「リック・ディアス」を編集中
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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | [[アナハイム・エレクトロニクス社]]の旧ジオン系技術者が開発<ref>正確には同社グラナダ工場の[[ジオニック社|ZIONIC]]系開発陣(第2開発事業部)と先進開発事業部(クラブ・ワークス)の共作。</ref>した[[エゥーゴ]]初のオリジナル[[モビルスーツ]]。第2世代モビルスーツの代表的な存在であり、[[ドム]]系列と[[ガンダム]]系列の技術を融合させた機体。本来の型式番号はMSA-099だが、[[地球連邦軍 (UC)|地球連邦軍]]の目からエゥーゴの動向を欺くためにRMS-099とされた。 | |
− | 機体には[[クワトロ・バジーナ]] | + | 機体には[[クワトロ・バジーナ]]を通じて[[アクシズ]]から提供された技術も投入されており、機体構造は[[ガザC]]のブロック構造を発展させたブロックビルドアップ構造<ref>[[ムーバブルフレーム]]とはコンセプトが一致している為「最初期のムーバブルフレーム」と解説される事もある。</ref>を採用している。頭部センサーにはガザ系の大型モノアイタイプを装備。これは広角・魚眼レンズ的な視覚補正を行って[[全天周囲モニター]]の投影補佐を行う高性能さを有し、更にモノアイをレールで移動させる機構が無い分整備性にも優れる。 |
− | + | 装甲材は[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]を使用しており、これによって既存装甲と同程度の強度を数分の1の厚さで得られる為、機体の大幅な軽量化やプロペラント積載量の飛躍的な増加、機体の高機動化に繋がっている。また、背部にバインダーが装備されており、機体の軽量化と合わせて運動性の向上を実現している。 | |
− | + | 装甲材にガンダリウムγを採用した事から開発時は[[プロトタイプ・リック・ディアス]]も含めて「ガンマガンダム」のコードネームをエゥーゴ指導者[[ブレックス・フォーラ]]准将から与えられていたが、クワトロは「その外見は先代のガンダムに申し訳ない」と難色を示し、ガンダムよりも相応しい機体名として、宇宙用の機体を意味する「リック」と喜望峰の発見者「バーソロミュー・ディアス」<ref>この名前にはエゥーゴの活動が折り返し地点に到達したという意味が含まれている。</ref>に因んだ「リック・ディアス」を提案しエゥーゴ側もそれを受け入れプロトタイプ共々正規機体名として命名し刷新された。 | |
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当初は赤いカラーリングのクワトロ用の先行量産機<ref>この「先行量産機」は機体構造の一部を変更しチューンナップが施されており一般機に比べ性能が若干上回ると一部資料で解説されている。</ref>と黒いカラーの一般機が存在していたが、クワトロが[[百式]]に乗り換えて以降はクワトロの活躍にあやかり一般機の大半も赤いカラーリングに変更された<ref>全機がリペイントされた訳ではなく、黒カラーの機体も一部で運用されている。また、パイロットや部隊毎にパーソナルカラーを採用した機体も存在する。</ref>。 | 当初は赤いカラーリングのクワトロ用の先行量産機<ref>この「先行量産機」は機体構造の一部を変更しチューンナップが施されており一般機に比べ性能が若干上回ると一部資料で解説されている。</ref>と黒いカラーの一般機が存在していたが、クワトロが[[百式]]に乗り換えて以降はクワトロの活躍にあやかり一般機の大半も赤いカラーリングに変更された<ref>全機がリペイントされた訳ではなく、黒カラーの機体も一部で運用されている。また、パイロットや部隊毎にパーソナルカラーを採用した機体も存在する。</ref>。 | ||
− | [[ガンダムMk-II]]と比べても互角と言われる程の優れた性能を秘めており、[[ティターンズ]]の新鋭モビルスーツとも対等に渡り合っている。技術的にはガンダムMk-IIと対称的な部分が多い為かMk-II開発者の一人である[[フランクリン・ビダン]]は自分の開発したMk- | + | [[ガンダムMk-II]]と比べても互角と言われる程の優れた性能を秘めており、[[ティターンズ]]の新鋭モビルスーツとも対等に渡り合っている。技術的にはガンダムMk-IIと対称的な部分が多い為かMk-II開発者の一人である[[フランクリン・ビダン]]は自分の開発したMk-IIよりこちらを褒める様な発言をしており、性能は両陣営の技術者が認める所であった。しかし生産コストが高く、量産は士官用の少数に留まっている。 |
== カラーバリエーション == | == カラーバリエーション == | ||
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;一般機 (赤) | ;一般機 (赤) | ||
