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| TV版では、序盤ではカガリ関連を除けば口や態度がちょっと悪いが仲間思いな少年として描かれていたものの、中盤以降になって過激で物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような演出になったのではないか?」と推察されている。家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。 | | TV版では、序盤ではカガリ関連を除けば口や態度がちょっと悪いが仲間思いな少年として描かれていたものの、中盤以降になって過激で物騒な発言や、自己中心的・身勝手な行動がだんだんと増えていき、視聴者に悪い印象を与えていくようになっていく。一部では「ストーリーの都合で、視聴者に嫌われるような演出になったのではないか?」と推察されている。家族を失った事による怒りや憎しみによる「負の要素」からの人間関係のもつれ・視野狭窄故に周囲が見えてない事などから、視聴者には主人公として悪いイメージが付きまとった。これは彼の人間的未熟さに起因するものではあるが、残念ながらそれを導いてやれる人物に恵まれなかった。 |
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| + | 『平成のファーストガンダム』を標榜するSEEDの2作目、つまり機動戦士Zガンダムの主人公カミーユ・ビダンを意識して「非常に感受性が高く繊細な内面」と「他者に内面を見られることを極度に嫌う」という二面性を持ち、優しく複雑な内面と、それを弱みと捉えた未熟さ、弱さを隠すために他者に攻撃的な態度を取ってしまう自己防衛本能といったかたちで踏襲している。それゆえに放映当時では視聴者の共感は多くは得られず、誤解されやすいというキャラクター性をある意味では発揮したといえよう。 |
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| シンの声優を担当した鈴村氏は、キラやアスランなどのシンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラと対立するから嫌い」「アスランの言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか「シンの人格を理解したうえで彼を嫌ってくれるなら嫌いでいいですし、役者冥利に尽きます。しかし、折角各キャラクターを多面的に見られるアニメという媒体で、デュランダル議長に与するから、キラやアスランの敵だからという'''記号的な理由でシンを嫌う'''のはどうなのでしょうか?(意訳)」との感想を小説版第4巻のあとがきに綴っており、シン自体は嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、その嫌われる理由に対しては問題提起をしていた。 | | シンの声優を担当した鈴村氏は、キラやアスランなどのシンが反目するキャラクターを好きな視聴者から「キラと対立するから嫌い」「アスランの言う事を聞かないから嫌い」等の批判の手紙が送られてきたということもあってか「シンの人格を理解したうえで彼を嫌ってくれるなら嫌いでいいですし、役者冥利に尽きます。しかし、折角各キャラクターを多面的に見られるアニメという媒体で、デュランダル議長に与するから、キラやアスランの敵だからという'''記号的な理由でシンを嫌う'''のはどうなのでしょうか?(意訳)」との感想を小説版第4巻のあとがきに綴っており、シン自体は嫌われてもしょうがないキャラクターである事は理解しながらも、その嫌われる理由に対しては問題提起をしていた。 |
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| :主人公。ただしストーリー後半では実質キラ(ラクス陣営)が主役であり、シンも彼が所属するZ.A.F.T.陣営も敵役のような扱いを受けている。 | | :主人公。ただしストーリー後半では実質キラ(ラクス陣営)が主役であり、シンも彼が所属するZ.A.F.T.陣営も敵役のような扱いを受けている。 |
| ;HGに恋するふたり | | ;HGに恋するふたり |
− | :主人公の一人であるOLの神崎さやか(1988年生まれ)が、放映当時同い年だったシンを「全てを受け止められるほど大人でもなく、全てを委ねられるほど子供でもない」と評し、「目を背けたくなるほど自分とそっくりだった」と述懐している。作者の工藤マコト先生曰く「(シンが子供っぽいという声もあったけど)あれが等身大の16歳だった」とのこと。<br/>作中では「主人公取られたやつ」「(乗機のデスティニーは)悪役の機体」と酷評されているが、実際に当時はそうした認識をされていた。 | + | :主人公の一人であるOLの神崎さやか(1988年生まれ)が、放映当時同い年だったシンを「全てを受け止められるほど大人でもなく、全てを委ねられるほど子供でもない」と評し、「目を背けたくなるほど自分とそっくりだった」と述懐している。作者の工藤マコト先生曰く「(シンが子供っぽいという声もあったけど)あれが等身大の16歳だった」とのこと。<br/>作中では「主人公取られたやつ」「(乗機のデスティニーは)悪役の機体」と酷評されている。実際、当時の視聴者からはそのような扱いをされることも少なくなかった。 |
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| == 人間関係 == | | == 人間関係 == |
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| :記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。 | | :記念すべき1話で登場。1話における彼の出番自体が少なく、番組終了間際に飛び出た台詞から各所で話題を呼んだ。 |
| ;「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」 | | ;「さすが奇麗事はアスハのお家芸だな!」」 |
