ΖΖガンダムの主兵装とする事を想定していたが、本機との相性も良好である。実際には装備されなかった。 | + | :フルアーマーΖΖガンダムのオプションとして用意された大型ビーム砲。出力79.8MW。いわゆる強化型ΖΖガンダムの主武装として考案されていたもので、当時の標準的な宇宙艦艇の主砲並みの威力を持つ。ハイパー・メガ・キャノンは頭部はい・メガ・キャノンの約60%増しの威力を持ち、当時のネオ・ジオンの重武装MSの火力に十二分に対抗し得る火力を持ち、しかも数秒のインターバルでの連射も可能であったという。しかし、[[ネェル・アーガマ]]に配備された機体が実戦においてこの武装を使用したかどうかは定かではない。 |
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| == 対決・名場面 == | | == 対決・名場面 == |
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| *[[登場メカ]] | | *[[登場メカ]] |
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