:クワトロ機と同様のカラーに塗装された一般機。上述の通り、クワトロが百式に乗り換えた後、主にアーガマ隊所属機が同様のカラーに塗装された。 | :クワトロ機と同様のカラーに塗装された一般機。上述の通り、クワトロが百式に乗り換えた後、主にアーガマ隊所属機が同様のカラーに塗装された。 | ||
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;ガトー機と思わしき機体 | ;ガトー機と思わしき機体 | ||
:『[[ガンダムトライエイジ]]』のカード「BG3-005 [[ガンダム試作2号機]]」のイラストに掲載されている[[アナベル・ガトー]]が乗っていると思わしきIF機体。彼のパーソナルカラーである青と緑に塗装されている。 | :『[[ガンダムトライエイジ]]』のカード「BG3-005 [[ガンダム試作2号機]]」のイラストに掲載されている[[アナベル・ガトー]]が乗っていると思わしきIF機体。彼のパーソナルカラーである青と緑に塗装されている。 | ||
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== 登場作品と操縦者 == | == 登場作品と操縦者 == | ||
;[[機動戦士Ζガンダム]] | ;[[機動戦士Ζガンダム]] | ||
− | : | + | :初出作品。[[クワトロ・バジーナ]]や[[アポリー・ベイ]]、[[ロベルト]]など[[アーガマ隊]]に所属するパイロット達が搭乗し、第1話から終盤までエゥーゴを象徴するモビルスーツとして活躍した。ロベルト戦死後は[[アーガマ]]にアポリー率いるリック・ディアス隊が結成されている。 |
:序盤ではクワトロ、地上編ではアムロが搭乗しており、長いガンダムの歴史の中で、'''[[アムロ・レイ|アムロ]]と[[シャア・アズナブル|シャア]]が共通して搭乗した事がある初のMS'''となった。 | :序盤ではクワトロ、地上編ではアムロが搭乗しており、長いガンダムの歴史の中で、'''[[アムロ・レイ|アムロ]]と[[シャア・アズナブル|シャア]]が共通して搭乗した事がある初のMS'''となった。 | ||
;[[機動戦士ガンダムΖΖ]] | ;[[機動戦士ガンダムΖΖ]] | ||
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== 装備・機能 == | == 装備・機能 == | ||
=== 特殊機能 === | === 特殊機能 === | ||
− | ; | + | ;ブースターバインダー |
− | : | + | :背部クランクマウントに装着されるバインダー。バーニア、プロペラントタンクを内蔵し、[[AMBAC]]肢としても動作する。状況に応じて分離が可能で、シールドや投擲武器としても使用可能。『Ζ』第13話ではロベルト機が投擲武器として用いている。なお準備稿の段階では肩部に装着する事も可能だった。 |
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;マルチプル・ディスチャージャー | ;マルチプル・ディスチャージャー | ||
− | : | + | :指の付け根にある多目的ランチャー。トリモチやダミーバルーン、信号弾等を発射可能。 |
=== 武装・必殺攻撃 === | === 武装・必殺攻撃 === | ||
;バルカン・ファランクス | ;バルカン・ファランクス | ||
− | : | + | :頭部に内蔵されている近接防御用の実体弾機銃。使用時は頭部カバーを開き、砲身を展開する。 |
;[[ビーム・サーベル]] | ;[[ビーム・サーベル]] | ||
− | : | + | :腰部に1基マウントしている近接白兵武装。同様の装備を[[ネモ]]や[[百式]]も装備する。 |
;BP-L-86 ビーム・ピストル | ;BP-L-86 ビーム・ピストル | ||
− | :背部ライドレーザーラックに2挺マウントされている<ref>マウント時は[[エネルギーCAP|Eパック]]への粒子リチャージも行われる</ref> | + | :背部ライドレーザーラックに2挺マウントされている<ref>マウント時は[[エネルギーCAP|Eパック]]への粒子リチャージも行われる</ref>ビーム射撃火器。ラック収納状態のまま手に持たずに背面に発射する事もできる。[[百式]]のライフルと同型のスネイル型Eパックが採用されている。 |
+ | :一応、劇中本編では手持ちか収納状態でしか装備された事は無いが、隠された装備パターンとして「二挺を連結し前腕部に嵌め込んで装備する」事も可能と言われている。 | ||
;AE/ZIM.C-BAZ-531 300mmクレイ・バズーカ | ;AE/ZIM.C-BAZ-531 300mmクレイ・バズーカ | ||
− | : | + | :本機の主兵装の実体弾バズーカ。敵機そのものの破壊ではなく内部メカの破損等を目的とした粘着榴弾を普段は使用しており、散弾等様々な弾種を発射でき通常弾<ref>一部資料で「通常弾=HEAT弾」と解説されている。</ref>も発射可能。カートリッジ弾倉方式の為リロードも容易。 |
=== その他 === | === その他 === | ||
;[[ビーム・ライフル]] | ;[[ビーム・ライフル]] | ||