− | :奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際的に考えて大問題なのだが、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をするが、まったく問題になっていない。カガリは非常にそのことを気にしており、この頃の気遣いのできる彼女であれば、カガリのほうから不問に付すように要請があったのではないか、と推察できる。 | + | :奇麗事を言い続けるカガリに対し発言。しかし、普通に考えれば元オーブ国民とはいえ、今はザフト軍人であるシンが他国のトップであるカガリに対して罵声を浴びせるというのは国際的に考えて大問題なのだが、なぜか罰せられることはなく、その後もシンはカガリに対して罵声やわざと肩をぶつけるなどの問題行為をするが、まったく問題になっていない。カガリは非常にそのことを気にしており、この頃の気遣いのできる彼女であれば、カガリのほうから不問に付すように要請があったのかもしれない。 |
| ;「俺を助けろ!この野郎!とか…」 | | ;「俺を助けろ!この野郎!とか…」 |
− | :墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。 | + | :墜落寸前のアスランを助けた際に。他人を頼ろうとせず、自分で抱え込みすぎるアスランに「こんな時くらい人を頼ってくれ」という彼なりの思いやり。素直になってくれないアスランに、ついひねくれた物言いをしてしまうシンの未熟さ、青さがまた良い。 |
| ;「あの人が可哀想だよ!」 | | ;「あの人が可哀想だよ!」 |
| :またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたコーディネイターで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネーターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、シンが言うまで知らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。ちなみにこれも立派な問題行為であり、情報漏洩を堂々としている。 | | :またしてもカガリに。ユニウスセブンの破壊を成功させ、帰艦したアスランをねぎらったつもりのカガリだったが、ユニウスセブンを落としたのはパトリック・ザラの言葉を信じていたコーディネイターで、多くの破片は地上に降り注ぎ、少なくない被害をもたらした。それによって悲しむ人々、コーディネーターへの憎悪を募らすことを危惧するアスランに、シンが言うまで知らなかったカガリの賞賛はむしろ重荷になってしまっていた。それを咎めての言葉。ちなみにこれも立派な問題行為であり、情報漏洩を堂々としている。 |
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| :オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。 | | :オーブに降りた際のキラとの邂逅での台詞。 |
| ;「しっかしどうすりゃいいんだ?この子は泳げないし。……後で何言われるかわかんないけど……ま、いっか!」 | | ;「しっかしどうすりゃいいんだ?この子は泳げないし。……後で何言われるかわかんないけど……ま、いっか!」 |
− | :21話「さまよう眸」から。崖から落ちて溺れたステラを救出するも、入り組んだ地形に入り込んでしまった二人。本来民間人との接触は避けなければならない立場ではあったが、周りは断崖、ステラを置いてはいけないと判断したシンは緊急時用のドッグタグを割って救助を要請するのだっが。誰かのために、という短絡的ながらも本質的に善良なシンらしい行動。 | + | :21話「さまよう眸」から。崖から落ちて溺れたステラを救出するも、入り組んだ地形に入り込んでしまった二人。本来民間人との接触は避けなければならない立場ではあったが、周りは断崖、怪我をしたステラを置いてはいけないと判断したシンは緊急時用のドッグタグを割って救助を要請するのだった。短絡的ながらも「誰かのために」という無私の行動原理は、本質的に善良なシンらしい。 |
| ;「今は大丈夫だよ。僕が……うーんと、俺がちゃんとここにいて、守るから」 | | ;「今は大丈夫だよ。僕が……うーんと、俺がちゃんとここにいて、守るから」 |
− | :上記の続き。救助を待つ間、ステラを心配してかあれこれと語りかける。そのさなか、一度だけ自分を「僕」と呼んでしまう。そこには普段の「俺」という自分とのギャップが伺える。ちなみにシンはオーブ時代は「僕」であったことからも、かつての自分を見せられる相手としてステラに妹を見出していた、とも解釈されている。 | + | :上記の続き。救助を待つ間、ステラを心配してかあれこれと語りかける。そのさなか、一度だけ自分を「僕」と呼んでしまう。そこには普段の「俺」という自分とのギャップが伺える。ちなみにシンはオーブ時代は「僕」であったことからも、普段のシンが虚勢を張って無理をしているとも、かつての自分を見せられる相手としてステラに妹を見出していたとも解釈されている。 |
| ;「守るって言ったのに…俺、守るって言ったのに…!ステラ…ごめん…!」 | | ;「守るって言ったのに…俺、守るって言ったのに…!ステラ…ごめん…!」 |
| :死亡したステラを葬った別れの際に。失ってしまったものを守れるように軍人になった彼が、再び守れなかった無力感から涙を流しながら詫びる。鈴村氏迫真の演技が胸を打つ。その後、形相が変わってしまうほどの憎悪にゆがんだシンの顔つきに驚いた視聴者は少なくないという。 | | :死亡したステラを葬った別れの際に。失ってしまったものを守れるように軍人になった彼が、再び守れなかった無力感から涙を流しながら詫びる。鈴村氏迫真の演技が胸を打つ。その後、形相が変わってしまうほどの憎悪にゆがんだシンの顔つきに驚いた視聴者は少なくないという。 |