:[[ガルバルディβ]]の携行するビーム・ライフル。鹵獲品なのか本機が使用しているシーンがある。 | :[[ガルバルディβ]]の携行するビーム・ライフル。鹵獲品なのか本機が使用しているシーンがある。 | ||
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== 対決・名場面 == | == 対決・名場面 == | ||
=== 機動戦士Ζガンダム === | === 機動戦士Ζガンダム === | ||
;対[[アッシマー]] | ;対[[アッシマー]] | ||
− | :第16話「白い闇を抜けて」にて。[[ブラン・ブルターク]]のアッシマーに対し、[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の[[ガンダムMk-II]]と[[アムロ・レイ|アムロ]] | + | :第16話「白い闇を抜けて」にて。[[ブラン・ブルターク]]のアッシマーに対し、[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の[[ガンダムMk-II]]と[[アムロ・レイ|アムロ]]のリック・ディアスが交戦する。この戦闘はアムロの搭乗するリック・ディアスの独壇場で、アムロの優れた技量がブランのアッシマーを追い詰めていく。最後にブランはカミーユのMk-IIに取り付き、ビームサーベルを奪ってカミーユを道連れにしようとするが、アムロが[[アッシマー]]の右腕を切断し、胸部にサーベルを突き刺して撃墜。ブランは「アッシマーがぁ!!」と叫んで戦死している。 |
== 関連機体 == | == 関連機体 == | ||
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;[[ネモ]] | ;[[ネモ]] | ||
:本機と[[百式]]の開発を経て設計された基本フレームを採用している。肩部形状に類似点が見られる。 | :本機と[[百式]]の開発を経て設計された基本フレームを採用している。肩部形状に類似点が見られる。 | ||
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=== その他 === | === その他 === | ||
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== 余談 == | == 余談 == | ||
− | * | + | *イジェクションポッドを兼ねた頭部コックピットを有する本機だが、『Ζ』劇中ではどういう訳か、胴体に直撃弾を受けたのにも関わらず脱出機能が作動しないまま機体ごと爆散する描写が多々見られる<ref>[[フランクリン・ビダン]]、[[ロベルト]]、[[アポリー・ベイ]]、[[バッチ]]が該当。</ref>。劇中で唯一、脱出描写が描かれたのは[[エマ・シーン|エマ]]機(第21話)のみである。 |
*[[月刊ガンダムエース]]2020年4月号に掲載された[[機動戦士ガンダムNT]] (漫画版)第14話において[[シナンジュ・スタイン]]と交戦し、撃墜されるシーンがあるのだが、明らかにコクピットが胴体にあるような描写で描かれてしまっている<ref>流れとしては「シナンジュが頭部を抑える→胴体を頭部バルカンで攻撃→パイロットが蜂の巣に→沈黙」。また、[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]製の装甲が頭部バルカンでいとも容易く撃ち抜かれるという描写にも疑問点が見られる。</ref>。同作では同様にディジェのコクピットも胸部にある描写がなされており、おそらく監修ミスの可能性が高い。この事はネット上でも指摘されており、これを受けて同誌の2020年8月号では大森氏がコメントで単行本で修正する旨を伝え、胴体を攻撃するコマを切り詰め、隣に頭部を続けて攻撃するコマが追加された。 | *[[月刊ガンダムエース]]2020年4月号に掲載された[[機動戦士ガンダムNT]] (漫画版)第14話において[[シナンジュ・スタイン]]と交戦し、撃墜されるシーンがあるのだが、明らかにコクピットが胴体にあるような描写で描かれてしまっている<ref>流れとしては「シナンジュが頭部を抑える→胴体を頭部バルカンで攻撃→パイロットが蜂の巣に→沈黙」。また、[[ガンダリウム合金|ガンダリウムγ]]製の装甲が頭部バルカンでいとも容易く撃ち抜かれるという描写にも疑問点が見られる。</ref>。同作では同様にディジェのコクピットも胸部にある描写がなされており、おそらく監修ミスの可能性が高い。この事はネット上でも指摘されており、これを受けて同誌の2020年8月号では大森氏がコメントで単行本で修正する旨を伝え、胴体を攻撃するコマを切り詰め、隣に頭部を続けて攻撃するコマが追加された。 | ||
**余談ではあるが、『[[機動戦士Ζガンダム (小説版)]]』第一部ではリック・ディアスのコックピットが腹部に存在する記述が見られる。 | **余談ではあるが、『[[機動戦士Ζガンダム (小説版)]]』第一部ではリック・ディアスのコックピットが腹部に存在する記述が見られる。 |